【アナ雪】アナとチビ九尾エルサ(2-2)【パロ】
- yorozuya753
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【アナとチビ九尾エルサ(2-2)】 [2-1]togetter.com/li/742911 ◆注意 エルサがロリ化して耳と尻尾が生えてます(アナちゃんは大人です)。幼女、ケモノアレルギーがある方は全力バックオーライ!あ、だから私はロリコンじゃないってば!ほんとだよ!信じてよ!!
2014-11-14 01:24:14*** ゆらゆら揺れる青白い影があった。いや、影というには薄い、まるで蜃気楼な揺らめき。青い白い蜃気楼のような幻影がゆらゆら揺れている。まるで水面に浮かぶ薄い氷の板のような、そんな朧。その幻影に影が差した。大きな影だった。工事現場など放置された砂山のような大きな影だった。
2014-11-14 02:01:09影はのそりを動いて、その幻影の隣に腰を下ろす。ゆらゆら揺れる薄い青色をした幻影は、大きな影に紛れて見えなくなる。ざわざわと風が鳴った。木々がざわめき、草花が微かな悲鳴を上げる。ぐるる……と、獰猛な獣が唸る声が静かに響いて、大きな影は森の蔭りに紛れ、そして消えていった。 ***
2014-11-14 02:05:33*** サンドイッチを軽く食べてエネルギーチャージの済んだあたしは、ゲルダが車から持って来てくれた物を整理していた。ボストンバッグには、あたしの衣類、コンパクトな救命キット、ノートパソコン(PCの周辺機器)、奪取してきた書類、必要かなって思ったけどあんまり役には立たなかった工具、
2014-11-14 02:16:02ピストル二丁、サイレンサー、普通の銃弾、銀の銃弾、サバイバルナイフ、銀のナイフ、小瓶に入った聖水(一応ちゃんとした所から取って来たものだけど家の技術者が細工してより効果を高めた物)、多額の現金、偽造のパスポート……とか色々入ってる。こんだけ物が詰まってれば重たい筈なのに、
2014-11-14 02:20:00ゲルダったら汗一つ掻かずに運んで来るんだからスゴい。一応ここ二階なんですけど?しかもあのショッピングモールで買ってきた諸々も一緒に持って来てくれたし。 (ゲルダって怪力よね) メイド服のデザインが少しふわっとしているから分かりにくいけれど、
2014-11-14 02:22:54その下には鍛え抜かれたしなやかな筋肉があるのは昔から知っている。ついでにあたしが小さい頃からこの人スタイルは変わってない。すごくわよね。 (ま、それはあたしのお母さんもなんだけどさ) この人達の体ってどうなってんだろ?っていう疑問はあとでお父さんにでも聞くとして。
2014-11-14 02:25:54あ、ちなみにメイド服がちょっとふわっとしたデザインになってるのは、下に色んな武器を隠してるから。不用意に近付くと痛い目見るから注意よ。あ、痛い目で済まないかもしんないけど。 「お嬢様、報告書についてですが」 ボストンバッグから色んな物をポイポイ放って散らかしてるあたし。
2014-11-14 02:27:27そんなあたしを咎めるような視線を送りながら床に落ちた衣服を拾いつつゲルダが言う。あたしはその言葉に「あ゛」っていう変な声を反射的に漏らした。 「……お忘れのようですね」 「あー、あははっ。ほら、忙しかったし。そんな暇なかったし」 笑って誤魔化す。なんてのはゲルダには通じない。
2014-11-14 02:30:01でもゲルダは鬼じゃない。昨日までの状況を考慮してちゃんと考えてくれる人。それに昨日、ズタボロで帰ってきたあたし達を愚痴なんて一つも零さずに真っ先に迎えてくれたのは彼女だもん。 ゲルダは顔を顰めながら短い溜息を吐くと「遅くとも明日中に提出しなければなりませんよ」とだけ零して、
2014-11-14 02:31:50それ以上は何も言ってこなかった。 「ほーこくしょ?」 あたしの隣りであたしが散らかす様を大人しく見ていただけだったエルサが問い掛けて来る。小首を傾げて「なぁに?」の顔。大きな耳が動作に合わせてふわっと揺れて、髪がさらっと華奢な肩口に流れた。
