- HayakawaYukio
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私は福島県に住んでいる、あるいは福島県出身者で、「風評被害」と言う言葉を使う者は一切信用しないようにしている。馬鹿野郎、被曝をさせられ、海も農地も、山も川も汚染されたのに何が風評だ、これ以上の実害があるかと思っている。
2014-05-07 22:48:295月のツイートだが、たまたま目にしたのでRTした。風評の語を考える上でたいへん興味深いツイートだ。このひとは、風評を実害と対峙させて、虚実で使い分けている。つまり、まぼろしのみを風評と呼んで、現実は風評と言わない。
2014-12-23 15:34:25しかし、風評は噂のことだ。噂には虚もあれば実もある。虚でも実でも、噂によって生じる被害を風評被害と言う。このネット社会に生きる限り、風評被害から逃れることはできない。風評被害をなくすことはできない。風評にも耐えるよい商品を消費者に提供することしか、生産者に生きる道はない。
2014-12-23 15:39:00生産者がなすべきは風評被害対策ではない。消費者が風評などに惑わされないよい商品づくりだ。農産物しかり。観光しかり。スキー場しかり。
2014-12-23 15:42:06デマ被害は、刑法第233条を掲げて訴えれば勝てる。 「虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
2014-12-23 17:02:40「安全とされる」を風評被害の必要条件とする定義は、公式の意思決定を尊重して、それに反する個人の意思表明を風評被害と呼ぶのだ。このときの風評はうわさではない。公式の意思決定(基準や通達など)に反する私的発言のことだ。ようやくわかった。この定義を私は採用しない。
2014-12-24 10:15:35風評被害。私の定義はこれだ。情報伝達によって発生する消費減退によって生産者が受ける被害。危険情報が広がったために客足が途絶えることや、ブランド価値が毀損されたことによる買い控えなど。情報の真偽によらない。
2014-12-24 10:24:38「風評被害」に関しては最近刊行された釘原直樹・編「スケープゴーティング」(有斐閣)の第3章に吉川肇子さんが優れた論考を書かれています。たいへん参考になります。yuhikaku.co.jp/books/detail/9…
2014-12-24 10:32:51釘原直樹・編「スケープゴーティング」(有斐閣)第3章「スティグマ化と非難・責任追及」1リスクの社会的増幅とスティグマ(1)スティグマとは何か(2)リスクの社会的増幅(3)スティグマ化、
2014-12-24 10:42:30続)2風評被害とスティグマ化(1)風評被害とは何か(2)用語の意味の変化(3)スティグマ化と風評被害(4)避難対象を暗示する語としての「風評被害」、3.スティグマ化の解消に向けて(1)記憶への配慮(2)参加的なプロセスを考慮したコミュニケーション
2014-12-24 10:43:42吉川さんの論考を自分なりに要約する。「風評被害」は人によって定義が分かれていて何を指すのかはっきりしない。日本でしか流布していない言葉。国際的にはよく研究された類似概念としてスティグマがある。スティグマは烙印と訳されたりするが、ポジティブなものとネガティブなものがある。
2014-12-24 10:49:29続)ポジティブなスティグマが「ブランド」である。ネガティブなスティグマは「負の烙印」「汚名」などと呼ばれる。(ネガティブな)スティグマ化は、リスク認知の社会的増幅のひとつの経路である。
2014-12-24 10:55:15続)日本で「風評被害」とされる現象の一部は(ネガティブな)スティグマ化と考えれば理解しやすい。この現象に本当に風評つまり噂が介在するかどうかは研究者によって意見が異なる。いっぽう報道が原因と明確に断定することもできない。要するに日本独自の概念「風評被害」の研究は遅れている。
2014-12-24 11:00:25続)それらはともかくとして重要なことは、「風評被害」という用語が使われる場合には「非難すべき対象が誰であるか」が暗示されていることである。噂が原因とするなら非難対象は市民、報道が原因とするなら非難対象はメディアということになる。スティグマ化という概念はこうした暗示を含まない。
2014-12-24 11:07:22続)もし「風評被害」という言葉が意図的に使われるなら、本来の責任対象(事件・事故を引き起こした当事者)以外に非難が向けられることになり、すぐれて政治的な用語と解釈することもできる。
2014-12-24 11:08:59