”そろそろアホノミクスの向こう側へ行く必要がある。” 浜矩子さん講演「経済活動は人間の営み~人いじめは経済的滅亡への恐怖の近道~」(11/16)

全国生活保護裁判連絡会第20回総会・交流会での浜矩子さんの基調講演の連ツイまとめです。
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徳武聡子 @Satoko_Tokutake

先日、11月16日に開催された第20回全国生活保護裁判連絡会総会・交流会での記念講演「経済活動は人間の営み」~人イジメは経済的滅亡への恐怖の近道~(浜矩⼦さん・同志社大学⼤学院ビジネス研究科教授)の講演内容をこれから連ツイします。

2014-11-18 23:42:40
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

浜矩⼦さん)①1つの関係、②2つの偽り、③2つの真実、④1つの分岐点、と4つのパートに分けて話す。まず①「1つの関係」とは経済活動と人間の関係。講演テーマのとおり、経済活動とは人間の営みである。人間も他の生物も同じ行動原理に基づいて生きるが、経済活動は人間独自のものである。→

2014-11-18 23:49:27
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

浜矩子さん)経済活動を営むことが人間が人間であることの証と言っても過言ではない。経済活動が人間による人間のためのものならば、経済活動が人間を踏みにじり不幸にすることが、原理的にあるわけがない。ここをまず始めに押さえる必要がある。しかし、われわれが当面する現実はそうではない。→

2014-11-18 23:51:56
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

浜矩子さん)経済の前には人間が脇に追いやられ、人を人とも思わぬ使い方を目の当たりにする。経済と人間は対立構造にあり、経済の暴力性から人間を守る必要があるという側面もある。現実がそうだとしても、基本原理について認識を混乱してはいけない。一見、経済活動に見えても実はそうではない。→

2014-11-18 23:56:23
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

浜矩子さん)アレは経済の話だから仕方がないとか、経済は儲けを追求するものだから人権擁護は経済の枠組みの外で行う、というのは敗北主義。経済活動が経済活動の名に値するには、自ずと人権の礎のもとに成り立つという認識が必要。経済を人間を対峙させる思想は落とし穴である。→

2014-11-19 00:00:10
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

浜矩子さん)そう考えるときに貴重な示唆を与える言葉がある。「ブラック企業」。問題の本質をコンパクトかつシャープに言い当てた良い言葉。ただ、この言葉にも問題がある。問題となる行動、従業員や顧客への酷い扱いの主体が「企業」であると認知させることになる。→

2014-11-19 00:04:44
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

浜矩子さん)企業経営は経済活動の中核。経済活動が人間のためのものならば、その中核を担う企業が人間を踏みにじることになる。「あいつらブラック企業」ではなく「あいつらブラック」が正しい。経済活動が微塵も人間を踏みにじるものであってはならないという観点で社会を見る必要がある。→

2014-11-19 00:06:57
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

浜矩子さん)経済の本来あるべき姿を表現すると、論語の「己が欲する所に従えど矩(のり)を踰えず」という言葉。やりたいように行動しても、社会規範や節度や倫理等の真っ当な人間としての行動のあり方を無視しない。両者が黄金のバランスで並び立つ、それが到達点。経済活動はまさにそうあるべき。→

2014-11-19 00:13:07
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

浜矩子さん)経済活動は我欲を追求するという側面があり、経済の大きな原動力に。しかし、そうしながら矩を踰えない=ブラックな行為に及ばないという絶妙のバランスが保たれていることこそ、経済活動としてあるべきもの。そして、この「矩(のり)を踰えず」の「矩」の部分は社会保障ともいえる。→

2014-11-19 00:17:16
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

浜矩子さん)人間が様々な活動をする中で学習し、経済活動がまともに経済活動であり得るための支え、骨格として「矩を踰えず」を確保するために、社会保障制度という知恵を考えた。社会保障が整うということは人間がより賢くなってきたということでもある。→

2014-11-19 00:19:15
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

浜矩子さん)安倍政権下において社会保障というテーマは、大きな政策文書の中に出てこない。出てくるときには削減対象としてのみ。人間が賢くなる手段として成立してきた社会保障を削減しようとは、さすがアホノミクス。経済と人間の関係において社会保障制度は根源的な位置づけを持っているもの。→

2014-11-19 00:21:19
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

浜矩子さん)次に②「二つの偽り」と③「二つの真実」の話をしたい。アホノミクス陣営からしばしば出てくる2つの偽り。1つは、充実した社会保障制度が企業に多大な負担をもたらし、展開力や国際競争力の低下を招き、経済成長を低下させ、経済の滅亡をもたらす、とのこと。これが偽りその1。→

