マザーウィル泊地　#12　大規模作戦編

Rey.Redeyesers @S_O_M_Harbor

大運営から、「イベント」の開始が通達された。 当然ながら、当泊地も参加する。色々と稼げるのだ。 既に何人もの提督がSoMに臨時拠点を構えている。これからも増えていく。プレハブが幾つも甲板に建ち並び、出撃と帰還を繰り返す。 #マザーウィル泊地

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大規模作戦は事前より通達され、数多くの提督からSoMの間借りは打診されていた。作戦海域周辺に拠点を構える利はあまりにも大きい。多少の金や資源を払っても余りある。SoMの第一、第二両舷甲板はプレハブに埋め尽くされている。 #マザーウィル泊地

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当然、ヘリやVTOLくらいしか発着できず、主砲も撃てば外にいる連中は皆殺しだ。SoMの絶対的優位はかなり落ちている。駆逐艦や対潜哨戒機を出してはいるが、拠点としての位置からは断じて進まない。諸提督との契約書にも明記してある。 #マザーウィル泊地

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とはいえ碌に読まず契約しては文句を言う愚か者がいる。 「もっと前に出んか！何のために高価い金を払っていると思っているのだ！」 するとどこからか如月が現れ、怪しい薬を打って何処かへと連れて行く。 契約違反の際は、その身に何が起ころうと知ったことではない。 #マザーウィル泊地

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概ね秩序は保たれている。愚かな提督はどこかへと消え、綺麗になって帰ってくる。ナニをされたのやら。知っているが、話したくはない。 甲板では屋台や出店で賑わう。当泊地の艦娘の収入源だ。迷路のようになった甲板では、彼らの近くを巡回する屋台が主な飯処となる。 #マザーウィル泊地

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比叡のカレー屋台、叢雲食堂の出前、伊8の独逸料理屋。 可能な限り集積されたプレハブには、食糧を持ち込む余裕など無い。補給や修理なども泊地の資源や設備に金や資源手形を出す。各鎮守府や泊地から出撃するよりも割安になるよう、しかし確りと利率をかける。 #マザーウィル泊地

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だが、利益より優先されるものがある。 比叡「編成は大体こんな感じですね」 叢雲「電探はそれなりに必要と考えられているわ。対空はそれほどじゃないみたい」 伊8「E1はそれほど難しくはないとの感想が多いです」 情報である。 #マザーウィル泊地

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渾作戦第一目標海域、通称E-1。 金剛を旗艦とする聯合艦隊は輝いていた。翠に。 戦意が高揚すると現れるこの謎の粒子、普通であれば金色であるはずなのだが、当泊地の主力はコジマより薄い翠で輝く。比較的練度の低い初霜は、普通の金色である。 #マザーウィル泊地

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輝いて出撃した連中は小破もせず敵主力と遭遇。駆逐艦を囮に敵旗艦を撃破しようと試みた結果、初霜が敵旗艦を沈めるという快挙に至った。最も練度が低く、ついでとばかりに連れてこられたのだがなんともはや。 木曾と大井が何やら騒がしいと思ったら、残骸から北上が浮いてきた。 #マザーウィル泊地

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拾った北上は敵性検査の後、北神に預ける。同じ魂の持ち主であるからか、教育の効率が良い。 北神「りぴーとあふたみー。ここが、私の魂の場所だよ～」 北上「ここが、私の魂の場所だよ～」 北神「略してここたま。はい」 北上「ここたま」 何を教えているのやら。 #マザーウィル泊地

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しかし、当泊地艦隊が艦娘を拾うのは珍しい。やはり大運営の正規装備であることが必要なのだろうか。さりとて、新たな艦娘が必要というわけでもないのだが。 #マザーウィル泊地

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結局として、E1はあっさりと終わってしまった。初霜はそれなりに成長し、次海域への投入が決まる。 聯合艦隊第二艦隊の旗艦たる長良が栄えある第一艦隊「死神部隊」の旗艦となり、恒例の宣言を行う。 長良「連中を私達が殺す。私達は死神だから」 何故か雪風が輝きはじめる。 #マザーウィル泊地

