真の教育、研究水準の向上につながる大学改革とは

大杉先生の連続ツイート。
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大杉 謙一 @osugi1967

中央大学法科大学院で、商法・会社法の教育・研究に従事しております。

大杉 謙一 @osugi1967

1.「真の教育、研究水準の向上につながる大学改革とは」 rieti.go.jp/jp/special/dia… 財務官僚が大学(高等教育)をどのようにとらえているかがよく分かる。以下、抜粋。

2014-10-27 13:03:20
リンク www.rieti.go.jp RIETI - 第7回「真の教育、研究水準の向上につながる大学改革とは」 「RIETI政策対談」では、官僚をはじめとする政策担当者とRIETIフェローが、日本が取り組むべき重要政策についての現状の検証や今後の課題に対し、深く掘り下げた議論を展開していきます。
大杉 謙一 @osugi1967

2.「社会の流れや時代の要請に必ずしもマッチしなくなってきた分野もあるはずです。そうした分野を減らし、新たな分野に資金を移すというように、資源配分も考えなければなりません。…大学の世界というのは、非常に優先順位付けに慣れていない組織のようにも思えます。」

2014-10-27 13:03:35
大杉 謙一 @osugi1967

3.「児童生徒1人当たりで見ると、日本は他の主要先進国と較べて遜色ない規模の教育予算をかけているのです。日本のマクロの教育予算のGDP比が3.5%で低いといわれますが、それは少子化のなかで、総人口に占める子供の割合が他の諸国よりも少ないからです。」

2014-10-27 13:03:48
大杉 謙一 @osugi1967

4.「高等教育投資に占める公費負担が低いと言われるのですが… 高等教育の公費負担を増やすなら、まず国民負担のあり方を議論しなければならず、「増税して政府の規模を大きくするのか?」という問いに対して、先程の大学関係者は答えなければならなりません。」

2014-10-27 13:03:57
大杉 謙一 @osugi1967

5.「外部性は、相対的に教育より研究にあると考えられます。外部性のあるものは、何がしか公的なお金を入れない限り、それがいつも自発的に行われるとは限らないでしょう。このため、研究については、ある程度国の支援が必要だと思います。」

2014-10-27 13:04:04
大杉 謙一 @osugi1967

6.「一方、教育に関しては、そのリターンが個人に帰着することを踏まえて、まずは学費をベースにしたうえで、どの程度、国としてサポートするかということを議論すべきだと思います。」

2014-10-27 13:04:13
大杉 謙一 @osugi1967

7.「大学関係者が大学の重要性を認識しているのは当然ですが、国民全体にそういうコンセンサスが本当にあるのでしょうか。…実際、大学が社会にとって有益なことをしていると、国民が本当に理解していれば、これをもっと支援しようという議論がでてくるはずです。」

2014-10-27 13:04:23
大杉 謙一 @osugi1967

8.「自身が好きだから研究するということを否定しているわけではありません。それは構わないが、そのために公費投入が必要という話になれば、説明が必要ということです。」

2014-10-27 13:04:35
大杉 謙一 @osugi1967

9.「個々人とまで言いませんが、やはり学部なり、学科なりが、どういうことを目指しているのかは、少なくとも説明してもらう必要があると思います。そもそも研究力も弱く、教育目標もしっかりしていない、そういうところに漫然とお金を突っ込むことは限界です。」

2014-10-27 13:04:45
大杉 謙一 @osugi1967

10.「よく企業と大学は違うと言われますが、組織論的に見れば、企業と大学は、基本的なあり方で、それほど変わらないところも多いと思います。従業員の投票で社長を決める会社がこの世にないように、当然、社長は株主なり、その組織のステークホルダーに対する責任を経営者として負っているわけです

2014-10-27 13:05:05
大杉 謙一 @osugi1967

11.「従業員が選んだ社長となれば、はたして株主を見て仕事をするかどうか。…少なくとも現状は、トップが従業員を気にするようなバイアスがかかる恐れのある組織になっていると思います。」

