γ線で見た宇宙の地図は、未知未踏の領域だらけ

kippis_sgさんによる、NASAのγ線天文衛星フェルミのγ線背景放射観測結果に関する記事の解説
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廣瀬 匠(Sho Hirose) @kippis_sg

宇宙にはγ(ガンマ)線を放つ天体があり、ブラックホールや超新星等正体が特定されてる。一方で実は、γ線天体から離れた所を含め、空全体がγ線で淡く輝いている。γ線背景放射と呼ばれるこの現象は正体不明。 http://bit.ly/aUQLmo

2010-03-03 12:55:53
廣瀬 匠(Sho Hirose) @kippis_sg

以下4回に分けて解説:γ線は最も波長が短くエネルギーが強いタイプの電磁波。宇宙から届くγ線は、超新星爆発などの劇的な現象やスケールの大きな天体に由来する。特にγ線源の大半を占めると考えられているのは活動銀河核だ。

2010-03-03 12:59:02
廣瀬 匠(Sho Hirose) @kippis_sg

活動銀河核とは、一部の銀河が中心部に抱える、太陽数億個分の質量を持つブラックホール。周辺の物質を吸い込む過程で、水力発電のように重力からエネルギーを生産し、γ線などの電磁波で明るく輝く。

2010-03-03 13:02:10
廣瀬 匠(Sho Hirose) @kippis_sg

γ線天体の多くが活動銀河核と分かっているので、γ線背景放射の正体も活動銀河核と考えられるようになった。無数の銀河が、点として見えないほど遠くにあるのだろう、というわけだ。だがNASAのγ線天文衛星フェルミの観測データはその仮定を否定。

2010-03-03 13:02:30
廣瀬 匠(Sho Hirose) @kippis_sg

γ線背景放射のスペクトルを分析すると、活動銀河核からは出てこない波長のγ線が多かった。活動銀河核のγ線が背景放射に占める割合は、3分の1以下。残りについては今の所結論が出てない。γ線で見た宇宙の地図は、未知未踏の領域だらけなのだ。

2010-03-03 13:02:43