アニメ艦これ第三話についての作戦及び指揮の検証とシナリオの意図の推測

如月轟沈を提督の責任とするような言説が見られるので、すこし考察しました。
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扶桑委員会 @fussoo_moe

処刑延期ということになっても処刑ということになっても艦これ三話の感想述べてる場合じゃなくなるので、いまのうちにやってしまおう

2015-01-23 13:07:44
扶桑委員会 @fussoo_moe

艦これ三話について、まず明らかにしておきたいこととして、当委員会はこのシナリオや話の展開を十分に納得のいく素晴らしい展開であるとは思っていないことを示さなければならない。

2015-01-23 13:09:36
扶桑委員会 @fussoo_moe

また、艦これや太平洋戦争に特別強い思い入れのない当委員会においてさえ、長門の口から轟沈との言葉が出たときこれに思わず胸がつまる思いをしたものであるから、その他一般の提督諸氏や如月提督の心中はいかほどのものであるか、察するにしてもなおあまるものであろう。

2015-01-23 13:10:49
扶桑委員会 @fussoo_moe

ただ、艦これゲームが大破進撃、あるいは疲労進撃でのみ轟沈するという事実を以て、提督や長門を無能と批判するのは単なる感情論に過ぎないように当委員会には感じられる。

2015-01-23 13:11:48
扶桑委員会 @fussoo_moe

まず確認しなければならないこととして、アニメ艦これとゲーム艦これの差違である。ゲームにおいては大破進撃あるいは疲労出撃でなければ轟沈しないことが明らかになっている。

2015-01-23 13:12:38
扶桑委員会 @fussoo_moe

しかし、アニメの描写を見る限り如月は大破どころか被弾すらしておらず、疲労しているようなシグナルもないにもかかわらず、爆弾一発で轟沈している。このことから、艦これアニメはゲームとは轟沈のメカニズムが異なるということだ。

2015-01-23 13:15:39
扶桑委員会 @fussoo_moe

他にも決定的に異なる点として、一つの作戦で複数の艦隊が出撃している点が挙げられる。これはゲームでは特別なステージでしかありえない。

2015-01-23 13:17:07
扶桑委員会 @fussoo_moe

また、この作戦実施艦隊の指揮を統括しているのが秘書艦であることもゲームとは決定的に異なる。ゲームでは全艦隊に対し提督に一元的に指揮権が集約しているが、アニメではそれら権限が秘書艦に委譲されている。つまり、アニメとゲームでは提督の概念が異なるのだ。

2015-01-23 13:19:27

また、ゲームとアニメの差違として撤退の違いも挙げられるだろう。ゲームにおいては撤退ボタンを押せばリスクなく撤退できるが、アニメでは撤退中に追撃を受けている。ゲーム同様リスクなく撤退できるのであれば、今回の如月轟沈はあり得なかった。

扶桑委員会 @fussoo_moe

次に、作戦推移における指揮の妥当さを考えてみる。作戦は水雷戦隊を中心に二個艦隊を編成し、ウ島における敵艦隊を一個艦隊をもってして己の優位な海域に誘引し、もう一個艦隊を以てしてこれを夜戦にて撃滅するというものだ。作戦としては複雑な部類に入る。

2015-01-23 13:27:53
扶桑委員会 @fussoo_moe

実際の作戦推移は、予定どおり先遣艦隊が昼間において敵と接触、これを監視していたが、夜の前に敵哨戒機に発見されてしまう。

2015-01-23 13:29:35
扶桑委員会 @fussoo_moe

この報告を受けた指揮官である秘書艦・長門は即時撤退を命令している。副官の、敵戦力小にして二個艦隊を以てすればこれを撃滅できるという進言を却下し、誘引しての夜戦という作戦企図が破綻したことによる即座の撤退命令であり、撤退の決断としては最速と言える。

