短編まとめ 前キュッチャニア史 あるいは、ももんが先駆文明

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JagdChiha 〄 次元不可能性撹拌機 @Jagdchiha

前キュッチャニア史 あるいは、ももんが先駆文明

2015-01-09 11:40:00
JagdChiha 〄 次元不可能性撹拌機 @Jagdchiha

のちにキュッチャニアと呼ばれる地にももんがが興ったとき、彼らには巣穴の数だけの世界がありました 彼らは常に飢えており、身の回りにあるおよそ全てのものを口に運び、運良く消化できるものを見つけられた群れの順に栄えていきました 彼らが食料に出来たのはどんぐりだけだったのです

2015-01-09 11:54:36
JagdChiha 〄 次元不可能性撹拌機 @Jagdchiha

生きる糧を得たももんがは地面に落ちたどんぐりを集め、そこかしこで群れは大きくなり、そのうち他の群れと生活圏を接するようになります 初めのうちは、平穏でした そもそもの草食気質がゆえに闘争という選択肢を持ち合わせなかったのです ももんがたちはキュッチャニアの地を覆いました

2015-01-09 11:59:01
JagdChiha 〄 次元不可能性撹拌機 @Jagdchiha

ところで、ももんがたちもどんぐりの全てを食べていたわけではありませんでした 堅い殻は消化しづらいうえ栄養価も低いと気付いた北方のももんがたちは、中身だけを取り出して効率よく代謝することを学びます 他にどんぐりを主食とする生き物がいなかったことも、この「贅沢な」傾向を手伝いました

2015-01-09 12:03:27
JagdChiha 〄 次元不可能性撹拌機 @Jagdchiha

一方で南方のももんがたちは、どんぐりを殻ごと消化し、効率よりも得るエネルギー総量を重視するようになります この地のどんぐりは殻が柔らかめで、かつ食性が競合する生き物との生存競争があったが為です ももんがたちは闘争本能とより大きな体格を手にしました ももんがたちに種族が出来たのです

2015-01-09 12:08:16
JagdChiha 〄 次元不可能性撹拌機 @Jagdchiha

一方は知恵を、一方は力を得たももんがたちは急速に他の「未開だった」群れと生き物を圧倒し、キュッチャニアの地に二大ももんが文明を築き上げました そして程なくして、両者はさらなる生活圏拡大、端的に言えば増えすぎた仲間の食料の増産、どんぐりの収穫面積拡大のため衝突します

2015-01-09 12:13:48
JagdChiha 〄 次元不可能性撹拌機 @Jagdchiha

このあと辛くも北方種が勝利して、悲劇を招いた「知恵」と「力」を封印すべく白痴化ウイルスに自ら感染し、あえて野生に戻る決断を…って結末の後に我らが総統がどこからか漂着して崇められ、キュッチャニアを立ち上げる、みたいな

2015-01-09 12:22:54