視覚現象をめぐる科学、現象学、科学哲学

◆視覚システムが完全に理解されたならば、魂という魅力的な問題がもっと研究しやすくなるだろう(フランシス・クリック) ◆見るという行為の特定の側面がややこしく思えるのは、私たちが見るという行為全体がややこしいとは思っていないからだ(ルートウィヒ・ウィトゲンシュタイン) 『子供の科学』に寄せられたという質問の話から始まる心理学者・神経科学者による、歩くと頭が動くのに世界は静止して見えるという視覚現象およびその「説明」をめぐるやりとり
16
Masashi Komori @masashikomori

僕は学研ではなく誠文堂新光社の『子供の科学』派だった.とにかくすごい雑誌で,質問コーナーに寄せられる質問が難問過ぎた.覚えているので言うとこんな質問→「Q:歩くと頭が動くのになぜ世界は揺れて見えないのですか?」これHelmholz以来の難問だろw

2014-11-10 09:01:13
渡邊芳之 @ynabe39

知覚されているのは網膜に映った像ではなく流動性の中の不変項だから、というのがギブソンの答え。

2014-11-10 09:09:19
shokou5 @shokou5

これでは 説明になってなくて,どうやって 網膜の 情報から 不変項を 抽出しているのかを 説明しなければいけない,と 批判したのが Marr.

2014-11-10 09:16:31
吉田 正俊 @pooneil

.@shokou5 でもって、prediction codingでのtop-down predictionってのが結果的に「不変項」の言い換えになっているんではないかと思ってる。

2014-11-10 10:57:08
shokou5 @shokou5

ですよね.不変項にも 階層性が ある. RT @pooneil: .@shokou5 でもって、prediction codingでのtop-down predictionってのが結果的に「不変項」の言い換えになっているんではないかと思ってる。

2014-11-10 11:12:06
Tetsuo Ishikawa @fronori

そしてついに説明ギャップと換言されるのでは。RT @shokou5: ですよね.不変項にも 階層性が ある. MT @pooneil: .@shokou5 でもって、prediction codingでのtop-down predictionってのが結果的に「不変項」の言い換え…

2014-11-10 11:47:21
Tetsuo Ishikawa @fronori

説明になっているのと、説明された気になる、の違いはなんだろう。包含関係かと最初は思ったが、可能性は2×2で4通りある。説明になっていてかつ説明された気がする、説明になっていないが説明された気がする、説明になっているが説明された気がしない、説明になっていないし説明された気もしない。

2014-11-10 12:01:19
Tetsuo Ishikawa @fronori

それらしい言葉(日常言語でも専門用語でも、数式や記号でもいいけど、借用したり援用したり、既存のものに新しい意味を付与したり、場合によっては新語を作る)を見つけて当てはめて、それが当の何ものかを言い表してる気がする/気にさせることが説明のひとつの方法だと思う。じゃあそれ以外って何?

2014-11-10 12:13:49
Tetsuo Ishikawa @fronori

もっと他に言い当てる適した言葉を知っているか、あるいは知らないけれどあるはずだと思う(直観?信念?もしくは希望?)のが、説明になっていないと感じるか説明された気がしない原因のひとつかもしれない。最近聞いた、「心臓から循環を取り出せと言われても無理だろう?」という言葉がささってる。

2014-11-10 12:22:51
Tetsuo Ishikawa @fronori

長沼毅さんの話で印象的だったのは、何かを分かったと言うには、少なくとも10通りの異なる言い方で説明できたら分かったと見なすというお話。たとえ話ではなく、学生と話すときやご自身のお子さんを叱るときに実際に用いている方法だと聞いて仰天した。分かるとは思考停止ではなく考えることなんだ。

2014-11-10 13:06:42
shokou5 @shokou5

.@fronori どうかな.世界に 不変な ものが あるのは 議論の 前提だから,認知する 側に 不変な ものを つくりだせれば,機能的説明としては そこで とりあえず おちつくのでは.クオリア(なる ものが あるとして)までの 説明は もともと 要求されていないし.

2014-11-10 22:32:54
Tetsuo Ishikawa @fronori

.@shokou5 ギブソンの不変項が説明になっていないなら、Marrのプログラムやトップダウンも説明になっていないと捉えることもできると思って書きました。もともとの子供の科学の問いは現象学かさもなくば認識論の質問だと思っていたのですが、そうではなく機能の疑問だと捉えるのですね。

2014-11-10 22:58:28
shokou5 @shokou5

.@fronori 認識論という 用語で どこまでを 説明対象に ふくめるかは オープンでしょう.不変項から クオリアが 生じることの 説明の 必要性は かならずしも 共有されていないので.ギブソン説では 最小限の 機能レベルの 説明が できていないという 指摘でした.

