茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1388回「北欧諸国のような、ありかた」

脳科学者・茂木健一郎さんの12月29日の連続ツイート。 本日は、この数ヶ月、時々考えていたこと。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第1388回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、この数ヶ月、時々考えていたこと。

2014-12-29 06:56:38
茂木健一郎 @kenichiromogi

いきものには、生態系の中の「ニッチ」がある。ひとつのいきかただけがあるわけでなく、さまざまな立場、役割がある。国も同じことで、世界の中で、たったひとつのいきかた、ありかたがあるわけではなく、国として、さまざまなあり方、存在のしかたがある。

2014-12-29 06:58:03
茂木健一郎 @kenichiromogi

北欧のあり方って、いいな、と時々思うことがある。それは、たとえばノーベル賞のような普遍的な価値の出し方、担い方でもあるし(スウェーデンとノルウェー)、あるいはまた、ベルイマンの映画や、『マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ』や、ムーミン谷に感じるヒューマンな感触でもある。

2014-12-29 06:59:31
茂木健一郎 @kenichiromogi

国のあり方として、世界の中で強烈な存在感を持つ経済大国を目指すことできるだろうし、「世界の警察官」としての軍事力を誇る国を目指すこともできるだろう。一方で、北欧諸国のように、世界の有力国を数え上げるときには忘れられていて、「そういえば」と思い出されるような、そんな国もある。

2014-12-29 07:00:43
茂木健一郎 @kenichiromogi

経済大国や、世界の警察官を目指すということは、やりがいのあることかもしれないけれども、一方で、その国のひとびとに、有形、無形のひずみをもたらすことでもあるだろう。一方、世界という谷間の中に、忘れられそうになりながら、実はひっそりと生きている、そんな国にだけ咲く花もある。

2014-12-29 07:01:57
茂木健一郎 @kenichiromogi

『ファニーとアレクサンデル』は、311分の長い作品だけれども、最初の方で、まっしろな雪の中に、色鮮やかな花売りが出てくる。北欧のあり方が、そんなささやかなシーンの中に象徴されているような気がして、ときどき、あのふしぎな印象を、想い出してみることがある。

2014-12-29 07:03:29
茂木健一郎 @kenichiromogi

フィンランドの学びのあり方は、世界的に注目されているようであるし、人権思想、感覚においても、北欧諸国はすぐれたものがある。家具もあるし、ウェイ・オブ・ライフもある。経済大国や世界の警察官にならなくても、北欧のような、ささやかだがうるわしいあり方、そんなニッチもあるのだと思う。

2014-12-29 07:05:09
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート1388回「北欧諸国のような、ありかた」をテーマに、6つのツイートをお届けしました。

2014-12-29 07:06:03