2014年度化学講義26回目に登場した有機化合物 #tnchem
- TakahikoNojima
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前回までの講義に登場した化合物も再び出てきます.
今回の講義では窒素を含む有機化合物のなかから,(1)アミン,(2)アミド,(3)ニトリル,(4)ニトロ化合物,の4パターンを紹介しました.他にもイロイロあるんですが,1回で扱うとしたらコレくらいに絞ることになります.
アミンの構造を分類する方法の一つが「級数」です.第一級,第二級,第三級の例として,それぞれ,メチルアミン,ジメチルアミン,トリメチルアミンをとりあげました.
【82】メチルアミン.常温常圧で気体(沸点-6 ℃).腐敗臭の原因物質の一つ.有用化合物合成の原料となる.工業合成:クロロメタンとアンモニアの反応.アミノメタンと呼ばれることもある. pic.twitter.com/u3OIYCMTuM
2014-11-24 14:14:30【83】ジメチルアミン.常温常圧で気体(融点6.9 ℃).有用化合物合成の原料となる.特にDMFの原料となる.工業合成:アンモニアとメタノールを反応. pic.twitter.com/enCYGMnM3M
2014-11-22 17:44:22【84】トリメチルアミン.常温常圧で気体(沸点2.8 ℃).漁臭の元になる物質の一つ.有用化合物合成の原料となる.工業合成:パラホルムアルデヒド+塩化アンモニウム. pic.twitter.com/xIvp56jRKu
2014-10-31 02:14:06第四級アンモニウム塩の例として,テトラメチルアンモニウムをとりあげました.
【85】テトラメチルアンモニウム塩.一部の貝類がもつ神経毒.有用物質合成の原料となる. pic.twitter.com/XW3trnH26m
2014-11-15 21:44:33アミドの合成反応.
「エステルまたは酸無水物」と,「アミンあるいはアンモニア」の反応でアミドが合成できます.
その例として,
酢酸エチル+アンモニア→アセトアミド+エタノール
無水酢酸+アニリン→アセトアニリド+酢酸
の2例をとりあげました.
【57】酢酸エチル.常温常圧で無色透明の液体. 果実臭あり.有機溶媒,塗料の溶剤,マニキュア除光液などとして用いられている.果実に含まれる.工業合成:(i)アセトアルデヒドを不均化して縮合,(ii)エタノール+酢酸でエステル化. pic.twitter.com/B81xJceS7V
2014-11-19 21:44:15【87】アセトアミド.常温常圧で無色結晶.種々の薬品合成の出発材料.また,溶融させて溶媒として用いられる.工業合成:酢酸+アンモニア→酢酸アンモニウム→アセトアミド pic.twitter.com/QEr344CmPj
2014-11-23 14:16:18【39】エタノール.エチルアルコールとも呼ばれる.常温常圧で無色透明の液体.酒類の主成分.殺菌剤,消毒剤,燃料などに用いられる. サトウキビのアルコール発酵,あるいはエチレンへの水付加によって生産されている. pic.twitter.com/k6oVv0d8Ng
2014-11-06 12:19:41【50】無水酢酸.常温常圧で無色透明の液体.刺激臭あり.酢酸誘導体の合成試薬.2分子の酢酸を脱水縮合した構造.工業合成:(i)酢酸+ケテン,(ii)酢酸ナトリウム+塩化アセチル. pic.twitter.com/SofTEohWLd
2014-11-20 13:44:10【74】アニリン.常温常圧で無色の液体.有毒.染料,色素,医薬品,農薬などを合成する際の原料.工業合成:ニトロベンゼンの還元. pic.twitter.com/7v8Z4xfki4
2014-11-25 18:29:16【75】アセトアニリド.常温常圧で無色の結晶.解熱鎮痛作用をもつ.製造法:アニリンを無水酢酸または塩化アセチルでアミド化. pic.twitter.com/O8gFPpy94U
2014-10-14 12:15:16アミド結合をもつ低分子化合物として尿素,ホルムアミド,DMFをとりあげました.
【86】尿素.常温常圧で無色の結晶.保湿剤,肥料,樹脂の原料に用いられる.生化学実験では生体高分子の変性剤として用いられる.人体がとりいれた窒素は尿素として排泄される(尿素回路).工業合成:アンモニア+二酸化炭素→尿素+水. pic.twitter.com/mDLCfQ1yWw
2014-11-06 16:29:53【88】ホルムアミド.常温常圧で無色の液体.溶媒,薬品合成の出発物質,RNAの電気泳動などに使用される.工業合成:メタノールと一酸化炭素からギ酸メチルをつくって,コレをアンモニアと反応させて加熱.IUPAC名:メタンアミド. pic.twitter.com/8lAYjZkDrL
2014-10-11 07:44:03【89】N,N-ジメチルホルムアミド.略してDMF.水とも多くの有機溶媒とも任意の割合で混合可能な極性有機溶媒. pic.twitter.com/VMDese7xNN
2014-11-03 11:58:01蛋白質はアミノ酸が脱水縮合した構造のポリマーです.ポリアミドと呼ばれる構造です.
【91】蛋白質を構成するアミノ酸.Rは20種類の置換基のうちの一つをあらわす.L-型のエナンチオマーだけが蛋白質を構成する(不斉炭素原子を持たないグリシンを除く).L-プロリンは環状構造を有するがここでは説明を省略. pic.twitter.com/1EolTqdBEJ
2014-11-16 17:44:29【92】蛋白質.20種類のL-アミノ酸が脱水縮合したポリアミド構造をもつ生体高分子.生体の構成材料のひとつであり,三大栄養素の一つ.生体触媒である酵素の多くは蛋白質である(RNA酵素も存在する). pic.twitter.com/LFQzn0U18Z
2014-11-08 17:16:33人工のポリアミドも工業合成されています.それがナイロンです.ナイロンについては次回の講義で扱います.
ニトリル基をもつ化合物としてアセトニトリル,アクリロニトリル,ポリアクリロニトリルをとりあげました.
【90】アセトニトリル.常温常圧で無色の液体.劇物.DNAやRNAの分析(液体クロマトグラフィーHPLC)に用いられる水溶性溶媒.工業合成:アクリロニトリル合成の副産物として回収. pic.twitter.com/VFBpBknFOt
2014-11-17 01:46:18