国立大学の人文社会系解体

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佐藤 嘉幸/Yoshiyuki SATO @pliselonpli

ついに文科省の大学改革は、最終段階に入っているようだ。

2014-10-25 00:33:33
佐藤 嘉幸/Yoshiyuki SATO @pliselonpli

学校教育法改定によって、教授会から権限を剥奪して、教員自治をほぼ無化した。学長選挙も廃止して、教員による意志決定のルートを徹底して排除する。

2014-10-25 00:37:04
佐藤 嘉幸/Yoshiyuki SATO @pliselonpli

これは始まりに過ぎない。次に出てきたのは、人文社会科学系の切り捨てだ。

2014-10-25 00:39:36
佐藤 嘉幸/Yoshiyuki SATO @pliselonpli

「国立大学法人の組織及び業務全般の見直しに関する視点」で「人文社会科学系学部・大学院については、…組織見直し計画を策定し、組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換に積極的に取り組むべきではないか。」という方針が示された。

2014-10-25 00:39:42
佐藤 嘉幸/Yoshiyuki SATO @pliselonpli

つまり、教員から自治の権限を剥奪した上で、金を生まない人文社会系の切り捨てを明言した。

2014-10-25 00:40:26
佐藤 嘉幸/Yoshiyuki SATO @pliselonpli

人事権も、今後は「教育組織と教員組織の分離」という名目の下に、教育組織が人事に関与できないシステムを、すべての国立大学で構築するだろう。このシステムはすでに筑波大学や金沢大学で、「学系、学域」という名で構築されている。

2014-10-25 00:42:09
佐藤 嘉幸/Yoshiyuki SATO @pliselonpli

京都大学でもこのシステムの構築が図られたが、辛うじて構成員の抵抗によって否決され、挫折したらしい。

2014-10-25 00:44:37
佐藤 嘉幸/Yoshiyuki SATO @pliselonpli

この「教員組織と教育組織の分離」システムが構築されれば、教員の退職で空白になったポストは、大学中央の意向で新たなポストに振り向けられ、教育組織の意向はほぼ反映されない。

2014-10-25 00:45:27
佐藤 嘉幸/Yoshiyuki SATO @pliselonpli

そもそも、教育組織が人事権を持たないので、どのような教育組織を形成するかは大学中央の専権事項になることになる。

2014-10-25 00:47:08
佐藤 嘉幸/Yoshiyuki SATO @pliselonpli

こうして、おそらく金にならない人文社会系はどんどん業態転換をせまられることになるだろう。金にならない哲学など、組織の中ではとうてい生き残れないだろう。

2014-10-25 00:48:00
佐藤 嘉幸/Yoshiyuki SATO @pliselonpli

実際に、筑波大学では、教員組織と教育組織の分離が実現されてから(実際は、開学時から実現されていたが、大学院重点化によって一時的に人事権は大学院に移行された。これを撤廃するために「系、域」への移行が再び実行された)、大学院で社会科学系=経済学・法学が消えた。

2014-10-25 00:50:00
佐藤 嘉幸/Yoshiyuki SATO @pliselonpli

定員を満たしていないという理由で。しかし、これによって、筑波大学は経済学、法学の修士号、博士号を出すことができなくなり、実質的に総合大学であることを放棄した。

2014-10-25 00:50:52
佐藤 嘉幸/Yoshiyuki SATO @pliselonpli

おそらく、今後、すべての国立大学でこうした人文社会系の撤廃が実現されるだろう。筑波大学には開学時から教授会なるものは存在せず、教育会議しかなかったので、「教授会の自治」なるものは存在しなかったが、このことは今後すべての国立大学に広がることになる。

2014-10-25 00:52:34
佐藤 嘉幸/Yoshiyuki SATO @pliselonpli

これは誇張ではない。今後の国立大学の組織解体過程を知りたければ、筑波大学の組織で何が起こっているかをぜひ研究してほしい。

2014-10-25 00:53:56
佐藤 嘉幸/Yoshiyuki SATO @pliselonpli

おそらく、今後は運営費交付金は現状の半分以下に削減され、外部資金と競争的資金が獲得できる組織のみが生き残ることになるだろう。それは人文社会系のほぼ死滅を意味することになるだろう。

2014-10-25 00:54:51
佐藤 嘉幸/Yoshiyuki SATO @pliselonpli

何度も言うが、これは誇張ではない。おそらく今後10年の間に、われわれの想像を超えた、国立大宅の人文社会系の解体が実現されるだろう。そのとき、人文社会系について勉強するためには、一部のエリート国立大学以外では、私立大学で勉強という選択肢しか残らないことになるだろう。

2014-10-25 00:56:30
佐藤 嘉幸/Yoshiyuki SATO @pliselonpli

すべての県に国立大学を配置し、すべての地方で平等に高等教育にアクセスできるという戦後教育の平等理念は、今後10年の間に消滅するだろう。それが好ましくないと考えるなら、それに対抗する社会的コンセンサス(学生を含む)を作る以外に方法はない。

2014-10-25 00:59:35
佐藤 嘉幸/Yoshiyuki SATO @pliselonpli

つまり、教育とは次世代を作るための未来に対する投資であり、その中には当然人文社会系も含まれるべきだ、ということを主張すべきなのだ。

2014-10-25 01:01:25
佐藤 嘉幸/Yoshiyuki SATO @pliselonpli

人文社会系を国立大学から切り捨てるなら、官僚も法曹も教員も養成することはできない。それらをすべて私立大学に任せるなら、国家はその存続の理念を放棄することになるだろう。

2014-10-25 01:02:24
佐藤 嘉幸/Yoshiyuki SATO @pliselonpli

再度繰り返すが、国家の廃棄を意図するなら、そのようにしたまえ。しかし、私はむしろ、国家の廃棄はすべての人間の潜在的平等の実現によってのみなされると考える。

2014-10-25 01:04:13
佐藤 嘉幸/Yoshiyuki SATO @pliselonpli

つまり、高等教育にアクセスしたいすべての人間の能力を平等に開花させるということを大学が目指してきたとすれば、現在実現されつつあることは、その理念の否定であり、単に不平等を強化するだけに帰結すると思われるのだ。

2014-10-25 01:06:41
佐藤 嘉幸/Yoshiyuki SATO @pliselonpli

そのような大学解体を容認することは絶対にできない。高等教育にアクセスしたいすべての人間に、そして最終的にはすべての人間に、その能力の平等を実現することは、大学の使命である!

2014-10-25 01:07:50
佐藤 嘉幸/Yoshiyuki SATO @pliselonpli

筑波大学で起こっていることは、単に国立大学内での先行事例に過ぎない。実際、それよりももっと極端なことは、いくつかの大学で既に実現されている(学長選挙の廃止、構成員の同意によらない組織改編など)。

2014-10-25 01:09:45
佐藤 嘉幸/Yoshiyuki SATO @pliselonpli

その点について、『現代思想』10月号「大学崩壊」は参考になる。とりわけそこで描かれている京都大学の事例をぜひ参照されたい。京都大学が筑波大学より先鋭的な(文科省直系の意向に従う)「改革」を実現しようとしていたという、もはや信じがたい事例が報告されている。

2014-10-25 01:12:02
佐藤 嘉幸/Yoshiyuki SATO @pliselonpli

つまり、教授会の権限剥奪は、金にならない人文社会系の撤廃の前哨戦に過ぎなかったのだ。教員組織の権限を撤廃して丸裸にした上で、今後金にならない人文社会系の組織を撤廃する方針が、徐々に実現に移されるだろう。

2014-10-25 01:24:56