《「除染」で「出た」ものを「中間貯蔵」する施設に関する考察》

NHK福島放送局報道「中間貯蔵施設への輸送は周辺9市町村から」http://togetter.com/li/774695 で使われている用語について、実質を捻じ曲げる言葉の羅列なので、考察しました。
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宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

NHK福島放送局報道「中間貯蔵施設のへの輸送は周辺9市町村から」 - Togetterまとめ togetter.com/li/774695 について、考察を付け加えておく。

2015-01-26 20:59:28
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

報道は、双葉町と大熊町に「建設」される予定の、「原発事故発生によって放出された放射性物質を含む物質を環境中から取り除こうとする作業」、いわゆる「除染」作業で「出た」ものを「集めて管理する」為に建設予定の「中間貯蔵施設」に関するものだ。 上記の「 」付きの語は、全て誤解を招く用語だ

2015-01-26 21:06:41
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

まずは、施設の「建設」について。 この施設は、償却するなどの処理にかかわる建物を確かに建設もするのだが、 埋設する施設も含んでいる。 「建設」と表現すると、まるで価値ある建物が設置されるような印象を与えるが、この施設は設置されたら、周辺も含めて、土地の価値を毀損するものだ。

2015-01-26 21:10:00
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

次に、ここに集められるものことになっているものを出す「作業」だ。 原発事故発生で放出されたものを集めるかのよう二行われている作業だが、「放射性物質が含まれているもの」を集めたのではなく、作業手順に従って集めただけで、手順には「放射性物質が含まれたもの」かどうか調べる段取りがない。

2015-01-26 21:13:28
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

たとえば、田畑の作業の場合、 地域によって定められた、表層からある程度の深さまでの表土を剥ぎ取っているだけだ。 その中に放射性物質が多く含まれているかも知れず、あるいは単に豊穣な農業用の土だけしか存在しないかも知れない。手順では、細かい計測の手順が省略されているからだ。

2015-01-26 21:16:50
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

また、家屋や庭の場合。 落ち葉を集めたり、樹木の枝を切ったり、雨どいを掃除したりする作業が主に行われる。庭が土の場合、表土を剥ぎ取ることもある。一部では、庭の敷石やタイルも交換した例もある。 屋根瓦やトタンなどに放射性物質がしっかり付着していても、基本的に葺き替えはしない。

2015-01-26 21:21:08
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

このように、田畑や家屋、庭などから、何がどれほど含まれていて、どれだけを除去できたかを確認もしないような作業は、断じて「除染」の語に値しない。「除染」とは、放射性物質による汚染を取り除いて、一般生活環境に戻しても影響が出ないレベルまで放射性物質の付着を減少させる行為だ。

2015-01-26 21:23:37
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

コントロールできない形で各施設から発生した放射性物質が移動し続ける状況を、 生活環境として維持する姿は、核物質防護の考え方からすると、 避けなければならない、悪夢のようなものだ。 放射性物質で汚染された物を、生活環境で自由に行き来させてはならない。 それを保つのが「除染」だ。

2015-01-26 21:29:07
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

現在、福島県内では確かに、汚染されたものを集めているかのように発表し、報道している。 しかし、本気で放射性物質を「環境」から取り除くつもりならば避けて通るわけには行かない森林や山を、「除染しない」と政府は決めている。実際に作業しても汚染物質を有効に除去できないことは、実証済みだ。

2015-01-26 21:38:14
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

次に。作業で「出た」という言葉。 正確には、いわゆる「除染」作業の結果として「集めたもの」に過ぎない。汚染された、放射性物質が付着したものも含まれるのだが、作業の結果集めただけのものが多いので、集め方や、集める元の状態の違いによっては、汚染がかなり少ないものも含まれている。

2015-01-26 21:41:45
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

結果として、「除染」作業」で「出た」ものを集めたフレコンバッグのすぐそばで空間線量を測定すると、一定しない結果が出てくる。 「このそばに近づくのは危ないな」というものもあるし、 「これだと、周りと全然変化がない数値だな」というものまである。 ただし、安心はできない。

2015-01-26 21:44:21
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

「出た」ものに関しては、空間線量を測定する程度のことしか行わないので、 中にα核種やβ核種のものが、どれだけ含まれているかは、まったくわからないからだ。 その反対に、「出た」ものを取り除いた環境についても、α核種やβ核種の放射性物質がどれだけあるかもわからない。調べないから。

