【ニンジャの二次創作】メランコリック・ウォーター・イズ・フローイング #2
- simanezumi88_n
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(当アカウントはこれからニンジャの二次創作投下マシーンとなります。これはやさすい漬けのマグロが水槽の中で見た夢であり、本編・公式とは一切関係がございません)
2014-10-29 22:18:13(TLが私のツイートで埋まる可能性は実際高いです。煩わしく感じられたならリムーブ、ミュート等をお願いいたします)(専用の実況タグ #yasasui_nj が用意されております。生暖かい目で突っ込み感想何か実況用にどうぞお使い下さい)
2014-10-29 22:19:06(前回【メランコリック・ウォーター・イズ・フローイング】 #1 togetter.com/li/723818 )
2014-10-29 22:20:49(あらすじ:ツジギリストのウォーターボード、元古物商でソウカイヤのレイザーエッジ。そして巨漢ニンジャ・アヴィディヤ。陰謀渦巻く偶然猥雑で雑多なストリートのど真ん中にそびえる寺院の地下で遭遇し…イクサが始まった。だがアヴィディヤのジツの前に二人は逃走。反撃の狼煙が上がる)
2014-10-29 22:25:37昼なお暗いネオサイタマの入り乱れた手入れのなされない下水道。好き好んで立ち寄るは、地上を追われたピラミッド最下層に属する者かバイオネズミくらいのものであろう。その暗がりに潜む者が…いや、手負いのニンジャが二人。ツジギリストのウォーターボードとソウカイヤのレイザーエッジだ。 1
2014-10-29 22:28:46ウォーターボードがレイザーエッジに問いかける。「お前、ソウカイヤにいたのか。あの時へたり込んでいた男がな…。答えろ。あの寺と何の関わりがある」レイザーエッジが胡座をかき、後ろに手をつく。「俺はあの寺に金を借りた。その引き換えに罪人を消せと頼まれ引き受けた」 2
2014-10-29 22:31:46「その時にニンジャとなり、俺はソウカイヤへ入った。そして、アースクエイク=サンの手伝いとして、またこの街へ戻ってきた」「いやに良く喋るな」「気が楽になったのだろう」「そうかよ」ウォーターボードが仰向けに倒れ込む。相も変わらず周りはただただ闇。誰も話を聞く者は居ない。 3
2014-10-29 22:34:45「…あの場を脱出した貸しがある。ツジギリを手伝え」しばしレイザーエッジの沈黙。「良いだろう」「良し」束の間、男達は共に肩を揺すり、立ち上がった。「行くか」「行こう」同時に、二匹のバイオネズミが暗がりに迷いこんだ巨大蛾へ飛び掛かった。 4
2014-10-29 22:37:40「厳めしい」「えッ人生」「ジェントル・ウォーター」などのけばけばしい色の看板の溢れるアシナガ・ストリート。夜毎人々はケモビールを飲み、バリキを飲み、ケモバーガーを食べ、街を彷徨い歩く。不動産業を営むスザキもまた今夜も飲み屋から飲み屋へ、アルコールジプシーの民となっていた。 6
2014-10-29 22:41:29行きつけの屋台でケモビールを飲みながら、スザキはバイオイカ薫製とマグロ丼をしかめ面で頬張っていく。何時からか習慣付けられたお決まりのコースだ。「今日のビズも上手くいった。フゥ…」誰とはなしに呟く。赤ら顔のスザキは続けざまにケモビールを次々飲み干し、やがてカウンターへ突っ伏す。 7
2014-10-29 22:44:52その屋台の後ろ、居酒屋「サケロク」では、違法電波業者のハシノトがメンタイ入りのサケを飲みながら、両脇にオイランを抱えている。「つまり、キミたちとはココが違うわけ、ココが。ワカル?わかんないだろうなぁ!」「「スゴーイ!」」止まらぬ嬌声。テレビの光がハシノト達を無感動に照らす。 8
2014-10-29 22:48:19更に居酒屋の裏手では、無軌道大学生の群れが盛大に嘔吐しながら前後している姿が見える。「幸せ」「乗ろう」などと書かれたビラが気まぐれな風に吹かれながら街中を漂っていく。誰もがぼんやりとした不安を曇天模様に見出だす寄せ木細工のような街。 9
2014-10-29 22:51:40居心地悪そうに互いに並び立つペンシルビルの一角。「スザキ不動産」とミンチョ体で書かれた、壁に所々ひび割れの走る雑居ビル。入口には「本日休み」のプラカード。室内では葉巻をくわえ、ダブルのストライプスーツを着込んだ恰幅の良い男…目の下に陰鬱な隈をこしらえたスザキが時計を見やる。 11
2014-10-29 22:55:19「まだか」スザキが爪先で床を忙しなげに鳴らし出した矢先。フォアー。奥ゆかしい笙リード音が室内に鳴り響く。慌てて入り口を見ると、作務衣姿の冴えない中年男性がそっと入りこむ所であった。「ドーモ、ジバナ=サン、お待ちしておりました」「ドーモ、スザキ=サン。お元気そうで何よりです」 12
2014-10-29 22:58:27アイサツもそこそこに二人はそっと視線を交わし、ジバナが懐から包みを取り出す。スザキはそれを受け取り、自然な動作で背広の内ポケットへ収める。「近頃は暑いですね」「全くですね。ところで、例の件はどうでしょうか?」「順調ですよ。あと一息です」他愛のない会話。当たり前の儀式。 13
2014-10-29 23:01:39「では、またよろしくお願いいたします」暫くしてジバナが席を立ち、来た時と同じようにしめやかに部屋を出ていった。後に残ったスザキはソファーにずるずる沈みこむ。「ふふふ、これでまた酒が飲めるわい……。これでいい…これでいいんだ…」安堵の笑みを浮かべ、大きく息を吐いたその時。 14
2014-10-29 23:04:42フォアー。奥ゆかしい笙リード音が再び室内に鳴り響く。「アイエッ?!」スザキが慌ててソファーから飛び上がり、観葉植物だらけの入り口を見やる。「来客の予定は無い筈…」入り口から陰気な姿を見せたのは、痩せた男。スザキにはその姿に見覚えがあった。 15
2014-10-29 23:07:46「えっ、古物商の…?」スザキを見つめる男の瞳には暗く深い闇が映っていた。「ドーモ、スザキ=サン。お久しぶりです」男が暗い声で挨拶する。スザキはあんぐりと口を開けたまま固まっていた。眼前には昔馴染みの古物商のの姿。「噂では、夜逃げして、死んだのだと…?」 16
2014-10-29 23:10:40「ちょっと色々あったけれども、見ての通り生きているよ」スザキは視線を忙しなく左右に振り、唇をわななかせる。「元気そう…だな。そうだ、チャを出そう」「いや、それはいい」腰を浮かしかけたスザキを制し、古物商が淡々と喋る。「今日は旧知のよしみで幾つか頼まれてほしい。礼ならする」 17
2014-10-29 23:14:02古物商の懐から取り出されたコーベインが黒檀のテーブルの上に積まれていく。「なっ、お前さん、どうやって…?」古物商は無言でスザキの目を見つめる。「アイエッ…」スザキは背筋が凍りついた。 18
2014-10-29 23:17:11「そ、それで、何をすればいいんだ…?」「少し見たいものがある」スザキは失禁しそうになる自分をなんとか抑えながら目の前の古物商の言う通りに従う。こいつは人間じゃない。何か違う…化け物だ。 19
2014-10-29 23:20:07