【アナ雪】アナとチビ九尾エルサ(2-5)【パロ】

万屋和風愉菓子店@絶滅種のポンデ @yorozuya753

アナとチビ九尾エルサ(2-5) ◆前回までのまとめ 2-1 togetter.com/li/742911 2-2 togetter.com/li/745427 2-3 togetter.com/li/747780 2-4 togetter.com/li/756832

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幼女／ケモノ／妖怪／パロディ／ノット姉妹／現代ファンタジー（？）／大人アナちゃん(22歳)／幼女エルサ(8歳くらい)／オリキャラじみたゲルダとカイetc. 前述の項目について一個でもアレルギーをお持ちの方はお気を付け下さい。あと私はロリコンじゃないよ！綺麗なお姉さんが好きだよ！

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＊＊＊ 片足を引き摺っているケモノがいた。後ろ足をずるずる引き摺って、暗い暗い何処かをずるずると歩いていた。仄かな月明かりが真っ黒に汚れている毛並を僅かに照らす。本当なら雪のように白い毛並の獣は、今は黒い絵の具が入ったバケツでも投げ付けられたかのように汚れていた。

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暗い暗い道なき道を辿るかのように、緩慢な足取り。ずるずると歩いていると、不意にバランスを崩した。獣は足を折ってはくはくと息を真っ白な息を零しながら、自分の後ろ足を見た。そこは砕けて崩れてよく分からない形になっていた。 獣は苦笑いを零すように軽やかな嘆息を漏らすと、

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三つになってしまった足で立ち上がった。 さっきよりも緩慢な歩み。ずるずる、ずるずる。ふらふら、ふらふらと暗い道を行く。何処に向かっているのかそれはその獣しか分からない。だけれど何処に向かっているのかはその獣も分からない。ただ本能のままに感じるまま、足を動かす。

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一本足りなくて滑稽な動きになってしまっていても。片方の前足に罅が入って今にも砕けそうだったとしても。ただ進む。 真っ暗な道を辿る。そうしたら真っ黒な影が見えない脇道から這い出て来た。 グチョグチョした固まり損なったゼリーのような異形。無数の顔が付いた黒い塊。

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無数の顔それぞれには赤い眼が二個ずつ。たまに三つ、四つ。たまに獣のような眼。でもどの目から赤い涙を零していた。 足が一本なくなっている獣は、その塊の前に腰を下ろすと、口から赤い舌を垂れさせた。 ――あぁ、可哀想に。 獣はそう呟いたように見えた。 赤い雫を舌先で掬う。

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鉄臭い生臭い哀しい味。口の周りが赤く黒く汚れて、氷色の牙までもべっとりと汚した。 黒い塊が大きな口を開ける。真っ暗な穴みたいな底なし沼みたいな口を開けて、鳴き声を上げた。その大穴から黒い赤い液体が飛び散って獣を汚した。 もう、真っ白だった毛並は黒く黒く染まって、

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暗い暗い道に混じって見えなくなりそうだった。 鉄臭い生臭い哀しい悲しい泣き声に獣は苦笑するように目を細めていた。 大穴が迫る。真っ黒に染まった獣は一つ「わかったよ」と頷いた。 ――つれていってあげるよ そう、微かに発しながら。黒い塊に向かって飲み込む事をよしとした。 でも、

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その時。もっともっと大きな黒い影に覆われた。 星も月も太陽もない暗い暗い道。真っ黒な大きな影が一つ。 皓も漆も紅も、消えて見えなくなった。 ＊＊＊

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お湯に肩まで沈んでブクブクしてたらエルサちゃんも真似してきた。顔半分まで浸かってあたしの顔の目の前でブクブクやってくる。あたしの吐き出す泡の方が大きくてエルサの口から出てくる泡は控えめの大きさ。大小様々不揃いのまあるい気泡。二人分の息は目の前で混ざって水面に浮かんで弾けて消える。

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（でもエルサちゃん鼻まで浸かってちゃってるんだけど？　それ息できないよね？） お互いの吐き出している泡が混ざってるくらいに、すぐ目の前に来ているエルサの顔。そんな距離で、顔ちっちゃいなって思いながら見詰める。 お湯の中を見詰める薄氷色の瞳はお湯の煌めきを反射してキラキラ。

