マンガ表現規制強化と警察の狙い
12/1 於:出版労連 河合幹雄氏 1 少年非行と不健全図書はほぼ全く関係が無い。悪い順から裏本(違法)、アダルト、最後に有害図書。非行少年は有害図書なんて見ずに絶対に裏本を見ている。非行少年でない高校生でも6割がアダルトを見ている調査もある。
2010-12-03 05:50:4812/1 於:出版労連 河合幹雄氏 2 悪い友達から裏本を見せられる。本が悪いのではなく悪い友達と付き合っているのが問題だというのが非行少年対策の一番の原則。こんな分かりやすい話は無い。大事なのは、警察の方も実も分かっているはず。特に現場の人。
2010-12-03 05:50:5612/1 於:出版労連 河合幹雄氏 3 性犯罪について。性犯罪者のイメージはみんなが思っているのとは全然違う人達。普通の人は「性欲が高まって犯罪に走る」と思っているが、そんな人は刑務所の中には一人もいない。普通の人は風俗店に行く。
2010-12-03 05:51:0312/1 於:出版労連 河合幹雄氏 4 この露骨な説明を皆避けるから分かりにくい。要するに「風俗店で得られないサービスが欲しい人」が性犯罪者。本を見て性欲が高まってその勢いで犯罪に走った例は歴史上全く無い。
2010-12-03 05:51:1112/1 於:出版労連 河合幹雄氏 5 あえてあえて持っていくと、発達障害で常識が無くて、その中で更に特定の人。一生涯刑務所で働いて一人だけというレベルで多少影響を受けて何かしたという人が見つかる程度。これを例として持って来られる可能性はある。
2010-12-03 05:51:1812/1 於:出版労連 河合幹雄氏 6 逆は真ならず。性犯罪者が成人向け図書を見ないかと言えばそれは見る。刑務所や少年院の中で性犯罪者はマニア本を見ている。矯正の現場としては、いずれそういう本がある社会に戻るのに制限してもおよそ意味がない。
2010-12-03 05:51:3012/1 於:出版労連 河合幹雄氏 7 性犯罪者矯正プログラム。直す薬は無い。クリントン大統領を例に挙げて説明。自分でやめたいと強く思っている一部の軽いタイプには効果がある。強姦される女性が喜んでいると勘違いしているタイプの認知の歪みを正す。
2010-12-03 05:51:3812/1 於:出版労連 河合幹雄氏 8 物凄く状況が追い込まれたらひょっとしたら人間を殺すかもしれないというのは人間として認めるが強姦は絶対に出来ない。相手が悲鳴を上げる状態でますます興奮しないと出来ない。故に普通の人は強姦は出来ない。
2010-12-03 05:51:5212/1 於:出版労連 河合幹雄氏 9 そういう状態になった時しか興奮しないという人が典型的な人。こういうほんの一部の人に認知行動療法が効く。この「強姦を喜ぶ女性がいると勘違いしている」がモロに条文に。これが「性行為、強姦を賛美する」の根拠。
2010-12-03 05:52:0112/1 於:出版労連 河合幹雄氏 10 少年サポートセンター。家庭や友人との人間環境重視でネットもエロ本も関係なく立ち直りサポート。現場では「『非行少年』は皆『不幸少年』である」と言い切って猛烈に頑張っているいい刑事さんがいる。
2010-12-03 05:52:0912/1 於:出版労連 河合幹雄氏 11 (都の規制は)現場と凄い違う状況。普通の少年非行担当の人は悪書取り締まりなど相手にしていない。警察庁の中にも色々あるので悪く見過ぎない方がいい。警察幹部を前にこういう話をすると同意見。
2010-12-03 05:52:1812/1 於:出版労連 河合幹雄氏 12 母の会やPTAによる悪書追放運動。かつてはこれらが出てきてから動いた。「母の会」は実は「警察官の妻の会」。組織の司令を受けて動く。目的は団体ではなく個人の応援。信用を得る為に入っていって捜査協力を得る。
