【フェアな再分配について・内田樹】

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内田樹 @levinassien

おはようございます。等々力で目覚めるなう。今日は久し振りに神戸に戻ります。のんびりしたよいお正月でした。皆さん、ありがとうございます。今年もよろしくお願いします。年末年始で体重が2キロくらい増えてるので、とりあえず年頭の喫緊の目標は「大幅減量」です。痩せるぞ。

2015-01-05 07:43:47
内田樹 @levinassien

昨日平川君と話したのは、経済成長の終わりと定常経済への移行は経済の自然過程であるという話でした。別に日本だけが特別であるわけではなく、いずれすべての資本主義国で成長が止まる。人々がそれを恐れているのは、そのあとは国民資源の「フェアな再分配」の仕組みを作らなければいけないからです。

2015-01-05 08:32:31
内田樹 @levinassien

「パイ」が増大しているときは再分配の方法がどれほどアンフェアでも、人はあまり気にしません。自分の「パイ」も増えているからです。でも、「パイ」の増大が止まったとき、あるいは縮減してくるとき、分配方法のアンフェアに対しての視線はいきなり厳しいものになります。

2015-01-05 08:34:14
内田樹 @levinassien

そのとき社会的混乱を引き起こさないためには「パイ」が大きいうちに「フェアな再分配」の仕組みについて衆知を集めてプランを立てておくべきだったのです。でも、久しく「パイの増大」以外に解はないと思い込んでいたので、「社会的安定をもたらす再分配方法」については誰も、何もアイディアがない。

2015-01-05 08:36:31
内田樹 @levinassien

アベノミクスというのは「資源の再分配のアンフェアネスを徹底的に進めることでパイを大きくする」方策です。成長が止まったとたんに社会的混乱が起きるように意図的に作り込んである。だから成長する以外に社会的安定の道がない。カオスを忌避するなら経済成長の夢にすがりつくしかない。

2015-01-05 08:39:45
内田樹 @levinassien

いつになったらこの悪夢から人々は目覚めるのでしょう。

2015-01-05 08:40:33
平川克美 @hirakawamaru

2015年、内田くんとの初仕事@隣町珈琲。 pic.twitter.com/esiMehdLxb

2015-01-04 21:17:50
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内田樹 @levinassien

平川君との暫定的結論は「再分配のための社会の仕組み」を政治が構想できない以上、とりあえず市民レベルで再分配をはかるしかないだろうということでした。そして、すでに多くの人々が自力で相互支援の仕組みを作り出そうとし始めています。

2015-01-05 09:00:51
内田樹 @levinassien

その動きが同時多発的であり、かつ主導的な理論も組織も持たない運動であることに、僕は希望を感じます。イデオロギーではなく、身体実感をベースにして手作りされる運動の方がずっと持続力も創発性も豊だからです。

2015-01-05 09:02:28
内田樹 @levinassien

凱風館はいま「雇用の創出」、「生きるための技術の伝授」、「相互扶助相互支援のネットワーク形成」をめざして動いていますが、それは19世紀の「空想的社会主義者」の夢想に近いものかもしれません。「一挙にかつ根源的に世界を変える構想以外は無意味だ」という批判に今度は抵抗してみたい。

2015-01-05 09:07:47
内田樹 @levinassien

凱風館に似た相互扶助ネットワークはいま日本中のあちこちで、さまざまなサイズ、さまざまな形態で形成されつつあります。いくつかの運動体との出会いから、僕はその手応えを感じています。格差の拡大による若年層の急激な貧困化はこの流れを加速させてゆくことになるでしょう。

2015-01-05 09:11:42
仲野徹 『笑う門には病なし!』 @handainakano

正月休みぎりぎりで、予定通りピケティの『21世紀の資本』読了。わかってないところもありそうな気はしますが、思っていたよりは理解できたかと。経済における二つの世界大戦の影響というのはここまですさまじかったんですね。 いいお正月休みでした。おやすみなさい。

2015-01-04 23:46:25
仲野徹 『笑う門には病なし!』 @handainakano

@levinassien おはようございます『21世紀の資本』を読み、僭越ながら同じような事を考えていました。一旦アメリカのような超格差社会になると後戻りは不可能でしょう。世界大戦でガラガラポンだけは絶対に避けなければなりませんし。先生とピケティとの対談を希望。

2015-01-05 08:42:56
仲野徹 『笑う門には病なし!』 @handainakano

@levinassien ピケティがトップダウン敵な提案をしているのに対して、ウチダはボトムアップですね。制度と心意気、と言ってもいいかもしれません。きっとどちらもが必要。

2015-01-05 09:25:07
内田樹 @levinassien

@handainakano まず隗より始めよ、というのが社会改革の基本だと思います。来るべき社会のかたちはそれを担う運動組織において萌芽的に実現されている。だから、相互扶助的な社会はすでに相互扶助的な運動体によってしか実現されない。僕はそう思っています。

2015-01-05 10:12:42
仲野徹 『笑う門には病なし!』 @handainakano

@levinassien たしかにピケティの提案は理想論すぎて、いつ始めることが可能なのか、わかりませんでした。おそらく、いつまでも不可能という印象です。相互扶助は捕食者的な動きに対しても十分に防御的な機能を果たすことができるように思います。勉強になりました。

2015-01-05 10:20:31
内田樹 @levinassien

@handainakano 「脱都市・脱市場」をめざす地方回帰の運動はすでに各地で始まっています。今年はまず鶴岡と周防大島での試みをレポートしてきます。

2015-01-05 10:32:07
内田樹 @levinassien

定常経済・相互扶助社会は「夢想」ではなくて、歴史の必然的帰結です。意図的に創り出さなくても、自然にそうなります。この企ての合理性が理解できない人たちは「弱者を支援するために作られた組織」の方が「勝者が総取りする組織」よりも淘汰圧に強いということを知らないのでしょう。

2015-01-05 11:04:00
内田樹 @levinassien

ピョートル・クロポトキンの『相互扶助論』をぜひお手に取って頂きたいと思います。クロポトキンは相互扶助する種はそうしない種よりも生き延びる確率が高いという生物学的視点からアナーキズムを基礎づけようとしました。なぜアナーキズムが弾圧されたのか、その理由が読むと分かります。

2015-01-05 11:07:35