大逆転! ソロモン要塞攻防戦 ~MSの存在意義と特性についてのあれやこれ~
- F4EJ2Phantom
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前回のGレコの感想ではミノフスキー粒子の活用について述べましたが、今回はモビルスーツの存在意義と最も活用される領域について。ベルリが「モビルスーツは接近戦用の兵器なんですよ!」と、古参を含めてほとんどのマニアやファンが忘れ去っていたに違いない、重要な設定を思い返させてくれる台詞。
2014-12-18 02:08:04第二作の『Zガンダム』からしてこの「モビルスーツは有視界戦闘、つまり接近戦を主眼に開発された兵器」という、世界観の根幹に関わる重要な設定(というかルール)を忘れてしまったかのような演出やシチュエーションが続発したからなぁ。覚えていないのも無理はないかもしれない(^_^;)
2014-12-18 02:10:07『エルガイム』で永野護が提案したバスターランチャーは、当時スタッフのみならず、模型ファンやアニメファンにも大きな衝撃を与えた。続く『Zガンダム』でもメガバズランチャーやフェダイーンライフルなど、MS用大型火器が続々登場したことからも、それは理解できるだろう。しかし冷静に考えると、
2014-12-18 02:13:30MSが長距離射程の火器を装備することが、自らの存在意義とコンフリクトを起こすと気がつく。だってMSはミノフスキー粒子散布の実用化で生じた、電波兵器つまり索敵機材や長距離射程のミサイルが運用出来ないという戦場環境を前提に開発された、有視界戦闘兵器なのだ。MSが投入されるってことは
2014-12-18 02:18:03電子機材を用いた長射程の照準が出来ない状況なのだから、当然、自分自身の長射程火器も使用不能に陥っていなければおかしい。もしM粒子を散布して電波障害を生じさせなければ、敵も味方も、MSより大型ゆえに精密照準が可能であって然るべき宇宙戦闘艦を前進させ、艦砲で攻撃を行うはずだ。
2014-12-18 02:22:29そうなるとMSが敵艦にとりつくよりも先に、艦対艦戦闘が発生してしまい、MSの活躍の場がなくなってしまう。『Z』以降はこれを有耶無耶で済ませていたが、1stでは会戦前にM粒子が散布されたという芝居を挿入することで、ちゃんと設定を活かしたシチュエーションを作っていた。
2014-12-18 02:34:16MSVワールドで○○専用タイプが幅をきかしているが、現実はマルチロールに随時移行している。 歌って踊れて枕営業もいといません!!って兵器がモテるのだ!
2014-12-18 12:06:01@ukatujyu そもそもMSってマルチロール――お手々に持つ兵器を換えるだけで様々な任務に対応可能なんだから、ひとつの機能に特化したことが最大の売りであるMSVって、MSの存在意義のひとつを確実に潰しちゃってるンですよね(^_^;)
2014-12-18 12:11:47@F4EJ2Phantom ですです! オモチャ展開やスピンオフを考えるとすごく上手い手なんですが、兵器のありようとしては本末転倒ですよねw それをガン無視してバリエーションをガンガン立てる力技は敬服します。あのシリーズ
2014-12-18 12:14:09MSVの発想は元々は現場の小改造だとおもうんだ、工業製品として一律に作ったはずなのに戦場で使われる段になると同じものは一つとしてない。そういう改造が いつのまにか ○○専用ってなっちゃったw
2014-12-18 12:17:07@ukatujyu オリジナルMSVの解説を注意深く読むと、どの機種も少数生産だったり実戦配備はなかったりと、かなり気を使っているのが分かります。MSを兵器として見てきた私としては、ルール無用になった後年の在り方は残念ですが、ビジネスとしては実に巧みですよね。
2014-12-18 12:21:12@F4EJ2Phantom @ukatujyu よくぞ言ってくれました。まぁ好意的に見れば、MAへの過渡期にある試作機、と言う位置付けですか。
2014-12-18 13:19:02そもそもモビルアーマーって、モビルスーツに比べて遙かに高い加速力と大きな火力を併せ持つ、突破力を重視した非人型兵器として考案されたのではないかと推察する。運動性は小回りの効くMSに譲るだろうが、TV版の対ビグロ戦を見れば分かるように、加速力を武器にした一撃離脱には敵わない。