2015-01-26 21:47:19
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

次に「集めて管理する」という表現。 放射性物質を扱う際には、「集めて管理する」のが、国際的な常識であり、義務だ。 しかし日本では、東京電力の原子力発電所が同時に事故を起こした施設数と、事故の継続時間とにおいて、世界史上最悪の事故を継続中で、 「集めて管理する」ことができていない。

2015-01-26 21:50:30
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

「出た」の語の部分でも書いたが、 東京電力原発事故で放出されている放射性物質は、 全地球上に拡散されている。 少し濃い目の、現在でも検出可能な範囲だけでも、日本で最も有名なあの山の辺りまで範囲が広がっている。 本来はその山のものまで「集めて管理する」のが望ましいが、無理だ。

2015-01-26 22:01:10
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

だから、「中間貯蔵施設」と名づけられた「施設」では、 できる範囲の中のものだけを集める。 「管理」と言っても、経済的にできる範囲のことをするだけだ。 密封して、万年単位で害が出ないようにする、などという事は技術的にも経済的にもできない。

2015-01-26 22:04:53
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

そして、この記述の中の最大の欺瞞と言っても良い「中間管理施設」という表現についてだが。 「中間」と「管理」に分けて論じる。 この施設は、対象の物質を「稼動開始後30年までに、福島県外に運び出す」という法律の制定によって可能になったものだが、日本政府が法律を遵守する保証など、ない。

2015-01-26 22:11:13
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

日本政府のこれまでの手法だと、「努力はしたけど、やっぱりできませんでした」などという事を、平気で口走りかねない。「努力したので、法的な責任は果たしました。努力してもできないとは、予測できませんでした」と、訴訟を起こされたら法廷で代理人が主張することになるだろう。

2015-01-26 22:14:05
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

30年で運び出せないとなると「中間」が「最終」になる可能性は、否定できないだろう。 ただ、同じような心配をする人が恐れる「この中間貯蔵施設が、全国の原発の高レベル廃棄物の最終処分場になるのではないか」という考えには、私は賛同しない。 東電原発事故の処理だけでも、不足するはずだから

2015-01-26 22:16:52
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

「管理」の語について。 実際には、「除染」で「出た」ものをまず、運び込む。 次に焼却するなどして「減容」(容積を減少させる)する。 実際には「土を焼却する」というのがどんな意味を持つのか、 その点については私も勉強不足でわからない。 焼却処理ではまた、ヘパフィルターが出るだろう。

2015-01-26 22:25:50
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

事故継続中の原発のすぐそばで、 焼却処分する施設が稼動したら。 放射性物質がどちらから放出されているのか、さらにわからなくなる。 日本政府はまた、細かい計測は行わないだろう。 放射性物質を再拡散することは「管理」しているとは言えない。

2015-01-26 22:40:47
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

以上のように、 使われている言葉のあれこれがいちいち間違っている報道なのだが、 報道された内容自体には、非常に大きな意味がある。 これまでは、この「中間貯蔵施設」に、福島県内の「除染」作業で出た全てのものを搬入、管理できるという前提で、報じられてきた。しかし、その綻びが見えた。

2015-01-26 22:43:20
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

最初に搬入するのは、双葉郡8町村と田村市の「除染」物だけ。 南相馬市と川俣町のものは含まれない。 これを「3月31日までに運び始める」というのだ。 運び出す9市町村のものだけだと、福島県内の「除染」物全体の1%にもならない。 つまり、年度内には、ごくごく一部のものしか搬入できない

2015-01-26 22:47:01
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

年度が新しくなっても、「施設」の「稼動」が手探りであることを考えると、 各種ALPSのように、頻繁に搬入も停止しなければならなくなる、と考えた方が良いだろう。 こうであって欲しい、という願望は私にも理解同意できる部分も多いが、なにぶん、世界で初めての施設なのだから、無理は無理だ。

2015-01-26 22:49:45
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

搬入が頻繁に停止するとなると、 福島県各地にある「除染」で出たものを全て集めることなど、 速度を考えても無理だ。 それよりも、福島県各地にある「除染」で出たものを全て運び込める容量が、 この施設には無いだろうと私は考えている。

2015-01-26 22:54:35
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

そうなると、「どれを優先的に施設に運ぶか」という選択を丸投げされる先は、 福島県庁になるのかもしれない。 その選択の際、また、福島県居住者同士が争わされることになるかもしれない。 今後重要なことは、この「施設」が何をどの時点までどこまでどうできるのか、粘り強く確認を続けることだ。

2015-01-26 22:58:33