書店員「海外文学が売れないのは値段の問題?」出版社「お返事します」

翻訳文学&海外文学をもりあげたい書店と出版社の往復書簡。
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海外文学が翻訳されにくくなる?という話が盛り上がってました

まとめ 海外文学が消滅する!? 海外文学の翻訳について、厳しい現状を語る頭木弘樹さん(@kafka_kashiragi)のTweetと海外文学を愛する人たちの嘆きです。 ※その後のやりとりも追加でまとめました。 66030 pv 925 116 users 1167
リンク http://owlman.hateblo.jp/ なぜ海外文学は売れないのか? もうすぐ絶滅するという海外文学について - キリキリソテーにうってつけの日 海外文学が読まれない、売れない、翻訳できない 『絶望名人カフカの人生論』の著者、頭木弘樹さん(@kafka_kashiragi)が「海外文学の翻訳が売れないから、翻訳できなくなってきている」というつぶやきが3000RTを超えた。怖ろしい話を聞いた…。海外文学の翻訳は、初版1500部とか、初版印税ナシが普通になってきているという。増刷はなかなかされないだろうから、初版印税ナシだと、実質、無報酬に。初版1500部でも、生活はとてもできない。これでは翻訳をする人はいなくなってしまう。したくても生活できない。—

海外文学を愛する書店員が考えていること

まとめ 海外文学を愛する書店員が考えた「海外文学が売れないのは値段の問題では?」 「海外文学が売れない主因は値段ではないか?」と考える書店員さんが、手に取りやすい値段の「はじめての海外文学」フェアを企画するにいたるまで。 73594 pv 845 185 users 502

書店員から出版社へのお願い

酒井 七海〈もくめ書店〉 @onakaitaichan

出版社さまにお願いしたいのは、値段を、どうか、あと、すこし、、、さげて、、、、ください。 書店はそうなると展開しやすくなります。フェアも組めますし、小さい書店も今まで置かなかった本を置けるようになるかもしれません。 話はそれからな気がしております!

2014-11-26 22:23:30

翻訳文学を出す出版社、河出書房新社からのお返事

河出文庫 @kawade_bunko

む。(つづく) RT @Kawade_shobo 海外文学を愛する書店員が考えた「海外文学が売れないのは値段の問題では?」 - Togetterまとめ togetter.com/li/750859 @togetter_jpさんから

2014-12-02 02:17:41
河出文庫 @kawade_bunko

「はじめての海外文学」フェア、楽しみですし、企画推進者の皆様に心より敬意を表します。ただ、出版社公式アカウントがこのまとめをツイートするからには、「出版社さんへのお願い」にも何らかの返答をすべきだと思うのです。以下、値付けの話を連投いたします。

2014-12-02 02:22:43
河出文庫 @kawade_bunko

たとえば、定価2600円が(出版社のコスト管理上)適正価格である本を、「もっと安ければもっと売れる!」という自信のもとに原価率に多少目をつぶり、定価2400円で刊行してみる、ということは、じつはままあります。(で、売れた!となることもあれば、売れなかった…となることもしばしば…)

2014-12-02 02:26:12
河出文庫 @kawade_bunko

でもこれが、「定価を2600円から1900円まで下げたら、もっともっと売れる!」と決断できるか?というと、かなり難しい。確かに定価2600円で出すよりも販売部数は伸びるかも知れませんが、差額700円を補うだけの実売まで伸びるのか?そこまでの自信はなかなか持てないのです。

2014-12-02 02:31:25
河出文庫 @kawade_bunko

と言いますか、その自信が持てるならば、最初から「原価率上は、定価2600円が適正価格」となるような初版部数には設定せずに、定価1900円が適正となるような初版部数で企画立案します(もちろん原価率の上で、定価・初版部数・頁数・造本設計などは連動します)。

2014-12-02 02:35:02
河出文庫 @kawade_bunko

…というのが一般論ですが、「通常のコスト的には合わないけれど、定価をぐぐっと下げて販売しちゃえ!」という試みも一方では行なっておりまして、海外文学ではないですが、たとえばこれはその一例です→ bit.ly/1v8N4bZ

2014-12-02 02:36:51
河出文庫 @kawade_bunko

また、「海外文学が売れないのは値段の問題では?」という問いかけに対し、「海外文学」でなく「翻訳書」と考えた方がよいのかな、とも感じます。たとえば『平気でうそをつく人たち』という1996年刊行の翻訳ノンフィクションは、定価2200円で50万部を超えるベストセラーになりました。

2014-12-02 02:48:56
河出文庫 @kawade_bunko

海外文学・ノンフィクションにかかわらず翻訳書の売行きが10〜20年前と比べて伸び悩むとすれば、それは読者の視野が内向きになったのか?海外に頼らず国内の著作で事足りるほどに日本文化が成熟したのか?出版社の努力不足か?不景気ゆえか?分かりかねますが、日々模索しております。

2014-12-02 03:02:26
酒井 七海〈もくめ書店〉 @onakaitaichan

河出さん@kawade_bunko ご返答ありがとうございます!これお返事ほんとにうれしい。本当に仰る通りだと思います。問題を単純にするためにかなりおおざっぱにまとめましたが、解決するのはそう簡単ではないですよね。

2014-12-02 20:20:53
酒井 七海〈もくめ書店〉 @onakaitaichan

@kawade_bunko 値段を下げればぜんぶ売れるかというと、もちろんそうではないし、売れないものは刷れない。どうしても値段があがるというのはある程度仕方ないことだと思います。それに本当に好きな方は装丁とかこだわってほしいし、高くても買うっていう人もまだまだいると思います。

2014-12-02 20:24:43
酒井 七海〈もくめ書店〉 @onakaitaichan

@kawade_bunko ただときどき、なんとなく全体的に外文は好きな人が買うもの。ある程度の値段つけてもそこそこは売れるし、、、的空気が蔓延してしまっている気がして、それでは新しい客層を取り入れることはできないんだよなぁと思ってツイートさせていただきました。

2014-12-02 20:28:07
酒井 七海〈もくめ書店〉 @onakaitaichan

@kawade_bunko なので、、、全部値段を下げろということではないのですよね。河出さんの文藝賞の取り組みもおもしろいと思いますし、何かアピールしていく過程で値段は大切なのではないかと。もちろん版元さんだけじゃなく書店の努力も必要と思います。協力していけたらうれしいです!

2014-12-02 20:34:06

河出書房新社ほにゃく課(翻訳課)も参加

河出書房新社 翻訳書 @kawade_honyaku

ほぼ、真夜中の、ほにゃく課ですよ。@kawade_bunko に先を越されてしまった! なのでRTばかりしましたが、大まかには同じ意見なのでRTした次第。 ただ、付随して思うことはございます、ですよ…こちとら、翻訳書籍をこの二十年作ってきたわけで。続く

2014-12-02 23:32:49
河出書房新社 翻訳書 @kawade_honyaku

売れない、と言われており業界からはとうなることかと思われた(であろう)世界文学全集。この企画の立ち上げ当時も、いろんなことを言われました。定価の問題は、数多あるハードルの中の、ひとつでした。

2014-12-02 23:38:47
河出書房新社 翻訳書 @kawade_honyaku

真夜中のつぶやき…明日に先延ばしますf^_^; 皆様、おやすみなさい。

2014-12-02 23:45:50
河出書房新社 翻訳書 @kawade_honyaku

あ、こんな意見も! @Lingualina: 要するに国内でデフレに合わせて安っちい本ばかり作ってるから、海外でオリジネルが作られた本が高く感じられる。

2014-12-02 23:55:20