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E2に出撃する死神部隊は、敵勢力を順調に削りつつある。あまりにも手応えがなさすぎる。 先に征く提督の言からE3の様相が見えるが、どうもきな臭い。 別府が道中で大破し、やっとのこと多少の安心感を得る。今までが順調すぎたのだ。 #マザーウィル泊地

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夕立「レッツパアアアアアリイイイイイ!!　っぽい!!」 夕立が余りにも狂犬すぎた。超長距離からの支援砲撃で敵の半数を灼き尽くしてしまった。 その後、夜戦で集中砲火を受け、敵旗艦は波間に消えた。 敵詳細情報を得るべく、捜索するも見つかったのは新たな卯月であった。 #マザーウィル泊地

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大運営より褒章として駆逐艦秋月が贈られた。とりあえず首輪をつけ、対空艦たる摩耶と組ませようか。 秋月「何ですか、この首輪？」 提督「御守だ」 #マザーウィル泊地

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失念していた。あきつ丸が必要であることは事前に匂っていたというのに。 静かにあきつ丸を見定め、問う。 提督「強くなりたいか」 あきつ丸「強くなりたいであります」 提督「3-2-1周回を命ずる」 あきつ丸「恐悦至極であります！」 #マザーウィル泊地

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練度を上げなくては、如月がいるものだから既に何かされているものだとばかり思っていた。 E3はあきつ丸を旗艦とし、可能な限り短時間で回る。バシー島、キス島をウロウロする。 ＃マザーウィル泊地

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E3に於いて、神通が大破した。最低限の練度を確保しただけのあきつ丸は無傷。勝負は時の運とは言うが、こうも一撃で大破させられるのは腹が立つ。 神通「不覚を取りました。少し修行に行って参ります」 泊地周辺の雑魚を虐殺するのは果たして修行になるのだろうか。 #マザーウィル泊地

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あきつ丸「提督ご自慢のスツーカは出されないのですか？」 提督「お前たちが使うと戻ってこん。使ったら投げっぱなしだ。ここに妖精がおるだろ？」 妖精「機体なんざ消耗品、搭乗員が戻れば大勝利だ！」 提督「このザマだ」 #マザーウィル泊地

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提督「あと、シュトゥーカだ。それから、今お前が指したのはG型、通称カノーネンフォーゲルであり急降下爆撃機の略称であるシュトゥーカとは全く意味が違う」 あきつ丸「しゅ、しゅとーか？でありますか？」 提督「Stuka.Die Stuka」 #マザーウィル泊地

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あきつ丸「あの独逸かぶれの提督は一体何のでありましょうか……」 伊8「独逸かぶれじゃありません。ルーデリストです」 ビス「昔はFliegerassだったみたいね！」 Z1「そういえば、右脚がないとか……」 #マザーウィル泊地

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E3蹂躙完了。 朝雲が来るという幸運に恵まれた。 が、当泊地ではそんな幸運を不穏視する者が多い。かく言う私もその一人である。 予定されていたプリンツ・オイゲンの歓迎会が行われる。 #マザーウィル泊地

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『Deutschland, Deutschland über alles, Über alles in der Welt!』 ビスマルクを肇とする独逸艦が教えた独逸国歌。3番の他は今では禁じられているが、当泊地では知ったことではない。 #マザーウィル泊地

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毎年7月2日と12月18日には独逸国歌を全て歌い、Ju87を総動員して展示飛行を行う。この程度であればどうということはない。 #マザーウィル泊地

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泊地では順調に敵の撃破報告が飛び交う。当然ながら敗北しバラバラになって帰ってくる者もいれば、1隻しか帰って来れなかった者もいる。 この悲喜は何度も見てきた。が、一部例外がいる。淡々としている故よくわかる。傭兵上がりだ。 #マザーウィル泊地