2014-10-27 13:05:16
大杉 謙一 @osugi1967

12.「給料を半分というような極端な話をすると、皆抵抗しますが、退職不補充や現給で昇給停止、他大学の学科との併任とか、工夫はあると思うのです。民間では、さまざまな工夫をして、厳しい状況を抜け出そうとしています。大学もそれぐらいの覚悟が求められています。」

2014-10-27 13:05:29
大杉 謙一 @osugi1967

13.「何を目指して教育を行うのか、ターゲットを明確化する必要があります。…何をやるのかをクリアにして、そのための基礎的な教養として、リベラル・アーツがあってもいいのだと思います。…ある大学… 教養教育は放送大学を活用しているということです。」

2014-10-27 13:05:37
大杉 謙一 @osugi1967

14.「それで、ある程度の知識の幅や、ものの考え方の多様性、方法論を学ぶことができれば、あとは先生と対話しながら学び、最後はスキルになります。こういう教育であれば、いまの全ての大学教員を大学が囲う必要はないのかもしれません。」

2014-10-27 13:05:45
大杉 謙一 @osugi1967

15.「学部が違えば、教員同士でほとんど話もしたことがない… ユニバーシティ〔総合大学〕であるためには、もっと学際的なことをやらなければいけない… そこに、もしかしたら何か日本の学問の可能性が、まだあるのかもしれません。」

2014-10-27 13:06:05
大杉 謙一 @osugi1967

16.「教養教育大学については、学費を中心に据えていくことになると思います。教育を中心にやる限りにおいては、全てを丸抱えで国が面倒を見る必要性は乏しくなっています。」

2014-10-27 13:06:14
大杉 謙一 @osugi1967

17.「代案を出していただきたいです。…霞ヶ関は、学問の深いところや大学のしきたりには疎いかもしれませんが、大学の成果なり教育をよくするための人間行動、学部間で意見の違う人たちをどのようにして調整するかというテクニックなどは、むしろよくわかっているかもしれません。」

2014-10-27 13:06:24
大杉 謙一 @osugi1967

18.「教育のサプライサイドの人だけで議論をしていては、駄目ということです。これは教育界全体に言えますが、教員関係者だけで議論をしているから、世間と遊離した議論になってしまっています。」

2014-10-27 13:06:34
大杉 謙一 @osugi1967

19.「教育をシステムとして考えたときに、どこをどう改善したらよいのか? 雑務が多いから人を増やせと言うのであれば、雑務を減らせばいいではないですか。そういう議論が出ないのは、供給者側だけで議論しているからです。」

2014-10-27 13:06:42
大杉 謙一 @osugi1967

20.抜粋は以上。大学関係者は文科省の悪口を言うが、文科省と財務省が大体同じ方向を向いているのだとすると、われわれがなすべきことは文句を言うことではないはずだ。・・・まぁ、大学が変われるとは思いにくいのも事実ですが。

2014-10-27 13:06:56
仲野徹 『笑う門には病なし!』 @handainakano

財務省主計局の『文教・科学技術関係資料』、解釈とか方針が正しいかどうかは別として、資料として見ると、いろんなことがわかる。大学改革は文科省じゃなくて、財務省のお考えでござるな(pdf)。 mof.go.jp/about_mof/coun…

2014-10-30 14:17:10
大杉 謙一 @osugi1967

27頁の「機能強化に向けての取組みが慫慂されるような配分となっていない。」という記述は、要は財務省が文科省(と各大学の主計)に ゴラァ! て言っているわけですね。 mof.go.jp/about_mof/coun…

2014-10-31 08:07:29
大杉 謙一 @osugi1967

31頁は、単にGとLではなく、国立大学を世界水準、全国水準、地域活性化の中核の3つに分類していますね。全国水準はN(national)と呼ぶことになるのでしょうか? mof.go.jp/about_mof/coun…

2014-10-31 08:08:07