茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1415回「さあさみんなでホットケーキ」

脳科学者・茂木健一郎さんの1月27日の連続ツイート。 本日は、今朝、ふと思い出してしまったこと。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート1415回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、今朝、ふと思い出してしまったこと。

2015-01-27 07:29:15
茂木健一郎 @kenichiromogi

コマーシャルの力というのは、おそろしい。子どもの頃、「さあさみんなでホットケーキ、森永ホットホットホットケーキ」というコマーシャルがとても魅力的で、母親にせがんで、ホットケーキミックスで作ってもらった。この世に、こんなにおいしいものはない、と思うくらいうれしかった。

2015-01-27 07:31:25
茂木健一郎 @kenichiromogi

ホットケーキの上に、バターを置く。とろーりと溶けてきたあたりで、はちみつをかける。それを、ナイフとフォークで切り分けて食べると、天国に行く気分だった。ホットケーキの生地に、甘ーい蜜がしみこむと、これ以上の味はない、というように感じた。焼きたての香ばしさにつつまれた!

2015-01-27 07:32:56
茂木健一郎 @kenichiromogi

後に、題名や表現をめぐって論争が起こった『ちびくろサンボ』であるが、ぼくが子どもの頃は誰もが知る名作で、この中に、有名な、トラがぐるぐる回ってバターになってしまうシーンがある。ホットケーキを食べるときは、時々このものがたりを思い出した。サンボは、なんと、169枚食べたのだ!

2015-01-27 07:35:02
茂木健一郎 @kenichiromogi

時代が流れて、子ども時代の幸せな「ホットケーキ」の原形は、移ろってしまった。まずは、呼称問題。いずれの頃から、「ホットケーキ」じゃなくて、「パンケーキ」と呼ぶのが正しい、みたいな雰囲気になっていった。「ズボン」が「パンツ」になっていったように、「ホットケーキ」は追い詰められた。

2015-01-27 07:37:37
茂木健一郎 @kenichiromogi

もう一つ、自分の家でつくる、みたいな風潮が交代していったように思う。子どもの頃は、ホットケーキだけじゃなくて、プリンだとか、フルーチェだとか、ゼリーだとか、いろいろなものを家でつくるのが普通だった。ところが、今はコンビニにもたくさんデザートあるし、街のスイーツ屋さんも充実。

2015-01-27 07:38:45
茂木健一郎 @kenichiromogi

あれやこれやで、「ホットケーキ」を自分でつくって食べる、という幸せな風景が衰退していってしまったのは、残念である。あれは、昭和のハッピネスだったのだろうか。「さあさみんなでホットケーキ」というコマーシャルは、そのうち、かつてあった黄金時代を象徴する楽曲となるのだろう。

2015-01-27 07:40:10
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート1415回、「さあさみんなでホットケーキ」をテーマに、6つのツイートをお届けしました。

2015-01-27 07:40:53