基本多角形(骨格)による折り紙設計(仮)

まとめ作成者が最近考えている、基本多角形という概念について一度まとめました。 これは、22.5度系や整数比角度系などの角度制限系での設計において有用な概念だと作成者は考えています。 また、拡大ヘックスプリーツについても少し書きました。 2015/5/9 「基本多角形」という用語は今後「骨格」という用語に切り替えることにします。お騒がせして申し訳ありません。 質問などあれば@jck_ofalltradesにお気軽にどうぞ。
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レオンハルト @jck_ofalltrades

Twitterで解説するのに不便だから、一旦ここらで用語の定義をしちゃいますね。

2015-02-11 21:06:47
レオンハルト @jck_ofalltrades

まず、折り線の角度について。 正方形用紙の1辺を固定し、その辺と折り線のなす角度を、その折り線の角度とと呼びます。 この時、角度の取り方で180度のずれが生じますが、0度以上180度未満でとることにします。

2015-02-11 21:11:25
レオンハルト @jck_ofalltrades

次に折り線の傾きについて。 折り線の角度がθの時、tanθをその折り線の傾きと言います。 tan分かんない方には申し訳ない

2015-02-11 21:12:56
レオンハルト @jck_ofalltrades

例えば、角度が0度の時傾きは0、角度が90度の時傾きは∞(あんま良い例じゃない)、角度が45度の時傾きは1、角度が60度の時傾きは√3/2。

2015-02-11 21:14:23
レオンハルト @jck_ofalltrades

展開図の折り線の角度が45度の倍数の時蛇腹や45度系と呼びます。 22.5度の倍数の時22.5度系、15度の倍数の時15度系、30度の倍数の時はHP(ヘックスプリーツ、hex pleats)や30度系と呼びます。

2015-02-11 21:16:32
レオンハルト @jck_ofalltrades

展開図の折り線の傾きが0,1,1/2,2,3,1/3,3/4,4/3,1/7,7,∞の時、整数比角度系と呼びます。 つまり、蛇腹系にArctan1/2,2,3,1/3,3/4,4/3,1/7 を足したものです。 Arctan分からない方すみません。

2015-02-11 21:18:48
レオンハルト @jck_ofalltrades

なお、ここで傾き7,1/7はなくても設計の自由度は結構あります。

2015-02-11 21:19:22
レオンハルト @jck_ofalltrades

蛇腹→整数比角度系や、蛇腹→22.5度系のように折り線を添加することを考えます。 この時、平坦折り可能な展開図上の頂点に集まる折り線について、新しく添加した角度の折り線が必ず偶数本になっているとき、その折り線の拡大は正則である、と呼ぶことに(とりあえず)します。

2015-02-11 21:22:16
レオンハルト @jck_ofalltrades

蛇腹→整数比角度系や、蛇腹→22.5度系、30度系→15度系はすべて正則な拡大です。 折り線の角度が90度の倍数角のものを90度系と呼ぶことにすれば、 90度系→蛇腹、90度系→30度系、90度系→18度系などもすべて正則な拡大です。

2015-02-11 21:24:13
レオンハルト @jck_ofalltrades

ここで、90度系→蛇腹→22.5度系という拡大と、90度系→22.5度系という拡大はどちらも正則です。 A→B、B→Cが正則な拡大なら、A→Cも正則な拡大です。

2015-02-11 21:26:23
レオンハルト @jck_ofalltrades

正則な拡大については、その拡大についての基本多角形というものを定義できます。 A→Bの拡大を考えた時、新しく添加した折り線のみで囲まれた閉曲線(多角形)のことを、基本多角形と呼ぶことにします。