2010-12-03 05:52:2612/1 於:出版労連 河合幹雄氏 13 捜査協力を得た人から何かを頼まれると断れない。例は自転車盗難。悪書追放運動も恐らく同じ文脈。言われたから動いているだけ。警察側から見たら関係が無い事ははっきりと認識しているはず。「それは言っちゃお終いよ」
2010-12-03 05:52:3512/1 於:出版労連 河合幹雄氏 14 東京都と何か他の事がやりたくて、悪書追放運動をやりたい訳ではない事は容易く想像がつく。世論調査に「押されて」ではなく「押させて」。世論調査を歪めて使っている。限りなくインチキ。少年犯罪の増加は「嘘」。
2010-12-03 05:52:4412/1 於:出版労連 河合幹雄氏 15 少年犯罪の増加、厳罰化世論形成、規制強化の流れ。本質論はやらずに民意で押す。下手をすると母の会は抜けている位。12/8発売の岩波の「世界」で詳しい話。本当の民意はどちらか。
2010-12-03 05:52:5412/1 於:出版労連 河合幹雄氏 16 ついでに。規制にテレビだけ入っていないのは非常に面白い。本はゾーニングやテープ止めで目立たなくなった。丁寧にアンケートしたらテレビの性シーンが過激。児童ポルノを禁止してNHKも含めて不倫で行くのかな、と。
2010-12-03 05:53:0412/1 於:出版労連 河合幹雄氏 17 テレビや世論調査の影響が強くて政治がそれで全部動くかのような今の風潮という現状認識の上での動きという印象。
2010-12-03 05:53:1312/1 於:出版労連 河合幹雄氏 18 立法過程。同じ人が自分で自分にバトンを受け渡して進めている。選挙の話。表現規制は問題としての優先順位が低い。投票行動に影響が無い。
2010-12-03 05:53:2212/1 於:出版労連 河合幹雄氏 19 全く規制無しでどんな物が出てきてもいい社会は考えにくい。現実は罪刑法廷主義で猥褻物として線を引くが無理。匙加減。マニアは何をするか分からないからマニア本は取り締まらない。いわゆるダブルスタンダード。
2010-12-03 05:53:3212/1 於:出版労連 河合幹雄氏 20 むしろ見たくないものを見せられない権利を考え、刑法解釈は置いておく。有害図書というレベルの低いものは、よい子に見せたくないと親が思っているだけの話。
2010-12-03 05:53:4012/1 於:出版労連 河合幹雄氏 21 もう一つ本当の話をすると、よい子が好奇心で見るのに手ごろな「ちょっと毒な物」を有害図書でちゃんと出してる、みたいな所もあるんじゃないか。
2010-12-03 05:53:5112/1 於:出版労連 河合幹雄氏 22 違法、アダルト、有害図書、健全図書のそれぞれの幅。アダルトは違法スレスレまで寄る。有害もアダルトに寄る。故に、違法に見えるアダルト、アダルトに見える有害図書がある。これが槍玉に挙げられる。
2010-12-03 05:54:0212/1 於:出版労連 河合幹雄氏 23 民主主義としては説明すれば納得してもらえると思うが、アダルトの凄く酷いものとかを見せる訳にはいかない。なので議論がしにくい。こんなに酷いのがあるから取り締まろうといわれた時に困る。本質論は難しい。
2010-12-03 05:54:1112/1 於:出版労連 河合幹雄氏 24 国民の認識と刑事政策が全然違う。規制が強くなってどんどん捕まえられてと言われるが現場は全然違う。2百万が送検、検察官に送るという正式に捕まえた3百万の内3万しか刑務所に入れていない。少年院5千人。
2010-12-03 05:54:2112/1 於:出版労連 河合幹雄氏 25 法務事務次官が司法改革の時の現状説明で「日本の刑事政策はまず捕まえて、なるべく刑務所に入れない。もし入れてもすぐに出す」、それをずっとやってきた。これで良い治安が保たれてきた。プロは皆知ってる。
2010-12-03 05:54:30