- ElementaryGard
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①この皿はずっと大きい。 ②この皿はもっと大きい。 さあ「ずっと」と「もっと」はどこが違うの?と外国人に聞かれて答えられるかなー。
2014-11-19 10:01:32私たちも英語(に限らず外国語)を学ぶとき「どれも同じ意味なんやろ。どう使い分けるねんこの単語ども」と頭にくることがありませんか。ところが母語である日本語についてはそういうことはかけらも考えない。
2014-11-19 10:03:11皿洗いのアルバイトで「皿ガ割レマシタ」と口にしたら「ばかやろー何だその態度は」と怒鳴られたので、今度は「皿ガ割レテシマイマシタ」と言い換えたらまた「ばかやろー」と言われてめげてしまった外国人留学生は実在します。
2014-11-19 10:05:51まず ①皿が割れました ②皿が割れてしまいました ③皿を割ってしまいました にはどんな違いがあると思いますか皆さん。
2014-11-19 10:07:57「~てしまう」には非難とか驚愕のニュアンスがあります。それがない①は事務的、無味無臭的。②だと「皿が勝手に割れて俺驚いちゃったよたまんねーな」な感じ。それで怒鳴られたのです。「お前が割ったんだろうが。皿のせいにするな」と。
2014-11-19 10:13:35それで ③皿を割ってしまいました。 が選ばれるわけです。これなら「おう今度から気をつけろ」で済む。
2014-11-19 10:15:17すごいでしょ私たちはこんなにややこしい計算を瞬時に行ってひととコミュニケーションしているのです。天才です天才。胸を張れ。
2014-11-19 10:16:22皿Aと皿Bがあって、二つとも大きい皿だとします。そしてAのほうがBより大きいと仮定。すると ①皿Aはずっと大きい。 ②皿Aはもっと大きい。 のどちらも成り立ちます。
2014-11-19 10:19:39皿Aは大きいけれど、皿Bが「うーんこれでは大きさが足りないなあ」なとき ①皿Aはずっと大きい は使えるけれど ②皿Aはもっと大きい ではおかしく感じます。
2014-11-19 10:21:04「ずっと大きい」と「もっと大きい」のどちらでも使えるのは、AとBがともに十分大きい(と感じられる)とき。Bがもともとあまり大きくない(と感じられる)ときは「もっと大きい」は使えない。こういうメカニズムが働いています。
2014-11-19 10:22:33「そんなめんどくさいこといちいち考えて喋ってないよ!」 でしょうね。私だってそうです。けれどそういうところをしつこく質問されるんですよ日本語教師は。
2014-11-19 10:23:36こういう風に母語の仕組みに多少でも自覚的になると、外国語学習のセンスも磨かれてきます。
2014-11-19 10:24:28あ、補足すると「ずっと」には動詞の継続ニュアンスがあります。「あいつは昔からずっとワルだった」とか「山の上からずっと見渡せる」とか。
2014-11-19 10:27:16「そんな理屈しらなくても全然困らん!」 補助具なしで歩ける方にとってエスカレーターの乗り降りなんて簡単なのでしょう。ところが足を悪くして杖を使いだすと恐怖ですよエスカレーター。
2014-11-19 10:29:40「ずっと」と「もっと」の違いなんて健常者にとっては考えるだけばかばかしい。それでもハンディキャップドな者にとっては絶望的な障害物にもなりうるのです。たった十センチの段差でも車いすは乗り越えられないように。
2014-11-19 10:39:36