即興小説「お写真ボクっ子」

ニノウデ @nOSIBERIA

即興でSS書くかコラァー！ツイッターで呟いてくクソ競技だコラァー！

ニノウデ @nOSIBERIA

あんまりだよ、あんまりだ。ああ、いっそのこと聞きたくなかった。知りたくなかった。ボクは耐えられない。こんな仕打ち。こんな気持ち。嘘だと、あるいは夢だと……ああ、神さま、あなたはひどい。ボクから愛しの彼を奪うだなんて。いや、奪ったのは神さまじゃなくって、クラスのアイツなんだけど。

ニノウデ @nOSIBERIA

放課後は本を読みに図書室に来るはずなのに、君は来なかったね。恋人ができたから？ボクは耐えられなかった。全然泣けるところじゃなかったのに、本を読みながら泣いちゃったよ。君のことを一番良く知っているのはボクだ。君はそれを知らないんだろうけど、ボク以上に君を好きな人なんか居ないよ。

ニノウデ @nOSIBERIA

一年生の頃からの写真を入れたアルバム、家に帰って改めて捲ってみたよ。こうして見ると結構枚数があるものでさ、ふふっ。君はこんなボクにもよく笑いかけてくれたけど、写真は苦手なのかな。あんまり笑ったところがないんだ。そっぽを向いてる写真ばかり。本当はボクのことなんか見てなかったのかな。

ニノウデ @nOSIBERIA

ああ、君がボクのことを見ていないなんて、見てくれないなんて、ボクはもうおかしくなってしまいそうだ。笑うなら、笑うがいいや。……でも、本当に君に笑いかけられたなら、きっと忘れてしまうんだろうね。ふふっ、惚れた弱みというやつかな。ああ、ちくしょう。アイツのどこがいいっていうんだい。

ニノウデ @nOSIBERIA

君がアイツと歩いているところを見たよ。教室を出て、靴を履き替えて、それで校門でグズグズしてると思ったら、なるほどアイツと待ち合わせていたってわけか。ねえ、待ち合わせにそわそわしないでよ。嬉しそうに手を振らないで。甘えられたら拒絶して。全部、ボクがしたかったことばかりじゃないか。

ニノウデ @nOSIBERIA

君のあんな顔、見たことなかった。写真にも写せなかった。どうして、どうして。ボクのことを好きと言ってくれなくてもいい。アルバムのページの上に涙が落ちた。写真がふやける心配はないけど、今更君のこんな写真、持っていてもしかたがないよ。あんな顔するなんて知ったら、こんな写真……。

ニノウデ @nOSIBERIA

また、ボクは君の写真を撮り始めることにした。余計な物も写り込むけど、それは我慢。いつか君とアイツが、何かで、別れることになったらボクが、なんて。その時まで君がどんな顔でアイツと付き合っていたか忘れないよう撮っておくんだ。ボクが同じ、ううん、それ以上に幸せな笑顔にしてあげる。

ニノウデ @nOSIBERIA

代わりに、今までの君の写真は返すよ。表情とかはあれだけど、割と上手く撮れているから、気に入ってくれたら嬉しいかな。 また図書室に来てくれるようになったら、今度は誰かにとられたりしないよう、気をつけるから。アイツと待ち合わせなんてやめて、また図書室に……ね？

ニノウデ @nOSIBERIA

～完～