2014-11-10 23:08:35
shokou5 @shokou5

説明ギャップを もちだすなら,頭を うごかさずに 静止しているときの 静止した 世界の 経験にも 説明ギャップが みいだされる.ギャップは 頭を うごかす場合に 特異的な 問題ではなく,キャンセル・アウトされる.こどもの 問いに 対して 説明ギャップにまで 言及するべきではない.

2014-11-10 23:32:59
Tetsuo Ishikawa @fronori

.@shokou5 機能的な説明が足りないというMarrの指摘はもっともだと思います。質問者(大人かもしれません)がそのレベルの回答で納得するならそれでいいんじゃないでしょうか。どのレベルの説明を説明として提示するかは恣意的ですし、また、受け入れられるかどうかは文脈依存的ですし。

2014-11-10 23:45:26
shokou5 @shokou5

.@fronori そうですね.説明の レベルの 恣意性について 同意します.そのうえで 質問の 意図を 最小限 合理的に 解釈すれば 説明ギャップまで 言及するのは 不適切だろうという 語用論的な 考察を おこないました twitter.com/shokou5/status…

2014-11-10 23:55:17
Tetsuo Ishikawa @fronori

.@shokou5 件の質問を、たとえばロボットに取り付ける視覚センサーが、ロボットが動いても映像がぶれないように機械的あるいはコンピュータビジョンなどの手法で補正するにはどんなアルゴリズムや実装方法がありますか?という質問と同等だと解釈するなら、説明ギャップは全くの余計ですね。

2014-11-11 00:02:07
shokou5 @shokou5

.@fronori (ぼくは それで いいんだけれど)こどもは じっとしているときに 世界が ぶれずに 経験されることは 疑問に おもっていないし,そういう 状態を ロボットの ようとも おもっていないはず.その 状態からの 差だけを 説明すれば 必要十分なのではないでしょうか.

2014-11-11 00:07:46
shokou5 @shokou5

どんな 主張にも 「なぜ?」と ききかえす ことは 可能だけれど,どこかで たずねている 本人にすら 自分が なにを たずねているのか わからなくなる レベルが ある.なぜかって? わからないよ.

2014-11-11 00:09:25
Tetsuo Ishikawa @fronori

.@shokou5 ああ、ひとつ分かりました。この質問が載った雑誌はまぎれもなく「子供の科学」であって、「子供の哲学」ではないのですね。そういう対抗馬(競う必要もないけれど)の雑誌があればどんなにかいいのに!動くとぶれるというのはカメラやビデオからの類推でないなら何なのでしょう?

2014-11-11 00:15:27
shokou5 @shokou5

.@fronori 笑.ぼくの 議論の 展開が 哲学的でなく,科学的なのかどうかは ちょっと 保留ですけれど(すくなくとも 分析系は こういう 議論しますよね.「科学的」哲学だからかも しれないけれど),『子供の哲学』は いいですね!

2014-11-11 00:20:05
shokou5 @shokou5

.@fronori むしろ,頭を うごかすと,じっさい 知覚される 視覚像は 変化するけれど,世界自体が うごいているようには 感じられないという,きわめて 現象学的な ところから 発せられた 問いだと おもいます.だから ロボットに 無理に おとす 必要性は 感じず….

2014-11-11 00:23:41
Tetsuo Ishikawa @fronori

.@shokou5 いえ、質問者が科学的な答えを求めているなら、哲学的な説明は蛇足かもという意味です。飯島さんはすぐれて分析的だと思います。もし哲学者に向けられた問いならば、「それは君の魂が揺れ動くことなくひとところにとどまろうとするからだ」との回答もあり得るかなと想像しました。

2014-11-11 01:21:33
Tetsuo Ishikawa @fronori

.@shokou5 最小限の機能的説明のレベルとして機械論的なものの例でロボットを構想しました。それなら難しい問題を考慮する必要がないので。解剖生理学的対応などはあった方が良いかもしれませんが。問い自体は現象学的見地から発せられたのに、回答は現象学的レベルを排除すべきということ?

2014-11-11 01:23:22
shokou5 @shokou5

.@fronori 現象学を 排すべきとは おもっていません.問いの 前提に 現象学と 生理学の ペアが あたえられているわけです.そこからの 両者の ずれを 緻密に 対応させることに 飛躍は ないのでは?

2014-11-11 01:50:41