2014-12-18 16:21:13これはそれぞれに、アジア太平洋戦争における日本軍戦闘機と米軍戦闘機を当て嵌めると理解し易い。どれだけ日本軍機が運動性で勝っていても、米軍機が巴戦という、日本軍機が得意とする戦術に乗らず、大馬力発動機が生み出す高加速力を活かす戦法に徹したら、一切のアドバンテージなど霧散するのだ。
2014-12-18 16:25:20シャアは戦艦並みの破壊力を持つビームライフルからの攻撃にうろたえる列機に「当たらなければどうということはない」と言ったし事実その通りなんだが、しかしそれは自機が速度で優っている場合に限った話に過ぎない。たとえ運動性で優っていたとしても、相手が優っている速度を活かした
2014-12-18 16:30:13ヒット・アン・ドウエイに徹したら、自機の特性を活かしたP38に鴨られた零戦と同じ末路が待っているのである。フィクションの戦争でIFを語るのはナンセンスな行為だが、あえてやってしまおうと思う。もしジオン公国軍が戦争中盤からMSの生産を縮小し、それで生じた生産力でビグロ型
2014-12-18 16:34:21MAの大量配備へと方針を転換していたら、オデッサ戦の敗北とキャリフォルニアベースの失陥によって地球を失っても尚、宇宙で戦局を挽回する蓋然性が高まったのではないか?と考える。加速力でMAに劣るGMしか持たない連邦宇宙軍では、一週間戦争やルウム戦役の二の舞に陥る可能性が高いからだ。
2014-12-18 16:38:27チェンバロ作戦時、地球から進発した新生連邦艦隊(レビル艦隊とティアンム艦隊)とルナツーに籠もっていた連邦艦隊、合わせて三つもの艦隊戦力を連邦軍は有していた。そのうち本命であるソロモン戦に投入されたのはティアンム艦隊とルナツー艦隊の二個艦隊。個々の戦闘艦の砲力はジオン軍のそれに
2014-12-18 16:43:35優っているので、艦隊戦になれば苦戦はするだろうが撃ち勝つ可能性が高い。実際、劇中ではそれを怖れたのだろう、衛星ミサイルとグワジン級戦艦で迎撃戦を展開した(何隻は撃沈するが、結果的には失敗に終わった)。チェンバロ作戦のクライマックスは言うまでもなくソロモン攻略なのだが、
2014-12-18 16:49:59要塞を落とすには兵隊を侵入させねばならない。そのためには先ずMSを要塞に取り付かせる必要がある。ソーラ・レイで要塞表面を焼いたことは防御力を一気に低下させることになったが、攻撃の主眼は味方部隊の要塞侵入を助けることにある。つまり重要なのは要塞侵入であり、
2014-12-18 16:54:05それが成功しなくては作戦の成功は覚束ない。ここで鍵となるのがGM部隊の存在である。この作戦、GMの戦力化が終わっていなければ、そもそも承認されなかったのではないだろうか。否、GMの戦力化が作戦立案の大前提だったのかもしれない。ここで視点をジオン軍に変える。
2014-12-18 16:56:43じゃあ連邦軍の策略に物の見事に引っかかって、ドム12機を含むコンスコン艦隊を失ってしまったドズル指揮するソロモン防衛軍が勝つにはどうしたら良かったのか? それこそ敵艦隊が要塞に近づく前に討って出て、MAを切り札に会戦を挑むべきだったと思う。狙いは戦闘艦…ではなくGM部隊だ。
2014-12-18 17:04:05GM部隊を壊滅状態に追い込めば後の上陸戦に支障を来すし、そもそも連邦艦隊は丸裸になるので、ソロモン要塞にやってくる前に血祭りに上げることが可能になる。それこそ一週間戦争の再現である。ジオン軍は勝とうと思えば勝てたのである。だが劇中の描写にある通り、彼らは索敵を怠った。
2014-12-18 17:12:41まあ、GMはマゼラン型戦艦やサラミス型巡洋艦に満遍なく搭載されているので、必然的に艦隊そのものを打撃することにはなるだろうが、戦術的局面で判断が必要になった場合、ためらうことなく高価値目標である戦闘艦ではなく、上陸部隊の要となるGMを狙うべき。
2014-12-18 17:06:49加えてコンスコン艦隊を無為に失っている。さらには面子に拘ったドズルは月のキシリアへの助力を躊躇い、彼女もまた、その行動を否定しながらも、政治的思惑からギリギリまで増援を送らなかった。最初にビグロ型MAの主戦力化に成功していれば…と書いたが、事ここに至るともはや意味はない。
2014-12-18 17:18:08