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髪と同じ色の睫毛は長くて、濡れてるからキラキラしてて、睫毛に乗っている水滴までもキラキラしてる。前にお父さんからのお土産でもらったダイフクっていう甘いお菓子みたいな白いほっぺが赤く染まってる。ご飯いっぱい食べたのに、そのほっぺたを食んだら、

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ダイフクみたいにもちもちして甘くて美味しいんだろうか？　なんてアホなことを考えた。 食い意地張ってんな～って自分で自分に呆れながらブクブク息を吐き出していたら、案の定エルサちゃんは息が続かなくなったみたい。エルサはお湯からぷぁっと顔を上げて大きく息を吸い込んだ。

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うっすい胸が大きく膨らんで、息してるって視覚的に伝わって来て。安心したような、はっとしたような、何とも言いようのない気分。 （って、なにジッと見詰めてるんだろ……） そう思ったら、今度は気恥ずかしいような罰が悪いような複雑怪奇な気分。

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自分でもよく分かんなくて誤魔化すように（誤魔化す必要があったかも分からないけど）、どうしてそんなに息が続くの？　って不思議そうな顔をしてるエルサちゃんの浮いた肋骨へ手を伸ばす。お湯の中からの奇襲にビックリしたエルサは、湯の中で優雅に揺蕩っていた尻尾を持ち上げた。

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「きゃっ！　ふふっ、アナ！　やー、くしゅぐったい！」 バシャっと大きく上がる水飛沫。エルサが手足をバタバタさせて、九本の尻尾もうねって暴れるから物凄い勢いでお湯が跳ねて。あたしは水飛沫に目を瞑りながらお湯の中で笑った。 「ははっ、っ！げほっ！ごほっ！」

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って、そんなことしたら咽るの当然よね。バカなのかな、あたし。 突然咳き込んだあたしにエルサが心配そうに「だいじょうぶ？」って小首を傾げて覗き込んでくる。エルサが上げた水飛沫はエルサ自身に一番かかっていて、前髪とかから水が滴ってて。

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（う、うん……なんていうか、水滴らせながら小首傾げて上目遣いとか美少女がやるとすごいわね……なんか、心臓にクる……） 頭の動きに合わせて僅かに揺れる耳からも水が滴ってる。ゴクンッて生唾飲み込んじゃった。 （ち、違うわよ！　咳き込んだから喉が痛くなったから飲んじゃっただけで！！）

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他意はないのよ！　いや、他意ってなに！？ 少し深く呼吸して平静を取り戻す。良かったわ。今度はすごく速めに戻って来てくれたわ！　そう、それでいいの。ゴーホームしてステイしてて。お願いだから！ 「アナぁ？」 「ん。平気。大丈夫」 「……ほんと？」

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好き勝手ふにふにしてると眉根を下げて困った顔。指を離すと首を左右にプルプル振った。 「アナのほっぺはー？」 「え？」 おっと、キラキラのおめめが「さわってもいいですか？」って訊ねて来てるわ！ そんな許可いらないのにってあたしは苦笑しながら、

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「どうぞ？」と小さな両手を取ってほっぺたに導いた。 「ふふっ。ぷにぷに。おもちみたい」 「えー。エルサちゃんの方が柔らかくて触ってて気持ち良いよ？　赤くてリンゴみたいで美味しそうだし」 「おいしそうなの？」

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「うん。すっごく美味しそう。悪いオオカミさんには気を付けるよ。エルサ可愛いから食べられちゃうかもしれないし」 いや、本当に。本当に気を付けてね。ってか気を付けないと。世の中にはちっちゃい子を好むちょっと変わった性癖の持ち主とかいっぱいいるし。

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（知らない人には付いてっちゃダメって教えとかなきゃ……） 誘拐もどきしたあたしが言う事じゃないかもだけど。でも後でちゃんと教えなくちゃ（知らない人だったら近寄らないかもしれないけど） そんな心配をしてるあたしの心情なんか知らないエルサは狼という言葉に「オラフ？」と呟いていた。