2014-11-19 00:23:47
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

浜矩子さん)偽りその2は、トリクルダウン理論。経済的食物連鎖の頂上をより強くすると、その力が下の方にも水滴が落ちるがごとく溢れてくる。まず上つ方の強い者を強くすることが重要で、その手枷足枷を取り除くために社会保障を削減することが必要であるという論理。これは偽りと断言してよい。→

2014-11-19 00:25:30
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

浜矩子さん)「トリクルダウン」自体が人を馬鹿にしている。上つ方が元気になれば、下はおこぼれがもらえるので口を開けて楽しみに控えておれという不遜な言い方で、経済活動のあるべき姿ではない。この理論を考えた人は、人間のためのものであるという経済活動の根源を理解していない。→

2014-11-19 00:28:54
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

浜矩子さん)では真実はどこにあるのか。最初の偽り、社会保障が企業の競争力を蝕むということの嘘を我々は目の当たりにしている。最近、人手不足が取り沙汰される。パートの時給は跳ね上がり、建設労働者を確保できない中小企業が事業を断念せざるを得ず、人手不足倒産も深刻とのこと。→

2014-11-19 00:33:33
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

浜矩子さん)アホノミクス一派はトリクルダウンでだんだん経済が活性化してきたから人出不足にになったと言いたいところであろうが、真実はそこにはない。昨今の人手不足は、人自体がが物理的に足りないのではない。すぐに使える即戦力となる人材が不足しているということである。→

2014-11-19 00:34:58
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

浜矩子さん)デフレが続く中で、構造失業者=一年以上失業している人が増えている。働く場所があっても既に働く力が萎えている。失業して一年も経つと建設労働者もIT技術者も技能も低下し腕がさび付く。人間として存在しているのに労働力として使えると認めてもらえない。そういう人が増えている。→

2014-11-19 00:38:11
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

浜矩子さん)即戦力化に対応できる人がどんどん減って、残された中ですぐにつぶしのきく人が少なくなっているので、人手不足になっている。構造失業者たちは、腕がさび付いただけでなく、長く働かないうちに健康を害した人もいるし、募集があっても面接の場所に出かける電車賃がない人もいる。→

2014-11-19 00:39:26
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

浜矩子さん)構造失業率の上昇は、社会保障の弱さの表れ。例えある時点で失業したとしても、いつでも仕事に戻れる準備を整える制度的な受け皿が確立していれば、このようなことにはならない。一部の即戦力を取り合う今の姿が社会保障の重要さをわれわれに示している。→

2014-11-19 00:43:12
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

浜矩子さん)ちゃんとしたセーフティネットがないと、企業も頑張ろうと思っても頑張ることができない。とんでもない時給を払うことが、どうして企業の成長力強化や生産力向上につながるのか。社会保障を蔑ろにしていると、いざというときに人が採れず、人手不足倒産の憂き目を見ることになる。→

2014-11-19 00:45:17
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

浜矩子さん)多くの人を包摂できる状態を作っておくことが経済活動のよろしきを得るための根源的な基盤。今は働けていない人も経済活動の一員として受け止めていかないと、いずれ経済活動は行き詰まる。少数の必死の頑張りで日本経済を引っ張るなどこんな効率の悪い話はない。しかし、今は逆の発想。→

2014-11-19 00:49:57
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

浜矩子さん)多様性と包摂性が出会うところでこそ経済活動がうまく回る。排除と均一化からは瑞々しい想像力も活力ある経済活動も出てこない。多様性とは即戦力の人もいればそうでない人も存在する。均一化・排除の論理で塗り固められた社会は間違いなく滅亡に向かう。社会保障手枷足枷論は発想が逆。→

2014-11-19 00:52:10
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

浜矩子さん)トリクルダウンも現実には起こらない。イギリスのサッチャリズム、アメリカのレーガノミクスでもトリクルダウンは起こらず、経済格差が拡大しただけだった。トリクルダウンは上から恩恵を落とそうにもターゲットを決めて落とすことができない。非効率というより的外れ。→

2014-11-19 00:54:57
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

浜矩子さん)今の日本は壊れたホットプレート。やたら熱くて焦げる部分と熱が伝わらず焼けない部分がある。ホットスポットでは株価上昇や円安で大儲けするが、ワーキングプアが座るコールドスポットにその熱は伝わらない。修理が必要なのにアホノミクスは熱いところをより熱くすることしか考えてない→

2014-11-19 01:01:57
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

浜矩子さん)企業減税をしなければならないということも盛んに言われる。しかし、企業の立地決定は税金が唯一最大の要因ではない。まともな企業ではそうで、タックスヘイブンに集まる企業は、端的に言えばそれなりにブラック性が強いところ。そういう企業は、去る者は追わずでいいのではないか。→

2014-11-19 01:03:40