2015-02-11 21:27:53
レオンハルト @jck_ofalltrades

ここで、新しく添加した折り線が正方形用紙の辺にぶつかっていた場合、それも「閉曲線」とみなし、基本多角形と呼ぶことにします。

2015-02-11 21:29:06
レオンハルト @jck_ofalltrades

基本多角形の持つ次の性質が、基本多角形を考えることで角度系設計が若干効率よくできるための全てです: 拡大A→Bにおける基本多角形に、元の折り線(角度の制限がAの折り線)を添加して平坦折り可能にすることで、すべてのA∪B系の展開図を得ることができます。逆に、すべてのA∪B系の展開図

2015-02-11 21:34:12
レオンハルト @jck_ofalltrades

@jck_ofalltrades は、新しく添加した折り線(角度の制限がBの折り線)だけを抜き出すことで、基本多角形を得ることができます。

2015-02-11 21:34:58
レオンハルト @jck_ofalltrades

具体的に基本多角形の例を挙げます。 拡大:45度系→22.5度系においては、(22.5+45n)度の折り線で囲まれた閉曲線が基本多角形です。 実際に22.5度系の展開図上で、(22.5+45n)度の折り線に注目すると、確かに閉曲線が描けることが分かります。

2015-02-11 21:37:57
レオンハルト @jck_ofalltrades

拡大:90度系→45度系においては、(45+90n)度の折り線で囲まれた閉曲線が基本多角形です。 拡大:45度系→整数比角度系においては、傾きが0,1,1/2,2,3,1/3の折り線で囲まれた閉曲線が基本多角形です。 整数比角度系の場合は少し特殊です。

2015-02-11 21:39:49
レオンハルト @jck_ofalltrades

@jck_ofalltrades 前述した基本多角形の持つ性質を守るために、拡大を 傾きが0,1,3/4,4/3,1/7,7,∞→1/2,2,3,1/3 として考えるのです。 角度が45度系+Arctan3/4,4/3,1/7,7→Arctan1/2,2,1/3,3と考えてもおk

2015-02-11 21:41:46
レオンハルト @jck_ofalltrades

整数比角度系は180度のn分割の形の角度制限系でないために、色々とめんどくさいことが起きます。 それが、基本多角形の頂点が正則である・非正則であるということです。 夏休みに使っていた用語とは 正則=許される、非正則=許されない という風に対応しています。

2015-02-11 21:44:37
レオンハルト @jck_ofalltrades

拡大A→Bにおける基本多角形の頂点が正則であるとは、その頂点の内角がAに含まれる角度であることを言います。非正則である(正則でない)とは、その頂点の内角がAに含まれない角度であることを言います。

2015-02-11 21:46:29
レオンハルト @jck_ofalltrades

具体例。 整数比角度系の場合、基本多角形の頂点が45度の倍数角の時に正則と、そうでないといに非正則と呼びます。

2015-02-11 21:47:25
レオンハルト @jck_ofalltrades

一般に、非正則な頂点がある基本多角形の方が、平坦折り可能にするのは難しいです。

2015-02-11 21:48:08
レオンハルト @jck_ofalltrades

ここでようやく、さっき上げた画像の説明ができます。 これはHPに変な傾きの折り線を添加したものの展開図です。ひとまずこれを拡張HPと呼ぶことにします。 pic.twitter.com/ojw9EHV8K2

2015-02-11 21:51:01
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レオンハルト @jck_ofalltrades

以前に上げた画像ですが、もう少し拡張HPの具体例を出します。 神谷パターン風のものと、1-2幅変換です。 神谷パターン風の構造を構成する三角形は、アイゼンシュタイン三角形というものになっています。 pic.twitter.com/RnpANZieMJ

2015-02-11 21:52:43
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レオンハルト @jck_ofalltrades

今回の画像において、基本多角形は青線の部分です。 pic.twitter.com/YpOEcpCeIy

2015-02-11 21:55:46
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レオンハルト @jck_ofalltrades

HPにおいて正則な頂点とは、内角が30度の倍数角のものです。 今回の画像には、2つ非正則な頂点があります。

2015-02-11 21:57:21