山口二郎氏、人質事件に関して政府が挙証責任を負った

山口二郎 @260yamaguchi

安倍首相がイスラエルを訪れて、ユダヤ人差別を否定したとのこと。この人は、自分たちが日本国内でどれだけの憎悪や差別を黙認し、事実上支援しているか、考えたことがあるのか。通常国会では、改めて閣僚と在特会や排外主義の関係について野党は追及すべき。

山口二郎 @260yamaguchi

人質事件について、イスラム国を非難する以外にできることがないので黙っていた。ただ、考えてみると湯川氏は拘束されて久しいし、後藤氏については昨年11月に身代金要求が来ていた。政府は当然こうした事実を認識していたはず。では、いかにして救出するか、どのように検討してきたのか。

山口二郎 @260yamaguchi

とりわけ、今回の安倍首相の中東歴訪でイスラエルにも言って共同声明を出すということが、人質に対するイスラム国の対応にどのような影響を与えるのか、考えていたのか。政府首脳は想定外と言ったと朝日は伝えている。これは信じがたい話。何のために日本版NSCを作ったのか。

山口二郎 @260yamaguchi

これらの点について、メディアも国会も、政府に質してほしい。結局のところ、危機管理だの、戦略だのは、軍事面で何かをしたいという保守派の子供じみた欲求の表現にすぐないと思う。ただ、それは子供の火遊びであり、国民に益をもたらすことはない。

山口二郎 @260yamaguchi

安倍がイスラエルでホロコーストの犠牲者を悼み、民族差別を糾弾したことは賛成。ならば、かつてホロコーストを否定する大記事を掲載して雑誌の編集長を首になった花田紀凱が右派雑誌でコリアン差別の旗を振っていることをどう思うのか。差別を否定するという言葉は自分自身に向けられなければならない

山口二郎 @260yamaguchi

ニュースで、後藤健二さんの母親の会見を見た。日本語には惻隠の情という言葉がある。いまは、母親の気持ちを共有して、無事解放されるよう、政府が本当にあらゆる可能性を探ることを求めるしかない。日本の伝統を擁護すると称する人々にも、是非惻隠の情という言葉を辞書で引いてほしい

山口二郎 @260yamaguchi

今朝の東京新聞コラムで、誰がやってもすぐに有効な解決策を見つけるのは難しいので、今すぐに政府を批判することは控えようと書いた。しかし、事は次の段階に移った。人命救助のために政府がどこまで本気で取り組んだのか、政府の側が挙証責任を負う。通り一遍のあらゆる手段という言葉は通じない

山口二郎 @260yamaguchi

もっとも許しがたいのは、安倍が今回の人質事件を奇貨として、同種の事態に自衛隊を紛争地域に派遣できるよう法整備が必要だと発言したこと。自衛隊を投入して人質を救出できると考えるのは、ハリウッド映画と現実の区別がつかない愚か者だけだ。

山口二郎 @260yamaguchi

今回の人質事件についてはわからない話が多すぎる。湯川氏拘束、後藤氏への身代金要求から何か月も経過しており、その間政府は何をしてきたのか。安倍の中東歴訪が事件にどのような影響を及ぼすのか、NSCでどういう議論をしたのか。安倍のスピーチライターは何を考えて言葉を選んだのか

山口二郎 @260yamaguchi

湯川氏の民間軍事会社なるものはおよそまともなビジネスの体をなしていない。渡航費などはどこから出たのか。何のために英語もできない人が紛争地域のど真ん中に入り込んだのか。後藤氏はなぜ湯川氏の救出のために単身現地に入ったのか。メディアは犠牲者を悼むだけでなく、事実に迫ってほしい

山口二郎 @260yamaguchi

誤解のないように、今朝の東京新聞コラムの結論をここで紹介しておく。日本人の生命安全を確保するためと称して進められてきた、安倍政権の積極的平和主義がむしろ国民に大きなリスクを及ぼすことになりはしないか、熟慮する必要がある。

山口二郎 @260yamaguchi

この通常国会で、集団的自衛権行使に関する関連法の制定が主題となる。この人質事件を自衛隊を海外に派遣するための根拠として利用するのか、安倍の言う積極的平和主義が国民に危険と災厄をもたらすものか、現実に基づいて徹底的に議論しなければならない。

山口二郎 @260yamaguchi

1930年代の日本は、邦人保護と称して軍を中国に派遣し、泥沼にはまっていった。犠牲者が出て、その死を無駄にしないためにと、一層軍を投入するという悪循環を防ぐことこそ、政治の究極的な役割である。

山口二郎 @260yamaguchi

目の前でこのような事件が進行していたにもかかわらず、安倍首相の中東歴訪における能天気な「反テロ演説」を進めた日本版NSCなど、最初から無能を露呈したようなもの。即刻解体すべし。