Y字の意味 ~HIVウイルスに効く薬~
ほとんどの種類のAIDSウィルス(HIV)の細胞付着を阻止できる新しい化合物を発見 jp.techcrunch.com/2015/02/20/201…
2015-02-21 06:57:44なにかすごそうなんだけど、何がすごいのかわからん。
あと、「化合物」ってすごい違和感を感じた。
わいたんべさん登場。
@Butayama3 あんまり、こういうこと言いたかないんだけど、そうとしか言いようがない。そもそも、こんなところで「化合物」なんて呼ばん。
2015-02-21 07:10:31化合物といったら、「単体(H2とかO2とか、一種類の元素だけでなるもの)」以外の化学物質すべてを指す言葉であって、この手の記事では、普通の「くすり」として使うような、分子量の小さな化学物質(=低分子化合物)に用いるべき言葉。今回のはタンパク質なんだから、タンパク質と書くべき。
2015-02-21 07:13:52@Butayama3 その日本語訳記事の、下の方の「Nature」のリンクから、原文が表示できるのだけど、見れるかな? で、その2ページ目の左上(figure 1a)に、模式図が出てる。
2015-02-21 07:18:24@Butayama3 同じ種類のタンパク質を2本くっつけた、見た目が「Y」字型になったタンパク質複合体。このアルファベットの「Y」のかたちが、抗体と似た外観になってる。
2015-02-21 07:22:37形が似てるのか。でもさあ。
@Butayama3 似てると言えば似てるんだけど、仕組みは別もの。共通点は、「Y字型」くらい。あ、あとその「Y字」を作らせるために、実際の抗体タンパク質の一部を使ってる。「Y」の下の縦線部分というか。Fc領域っていうのだけど(熱中教室、黄ブ菌のプロテインAの標的)
2015-02-21 07:28:35@Butayama3 はい。これ、何やってるかと言うと、要はHIVがT細胞やマクロファージにくっつくときの目印にしてる、CD4とCCR5という二種類の細胞表面のタンパク質の「ニセモノ」というか、「タンパク質の部分だけ」をくすりに使ってるんです。
2015-02-21 07:34:58@Butayama3 承前)HIVはエンベロープを持ってるウイルスで、その表面にgp120(分子量120,000の糖タンパク質 glycoproteinなのでこう名付けられた)ってウイルスタンパク質が突起状に出てる(=スパイクタンパク)。これがインフルエンザでいうとHAに当たる。
2015-02-21 07:39:37@Butayama3 承前)このHIV gp120は、まず宿主細胞の表面分子であるCD4にくっつく。こういうウイルスがくっつく、宿主側のタンパク質を「ウイルス受容体」と呼ぶ。味覚受容体とかと違って、別に宿主側としては、ウイルスくっつけるために用意してるものではないけど、そう呼ぶ。
2015-02-21 07:44:41@Butayama3 承前)インフルエンザではHAが、細胞表面のシアル酸って糖鎖にくっつく(=シアル酸がインフルエンザウイルス受容体)だけだけど、HIVはちょっと特殊で、1つのgp120が受容体(receptor)と、それを補佐する受容体(co-receptor)の二つと結合する
2015-02-21 07:50:03@Butayama3 承前)そのHIVの受容体がCD4というタンパク質で、ヘルパーT細胞の「目印」的な分子。コレセプターになるものには2種類が知られてる。CXCR4とCCR5、どちらも本来の機能はケモカインと呼ばれるサイトカインの一群からの情報を受け取る「ケモカイン受容体」
2015-02-21 07:54:20