2015-01-23 13:34:03
扶桑委員会 @fussoo_moe

その後、敵に空母が存在することが明らかとなり、秘書艦は直ちに残置したもう一個艦隊を現場に急行させ、撤退を援護させる命令を下す。

2015-01-23 13:37:48
扶桑委員会 @fussoo_moe

敵増援がいるかどうかわからないなか現場に急行させた場合、その存在が明らかになったときには対応不能になる可能性があることを考えると、敵戦力が明らかになった段階での救援命令は一定の妥当性があるものと考えられる。

2015-01-23 13:38:43
扶桑委員会 @fussoo_moe

また、長門は現有戦力における撤退の確実性がないことを認識し、近海航行していると予想される遠征艦隊に対して救援を要請している。

2015-01-23 13:40:39
扶桑委員会 @fussoo_moe

ここでの戦闘序列(指揮命令系統)が明らかでないものの(遠征艦隊に対する指揮権を有しているかどうかが不明)もし指揮権がなかったとしても提督に意見具申しこれを納得させたものと考えられる。

2015-01-23 13:41:31
扶桑委員会 @fussoo_moe

結果として、遠征艦隊の救援により敵艦載機群を粉砕、また現場部隊の奮戦により敵空母を撃沈、敵艦隊を撤退に追い込んでいる。

2015-01-23 13:43:45
扶桑委員会 @fussoo_moe

以上より、長門の指揮は全般として極めて妥当であり、過失はないものと判断できる。特に作戦の前提が破綻したことを認識し即座に撤退を命令したことは特筆に値する。もし強行していた場合、前衛艦隊の撤退は不可能となっていた可能性が高い。

2015-01-23 13:45:34
扶桑委員会 @fussoo_moe

作戦の前提条件が破綻したとしても、そのまま作戦が強行される例は枚挙にいとまがない。むしろそれが普通であるかと錯覚するほどである。それを考えると、長門の作戦指揮の第一義は作戦目的の完遂ではなく、既存戦力の温存(生存)に軸足があると言っても良い。

2015-01-23 13:46:54
扶桑委員会 @fussoo_moe

次に提督についてである。提督の所轄がどのようなものなのかは難しいものの、現段階での当委員会の認識では任務部隊の指揮命令権は秘書艦に委譲されてはいるものの、遠征艦隊の指揮権は提督が持っていると考えている。

2015-01-23 13:48:58
扶桑委員会 @fussoo_moe

そこから考えると、秘書艦の提言に従い遠征艦隊に直ちに救援命令を出しており、撤退に対して大きく貢献していると言え、過失は見当たらない。

2015-01-23 13:50:28
扶桑委員会 @fussoo_moe

作戦そのものについての責任はどうだろうか。水雷戦隊の夜襲のみに頼った作戦は妥当だったのだろうか。それを判断するには現状で示されている材料が少なすぎる。

2015-01-23 13:51:45
扶桑委員会 @fussoo_moe

例えば、これが多段階作戦で、水雷戦隊による夜襲による漸減の第一段階、空母部隊による漸減の第二段階、重巡を含む戦艦部隊による殴り込みの第三段階という計画であったならば、第一段作戦として(いまのところ)全水雷戦隊を投入した今回の作戦に対し慢心があったとは言えないだろう。

2015-01-23 13:53:55
扶桑委員会 @fussoo_moe

また、三話冒頭にて筒に入った命令文を受領しているシーンがある。このことから、ウ島攻略の命令そのものは軍令部(仮)から出されているものと推定される。また作戦内容についても細かく指示されていた可能性もある。

2015-01-23 13:55:20
扶桑委員会 @fussoo_moe

いずれにせよ、戦艦を含む決戦戦力を使用しなかったことは何らかの理由があったと現段階では考えるしかない。それは合理的な理由か、政治的な理由か、あるいはどうしようもないくだらない理由かは現段階では分からない。なのでこれを以てして提督を評価するのは早いと言える。

2015-01-23 13:56:27