2014-11-14 02:40:47「報告書っていうのは、こんなことがありましたよっていうのを詳しく伝える為に書くもの」 あたしはエルサの頭を撫でたい衝動を押さえながら手を動かすのはやめずに答える。エルサは反対側へ首を倒して「ふぅん?」曖昧に頷いてから「わたしもかいた方がいい?」と訊ねて来た。
2014-11-14 02:40:59「え?なにを?」 「ほーこくしょ、わたしもかく?」 「いや、別にいらないんじゃないって思うけど……」 「そーなの?」 「うん。なんていうかエルサは書かれる側っていうか……ちなみになんて書く気なの?」 「ぅ? んーと……」 エルサの尻尾が僅かに揺れる。目線が斜め上の宙を彷徨う。
2014-11-14 02:43:34ボストンバッグから荷物を出し終えたあたしは、エルサの様子を横目に見守りながら、今度はあのショッピングモールで買った物に手を付ける。大きなビニール袋にはエルサちゃん用の恐竜着ぐるみパジャマが大量に入っていて(取り敢えずあそこに置いてあるの全種類買っといたの)、
2014-11-14 02:54:14大量のインナーとかシャツとかタンクトップとか、小さな靴下とか、靴とかが入っていて。袋の隅にはヘアアクセサリー類が固まっている。もう一つの大きな袋にはスナック菓子がわんさか。うん。こっちのお菓子の袋はいいや。これまとめてキッチンに置いといてもらお。
2014-11-14 02:55:19「アナお嬢様、またそんなにお菓子ばかりたくさん買って……」 ゲルダの呆れた声が届く。成長してないですね、と咎められてるような気分になったけど気にしない。 「あー、いや、だってエルサちゃんの好みが分からなかったから」
2014-11-14 02:59:17「それにしてはアナお嬢様の好きなお菓子ばかりですね。チョコレート、チョコスティック、チョコチップクッキー、ストロベリーマシュマロ……ん?百味ビーンズ?」 わぁーお!そういえばそんなの買ったっけ?勢いに任せて買ってったっけ?
2014-11-14 03:03:49うわぁ、「こんな物をエルサお嬢様に食べさせるおつもりだったのですか?」っていうジト目で見られてるし!いやいや、そんなわけないでしょ!それは前々から気になってたやつで気まぐれに買っただけだってば!ネットで『普通に美味しい味もあるけど地獄を見る味もあった。注意しろ』とか
2014-11-14 03:04:04『ゲロ味は普通に吐いた』とかってレビュー見たし!そんなものエルサちゃんに食べさせるわけないでしょ!! 「おかし?」 ゲルダに渡したたくさんのお菓子が入った袋をエルサが見詰めている。密閉されているから匂いはそんなにしない筈だけど、やっぱりキツネだから分かるのかな。
2014-11-14 03:06:13「お菓子は今はダメ。エルサちゃん少食なんだからディナー食べられなくなっちゃうから」 「でぃなー?いまさんどいっちたべたのに?」 「あれはブランチっていうかおやつだもん。夜は夜でご飯ちゃんと食べないとお腹減って寝れないでしょ?」 「そう?」 「え?あれ?あたしだけ?」
2014-11-14 03:10:02ゲルダが後ろでくすくす笑ってる。「アナ様は昔から食いしん坊ですからね」なんて言うもんだから、エルサが真似して「アナ、くいしぼー?」って言って来るし。 「もぉー。ゲルダやめてってば。あたし別に食いしん坊じゃないでしょー」 「そうでしょうか?」 「そうよ」
2014-11-14 03:15:53「ですが、お腹が空くと不機嫌になられてますよね?」 「え、それって普通でしょ?」 ゲルダだってなるでしょ?って言うけど案の定「いいえ」と首を横に振る。じゃあエルサちゃんは……うん。この子からまだお腹すいたってハッキリ聞いたことないし、空腹で不機嫌とか想像つかないわね。うん。
2014-11-14 03:17:54(このまんまだとあたしが食いしん坊魔人と勘違いされちゃうわ!) って思ったわけじゃないけど、なんかあたしだけ一方的に弄られるのも面白くないから、袋からエルサの服を取り出しながら無理矢理話題を変えた。 「エルサちゃん、報告書にはどんなこと書くか決めたの?」
2014-11-14 03:21:34