《漫画家や社会学研究者に、根拠なく過大な期待をするのは適切ではない》

「原発作業員の真実」とか 「福島の本当の声」とか そんなに一人の表現者に表現してもらおうと期待するのは、非現実的な過大なものです。 なお、まとめ主は元双葉町民で、知人が多数原発作業に従事してきました。 このまとめに書いたことは、個人として実際に見聞した内容を言語化しています。
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宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

連続ツイートします。フェイスブックに書いた文章をまとめなおしました。 1 漫画『いちえふ』を これまでさんざん「リアルな描写」とか「現場の真実」とか 持ち上げ続けてきた皆様に、改めてもう一度申し上げます。

2014-11-19 23:41:18
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

2 この漫画作者は、事故原発現場の作業員として働く動機として 「いろいろと言われているほど、作業現場は放射線に関して危険ではないことを知らせる」という趣旨の話を繰り返しています。

2014-11-19 23:41:36
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

3 裁判で認められた事実にも反する、 「放射線被曝で原発作業員には健康被害が出るはずがない」という思い込みを描くことが、 彼が作業員になった目的でもあり、漫画『いちえふ』を描く動機なのです。

2014-11-19 23:42:40
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

4 現場作業員の間で、実際には被曝に対する健康不安があったり、 被曝による健康被害ではないかと思われる健康異変が仲間に出ても、 おおっぴらには口にできない状況であることを おそらく漫画『いちえふ』作者も知るチャンスがあったはずです。

2014-11-19 23:43:01
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

5 しかし、そういうチャンスを全部踏みにじることでしか 漫画『いちえふ』作者は発表の場を与えられなかったし、 彼を賞賛する人たちからの注目も得られませんでした。

2014-11-19 23:43:24
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

6 漫画『いちえふ』を激賞する人たちは、 開沼博氏の業績に注目する人たちと、なぜかオーバーラップします。 (一定程度の人たちは、実際に同一人物です) それは、漫画『いちえふ』や開沼博氏の撒き散らす言説が、 それを賞賛する人たちにとって、都合が良いから、に過ぎません。

2014-11-19 23:43:49
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

7 漫画『いちえふ』と、開沼博氏の言説と、 両者に共通することは、1つです。 加害者と被害者を明確にしないこと、です。

2014-11-19 23:44:15
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

8 もう少し具体的に書きます。 被害者を被害者として描かず、加害者の責任を追究しないこと。 マスコミを加害者の仲間にいれないこと、です。 それは、マスコミと、それに関係して「飯の種」にする人にとっては、 非常に都合が良い話です。

2014-11-19 23:44:54
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

9 そして、漫画『いちえふ』も、開沼博氏の言葉も、 原発事故被害者の現実とか感覚とか、 具体的な話をうやむやにします。

2014-11-19 23:45:21
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

10 その先に待っているのは、なんでしょうか? チェルノブイリ原発事故の被害に対して 日本の「専門家」が行い、日本のマスコミが加担した、 被害現実の過小評価です。 それが今、日本で繰り返されていることです。 (以後は、フェイスブックの文章には書かなかった話です)

2014-11-19 23:46:07
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

11 漫画『いちえふ』作者も、開沼博氏も、悪意の人ではない、と私は考えます。 人格的に問題があるとか、被害者の人権侵害に積極的に加担するとか、 そのような問題があるわけではないと思います。

2014-11-19 23:46:28
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

12 単純に、自らが描きたいこと、語りたいことを、 発表の場が許す範囲内で発表しているに過ぎないのだろうと思います。 そして「原発事故の影響による低線量被曝で鼻血が出ること」は、 発表の場が許さない範囲に属するのだろうと推測します。

2014-11-19 23:46:51
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

13 漫画『いちえふ』の作者に関してもう少し補足すると、 状況が「鼻血描写」を許さないのは、発表の場の問題ではなく、 むしろ、原発作業員の現場の問題だろうと思います。 不安があっても、それは公に言ってはいけない事項なのです。

2014-11-19 23:47:23
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

14 実際に東電福島原発の作業現場で怪我をしたり、 被曝と何らかの因果関係の可能性がありそうな病で死亡したりした場合。 基本的に雇用主側から、「一時金」としては比較的多額の金を受け取る代わりに「今後一切問題にしないし、他言しない」という念書を書かされて終わり、でした。

2014-11-19 23:48:09
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

15 本人も家族も同僚も知人も、うすうす事情は察しても、その話はしないで済ませます。 もし、作業員本人に癌が見つかり、自殺したとしても、 公式には、原発作業とは無関係の事になります。因果関係の立証には、長く時間がかかります。

2014-11-19 23:48:29
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

16 もし、自殺者の遺族が労災等を訴えて裁判沙汰にでもなれば、自殺した作業員が所属した下請け会社は、原発からの仕事を切られるかもしれません。それは、多数の同僚の生活を奪う惧れがある行動になります。 圧倒的多数は泣き寝入りします。

2014-11-19 23:48:59
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

17 まして、漫画『いちえふ』作者は、原発作業がそれほど危険でないことを示すために、作業員になり、漫画を描いているのです。おそらく作者が誰なのか、作者の周りで作業していた人は気づいています。作者がどの下請け会社で仕事していたのかも、わかるでしょう。

2014-11-19 23:49:21
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

18 漫画『いちえふ』作者は、もはや、自身が疑問に感じたことであっても、かつての作業仲間が不利になるようなことは、描けません。彼が善意の人であれば、ますます描くことはできません。

2014-11-19 23:49:55
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

19 社会学の「研究者」である開沼博氏にしても、 他の社会学者と同様、マスコミという場が許す範囲で発言するのは、 むしろ当然なことです。 他の社会学者が「場」に合わせて発言するのと同様のことをしているだけです。

2014-11-19 23:50:22
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

20 クライアントがいる仕事の場合、社会学系の「研究者」がクライアントの求めに応じた結論を、多少無理があっても提出するのは珍しくありません。 例えば、高速道路や地方空港の需要予測など、予測が当たった例を聞いた事がありませんが、その社会学者が責任を問われたという話も聞きません。

2014-11-19 23:51:19
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

21 ましてや、開沼博氏は、いまだ大学の教員のポストを確保したわけではない「若手研究者」なのです。 マスコミが求める話を、マスコミで語るのは、収入を得ながら研究するために、多くの「学者」がやっていることです。 開沼氏だけ、同じ行動が許されない、という根拠はないでしょう。

2014-11-19 23:52:10
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

22 まとめます。 漫画『いちえふ』作者も、開沼博氏も、他の表現者たちに比べて、特別に倫理上の問題がある言動をしているわけではない、と私は考えます。 ただし、特別に倫理的に優れた言動をしているわけでもないでしょう。 それだけのことです。

2014-11-19 23:53:15