「放射線被曝の理科・社会」を読んで マキノさんのツイートまとめ(2015.2.2)

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Jun Makino @jun_makino

「放射線被曝の理科・社会」をパラパラ見る。「理科・社会」というのは科学とは違うのかも。

2015-02-02 00:24:50
Jun Makino @jun_makino

著者らの主張は、「はしがき」によれば以下の 2 つであるらしい。第一は以下 :

2015-02-02 00:24:52
Jun Makino @jun_makino

引用 : 原発がいいか悪いかということと、今度の事故による放射線被曝の影響が大きいか小さいかということと、この 2 つの問題は区別して扱うべきである。

2015-02-02 00:24:55
Jun Makino @jun_makino

引用続き : 後者についてはあくまでも科学的な検討・検証にもとづいて論じるべきであり、影響評価に政治的な価値判断を持ち込むことはあってはならない。

2015-02-02 00:24:57
Jun Makino @jun_makino

引用 : 低線量放射線の健康影響に関しては一般に「分かっていない」と言われているが、過去に蓄積された科学的な知見、あるいは福島事故後に獲得されたさまざまなデータによってすでに「分かっている」ことも少なくない。

2015-02-02 00:25:02
Jun Makino @jun_makino

引用続き : それを「何も分かっていない」かのように扱うのは事態をいつまでも混迷させるものであり、被害者救済にもつながらない。

2015-02-02 00:25:04
Jun Makino @jun_makino

この本の中でかかれていることを検討する前に、この 2 つの主張はそもそも意味があるものかどうかを考えておく必要がある。

2015-02-02 00:25:07
Jun Makino @jun_makino

現代的な科学論では、科学的な検討・検証は価値判断に対して中立に行われうる、あるいはそれ以前に科学的知識が価値判断に対して中立である、という立場は普通の人はとらないからである。

2015-02-02 00:25:09
Jun Makino @jun_makino

科学的な検討・検証は価値判断に対して中立に行われるべき、という主張は、多くの場合にそのような主張をする当人が持つ政治的な価値判断が無反省に持ち込まれることの正当化になっている。

2015-02-02 00:25:12
Jun Makino @jun_makino

この本の場合、第二の主張がすでにそのような例になっていて、「過去に蓄積された科学的な知見、あるいは福島事故後に獲得されたさまざまなデータによってすでに『分かっている』こと」が政治的な価値判断と無関係に正しいものであるという、それ自体が政治的な主張が行われている。

2015-02-02 00:25:14
Jun Makino @jun_makino

「『分かっている』こと」の選択ももちろん政治的である。

2015-02-02 00:25:17
Jun Makino @jun_makino

もう少し具体的にみていこう。

2015-02-02 00:25:19
Jun Makino @jun_makino

P16 では「 LNT 仮説は真実というより公衆衛生上の慎重な判断」と述べていて、これは LNT 仮説は科学的知識ではなく政治的な価値判断から採用されている、といっていることになる。

2015-02-02 00:25:21
Jun Makino @jun_makino

で、ここでは、 LNT が仮説になるのは相変わらず 100mSv であり、それ以下での様々な新しい知見は存在すらふれられることはない。これが「過去に蓄積された科学的な知見」を扱う適切な態度かどうかは疑わしいといわざるを得ない。

2015-02-02 00:25:24
Jun Makino @jun_makino

また、「放射線被曝の影響が大きいか小さいかということ……についてはあくまでも科学的な検討・検証にもとづいて論」じている態度ともいいがたいと考える。

2015-02-02 00:25:26
Jun Makino @jun_makino

P29-30 には管理区域と、何故福島ではそれを考慮しなくていいかに関する私には意味不明な議論が展開されている。私には意味不明なステートメントは例えば以下のものである。

2015-02-02 00:25:29
Jun Makino @jun_makino

引用 : 繰り返しになるかも知れませんが、管理区域内には必ず野放しで取り扱ってはいけない放射線源が存在するのに対し、福島県内で 3 カ月当たり 1.3mSv を超えるおそれのある区域内にはそのような放射線源は存在していません。

2015-02-02 00:25:31
Jun Makino @jun_makino

引用続き : むしろ 3 カ月当たり 1.3mSv を超えるおそれのある区域はそれこそホットスポット地域であり、周辺地域の中で最も空間線量率の高い場所でしょう。

2015-02-02 00:25:34
Jun Makino @jun_makino

引用続き :3 カ月当たり 1.3mSv を超えるおそれのある区域内に福島第一原発があるわけではなく、福島第一原発は数十 km も離れたところにあるのです。

2015-02-02 00:25:36
Jun Makino @jun_makino

この私には意味不明な文章を意味があるものとして理解する方法は色々ありえる。一つは、著者は年間 5.2mSv は全く無害であると考えていると想定することで、そうすると、この文章は意味が通ったもの になる。

2015-02-02 00:25:39
Jun Makino @jun_makino

つまり、年間 5.2mSv は全く問題ないが、管理区域はもっと大きな被曝をする可能性があるから設定されている、という考え方を著者はとっている、と想像される。

2015-02-02 00:25:42
Jun Makino @jun_makino

さらに、 P31 では、以下のような主張をしている。

2015-02-02 00:25:44
Jun Makino @jun_makino

引用 :( 前略 ) 年 5mSv を超えた市民は全体の 0.1% 、 50 人ほどです ( 中略 ) ごく一部の極めて狭い範囲ならば、住民の避難ではなく除染対策に力をいれることが行政のすべき対応です。

2015-02-02 00:25:46
Jun Makino @jun_makino

ここでは、「行政のすべき対応」に関する価値判断が、年間 5mSv は全く問題ないという著者の信念から直接にでてきていることは明らかであろう。

2015-02-02 00:25:49