内田樹氏「日本、フランス、ドイツは敗戦の総括ができていないから排外主義が跋扈している」
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まずはこちらの記事。
時代の正体〈57〉わたしたちの国はいま(1) 思想家・内田樹さんに聞く 「よみがえる死者たち」(神奈川新聞ウェブサイト社会面の記事)
http://www.kanaloco.jp/article/83414/cms_id/123682
主張の概要
“いま、世界的な現象として同時多発的に排外主義が跋扈(ばっこ)している。興味深いのは、ドイツ、フランス、日本という「敗戦の総括をうまくできていない国」において、それが顕著だということです。死者が死に切っていないせいで、「生煮えの死者」がよみがえっている現象のように私には見えます。”(当該記事より引用)
結論としては・・・
“加害の事実は忘れやすいが、被害の事実は忘れられない。「僕らは忘れたから、君らも忘れてくれ」というロジックは通らない。「君たちは忘れてもいいけれど、僕らは忘れないよ」と加害の事実を記憶し続けるという構えでなければ隣国との和解は成立しないでしょう。
これから私たちはどうすればいいのか。日本人が敗戦のときに作った「物語」を一度「かっこに入れて」、あらためて「本当は何があったのか」という問いを冷静に中立的に主題化すべきだと私は思います。”
(全文は当該記事を参照)
記事に対する反応など
本日の論説・特報面は内田樹さんのインタビュー。松島記者の取材です。4回続きの1回目。時代の正体〈57〉私達の国はいま(1)思想家・内田樹に聞く 「よみがえる死者たち」 | カナロコ kanaloco.jp/article/83414/…
2015-01-30 14:33:55思想家内田樹さんのインタビュー記事。4回シリーズで今日からスタートです。一回目は「敗戦の否認」。〈世界的な現象として同時多発的に排外主義が跋扈している。興味深いのは「敗戦の総括をうまくできていない国」においてそれが顕著だということです〉kanaloco.jp/article/83414/…
2015-01-30 12:10:55時代の正体〈57〉私達の国はいま(1) 思想家・内田樹に聞く 「よみがえる死者たち」 | カナロコ kanaloco.jp/article/83414/… 私たちの国はいま「滅びる」方向に向かっている-。敗戦時の東京裁判はGHQの占領政策。利用できる人は釈放→政治家→戦後の「対米従属」担う
2015-01-30 12:26:19国際法上戦後処理は済んだと言い張っても、そのときに不都合なことを隠蔽するために使った「物語」の賞味期限が切れてしまうと、塗り固めたはずの傷口からまた血膿が噴き出してくる。 内田樹 「よみがえる死者たち」 | カナロコ kanaloco.jp/article/83414/…
2015-02-03 03:04:11神奈川新聞のサイト「カナロコ」掲載。読み応えあり。若い人たちにこそ、ぜひ読んでもらいたいです。時代の正体〈57〉わたしたちの国はいま(1) 思想家・内田樹さんに聞く 「よみがえる死者たち」 | カナロコ kanaloco.jp/article/83414/…
2015-02-03 16:15:03フランスとドイツが敗戦総括をしてない国、と定義されると、どこが「してる国」になるのだろう? / “時代の正体〈57〉私達の国はいま(1) 思想家・内田樹に聞く 「よみがえる死者たち」 | カナロコ” htn.to/zraVMd
2015-01-31 08:15:03時代の正体〈57〉わたしたちの国はいま(1) 思想家・内田樹さんに聞く 「よみがえる死者たち」 | カナロコ kanaloco.jp/article/83414/… 例えばオランダは?
2015-02-01 20:50:18あんまり思いつかないような切り口や視点を提供してくれる。という仕事をするのが「思想家」なんだなあ。他の「思想家」の話も聞きたい。 / “時代の正体〈57〉私達の国はいま(1) 思想家・内田樹に聞く 「よみがえる死者たち」 | カナ…” htn.to/JHYm2f
2015-01-30 12:39:35ここからが本題
当該記事のこの記述
“ドイツも事情は似ています。ドイツは戦争責任のすべてをナチスに押しつけて、ドイツ国民を免罪しようとした。
事実、ナチスに反対したドイツ人はたくさんいましたし、ヒトラー暗殺計画も繰り返し企てられました。だから、ドイツ国民とナチスは「別物」であり、戦争責任・敗戦責任はあげてナチスという一政党にあるという物語は戦後のドイツ人たちにとっては説得力を持つものでした。そうやって国民は部分的に戦争責任を解除された。
ドイツの歴代大統領は欧州各地を訪れるたびにナチスの犯罪を謝罪していますが、それはかつてドイツを強権的に支配していた独裁者の罪についての謝罪なのか、そのような独裁者を歓呼の声で迎えたドイツ国民の罪についての謝罪なのか、必ずしもはっきりとはしていません。”
この内田氏の見解に対し、生粋のドイツ人が疑問を持つ。
内田樹さん、私が受けた教育が違う。ナチスはドイツ人、ドイツ人はナチス。あんな非人間的な犯罪が起こったのは全員のせいだったと。 kanaloco.jp/article/83414/…
2015-01-31 08:12:49@levinassien 内田さん、記事を拝読させて頂きました。kanaloco.jp/article/83414/… 私が受けた当時西ドイツの教育が違います。ナチスはドイツ人、ドイツ人はナチス。あんな非人間的な犯罪が起こったのは全員のせいだったと私は教育され、今もそう思います。
2015-01-31 10:26:41@808towns @levinassien そうです。連帯責任(ドイツ語: Kollektivschuld)です。
2015-01-31 10:33:51東京大学名誉教授・哲学者で、ドイツの哲学や公共哲学に詳しい山脇直司氏も、内田氏の当該記事に以下のような指摘をしました。
確かに、1970年代以降の西ドイツの教育・政治に内田さんは疎いようですね。RT @808Towns 内田樹さん、私が受けた教育が違う。ナチスはドイツ人、ドイツ人はナチス。あんな非人間的な犯罪が起こったのは全員のせいだったと。 kanaloco.jp/article/83414/… …
2015-01-31 10:21:13私見・総括
内田氏のこの記事、フランスと日本の「敗戦の総括」の現状を語るのとドイツのそれを語るのに随分と温度差があります。
内田氏は、フランスの社会学者レヴィ=ストロースの思想に明るい人ですから、フランスにおける戦争の過去の総括ができない理由は具体的です。日本も同様に、割と具体的な記述です(正しいかどうかは皆様の判断に任せます)。
一方で、ドイツでの戦争教育はどうだったかについての説明は、引用からも分かるように、いまいち釈然としません。そこで、ドイツの人々やドイツ哲学に詳しい山脇氏が指摘を加えました。「ナチスが生まれたのは全ドイツ国民の責任だ」と学校では十分に教わったのだと。
つまりここで問題になるのは、学校では戦争責任について十分に教わったのにもかかわらず、なぜドイツでは排外主義が横行しているのかということなのです。これは議論の余地がありますね。
さて、内田氏はどう出るでしょう?今後に注目です。