『ゆゆゆ』の身障やら車椅子やらの描写は結局なんだったのかというと

雪見バーガー @H926

『ゆゆゆ』の車椅子関連は、というかほぼ全ての設定やらストーリーやらなにやらは、結局のところ、本編中では、この３種類の、外見が変わっても中身が変わらない下校シーンというものを描く為だけのガジェットだったわけですが（断言したよこの人）、そ pic.twitter.com/6fIhPH6pnT

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雪見バーガー @H926

ヒーローやヒロインが傷付いたり身体を欠損するのって、燃えるしカッコいいし、それでも戦い続ける姿、そのまま力尽きる姿には感動する。敢えて腕や足をもいだガンプラを作ったりするし、継ぎ接ぎだらけのエクシアリペアや、義手に武器が仕込まれた百鬼丸やガッツなんかも大好きだ。

雪見バーガー @H926

そこに道徳的な正しさがあるかというと全く無い。にもかかわらずにそれを正当化しようとするとどうなるかっていうと、園子を崇め奉る大赦になるわけだ。風先輩の隻眼への中二病的態度といい、『ゆゆゆ』はそういうとこに自覚的である。

雪見バーガー @H926

『ゆゆゆ』の身体障害への態度というのは、おっぱいが大きい（小さい）だとか、髪型がツインテールだとかの萌えポイントや、ラブシーンや欝設定のようなドラマを盛り上げる為の要素へのそれで(だからこそあっさり○せる)、ある意味とてもぞんざい。 fse.tw/PBBxZ#all

雪見バーガー @H926

ぞんざいだけど、そのぞんざいさが一周回って、すごくフラットな身体障害というものへの態度になっているのだよね。でもって、それは、園子を崇め奉る大赦をわざわざ描いていることから察するに、多分、意識的に為されていることなのだ。

雪見バーガー @H926

如何にして特別なもの、正しいものとして描かずに、単なる燃えや萌えとしてそれを扱うかっていう。

雪見バーガー @H926

政治的に正しい態度っていうのは、そういう萌えとか燃えとかお涙頂戴な物語自体に身体障害を使わないってことなので、『ゆゆゆ』が政治的、道徳的に正しいか間違ってるかというと、勿論間違ってるんだろうけれど、個人的にはあの態度は凄く清々しいもののように感じています。

雪見バーガー @H926

でまあ、そういうとこひっくるめて『ゆゆゆ』は面白いのだけれど、最終的には、そういうの全部どうでもいい、単なる中学生の部活動とそれを通した友達関係とか姉妹関係とか、凄くミニマムな話でしかないっていうのが、ほんと最高だなと思います。

雪見バーガー @H926

尚、『ゆゆゆ』の身体障害に対する一周回ったフラットさっていうのは、そうあるべきだっていう善性の意志によるものと、ナチュラルにほんとにどうでもいいからフラットであるっていう、２つの要素が合わさった結果の、奇跡的なバランスで成り立ったものだと勝手に思っております。

雪見バーガー @H926

誰かや何かの犠牲になって死ぬことや障碍を負うことを、美化したり特別な個性だとか言い出したら、それは大赦が園子を崇め奉ったり、精霊21体だよ凄いんだよー言うのと同じことで、フラットに受け止めよう、健常者も障碍者も本質は同じだっていうなら、治ろうが治るまいがどっちでもいいわけである。

雪見バーガー @H926

『ゆゆゆ』は車椅子の東郷さんを通して、身体障害やそれを介護されることが特別なことでも負い目でもない社会を描くけれど、同時に、樹海化という危険の中で足が動かないことが致命的で介護者への負担であることも描く。世の有り様が変わっても障害のハンデ自体が消えるわけではないと。

雪見バーガー @H926

それを真摯さととるか、性悪さととるかは意見が分かれるところだろう。

雪見バーガー @H926

『ゆゆゆ』世界では、東郷のような要介添えの身体障碍者が周囲の人間や設備、社会全体から介助を受けることを、本人も含めた社会そのものが当然の前提としていて、そのことを特別なこととしては徹頭徹尾描かない。車椅子を押す友菜と、押されている東郷の間には、それに関する恩義関係等はない。

雪見バーガー @H926

友菜が（周囲全てが）東郷を介添えするのも、東郷が介添えされるのも、社会的に何の疑問もなくごく当たり前に行われることであって、そこには法律も契約もなく、介添えする側が恩を着せることも、される側が感謝や負い目を感じることも『ゆゆゆ』世界にはないと思われる。少なくとも、建前上は。

雪見バーガー @H926

そういう社会であれば、東郷の足に対する程度の介添えは、我々にとっての視力が悪い、座高が低い相手に前の席を譲るくらいの気軽さと当然さであり、障碍も、髪や肌の色や体格での差異や有利不利、おっぱいが大きい小さいとかの身体的特徴の一つくらいでしかないだろう。

雪見バーガー @H926

友菜と東郷は介添えする側とされる側の差異はあるが、それは単に差異であって、そこに上下関係や恩の売り買いなどはない筈である。2人は守る側と守られる側であるとか、そこに依存しあってるとかではなく、単に対等な友達同士なだけである筈である。少なくとも、建前上は。

雪見バーガー @H926

その建前上の対等な友達関係の欺瞞が暴かれるのが最初の樹海化の時であり、東郷は何も出来ずに一方的に守られる、救われているだけの自分に気づいてしまう。いや、最初から知っていたそれを思い知らされてしまうのだ。でなければ、こんな台詞は出てこない。「友菜ちゃん、今すぐ私を置いて逃げて！！」

雪見バーガー @H926

建前上は社会に存在しないことになっていて、友菜だってそんなことは思っていない、東郷の感じている、自分は友菜のお荷物だという負い目。『ゆゆゆ』が本当に酷いのは（注：褒めてます）、そういうあまり見たくない部分を絶妙についてくるところである。

ツキマジロ EX @tsuki_mage

@H926 （揚げ足を取るようで申し訳ないのですが、「友菜」ではなく「友奈」です）

雪見バーガー @H926

@tsuki_mage …すみません。

雪見バーガー @H926

…。すみませんすみません、あああああああ名前間違えてるとかああああああ

雪見バーガー @H926

一番酷いのは自分だった。

雪見バーガー @H926

自分がひどすぎたので、風先輩の散華周りが酷いよね（注：褒めてます）、という話はまた今度にします。