マザーウィル泊地 #21 イベント海域戦

大炎上車輪鎮守府とでも改名するか?
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Rey.Redeyesers @S_O_M_Harbor

SoMの整備は未だ終わらず。 部品交換や整備はかなり早く終わるが、組み込んだ物がしっかり動くかは動かすまでわからない。 大規模作戦が始まったというのに、最も戰場に近い前線基地が利用できないという文句が柱島に集中する。 #マザーウィル泊地

2015-02-06 22:43:52
Rey.Redeyesers @S_O_M_Harbor

苦情対応に何かがキレた大和、呉に対し砲撃を開始。30kmにも満たない距離に狂艦の巣窟を作ったことを後悔するべきだった。 「何やってるんです?」 ドカンドカン騒がしいのに釣られ、大井がやってきた。 #マザーウィル泊地

2015-02-07 19:44:37
Rey.Redeyesers @S_O_M_Harbor

「戦争でも人は増えるのですから。騒がしいのが多少減ってもいいでしょう?」 「呉にですか。ご一緒したいですが届きませんので……」 砲声が増える。見れば、金剛が何人か同じ方向にぶっ放していた。 #マザーウィル泊地

2015-02-07 19:53:55
Rey.Redeyesers @S_O_M_Harbor

「発 柱島泊地。宛 呉鎮守府。敵大規模部隊ヲ確認。呉ニ攻撃ヲ企図スルモノト思ワレル」 武蔵はしれっとこんな電文を打っていた。思ったより沸点の低い姉のやらかしたことの後始末に定評があった。 #マザーウィル泊地

2015-02-07 20:11:20
Rey.Redeyesers @S_O_M_Harbor

「観測班より通信砲が届きました。『呉では何もわからない。極度の混乱状態にあり』。以上です」 大淀が面倒くさそうな面をぶら下げて大和に報告しに来た。目撃者が居たとして、後は本土の各所に眠る情報部隊が消してしまう。 #マザーウィル泊地

2015-02-07 20:30:16
Rey.Redeyesers @S_O_M_Harbor

泊地に存在する狂ったイレギュラー共。たとえ世界を敵に回しても平然と灼き尽くしてのうのうと生き残ることが出来る連中がいくらでもいる。この島には一時的とはいえ、檻から解き放たれた首輪付きの獣がそこら中にいるのだ。 #マザーウィル泊地

2015-02-07 21:48:14
Rey.Redeyesers @S_O_M_Harbor

「あ、大淀さん。いいところに」 大井が声をかける。面倒くさそうな顔が嫌そうな表情に歪む。 「なんでしょう?」 「今回の大規模作戦、もう駆逐艦が出撃しちゃいました」 「命令系統もあったもんじゃありませんね」 「提督がいませんから」 #マザーウィル泊地

2015-02-09 00:23:10
Rey.Redeyesers @S_O_M_Harbor

「無断出撃、友軍に対する意図的な戦術砲撃。民間の被害甚大……呆れた」 美祢の地下、事後報告を受けた叢雲は頭を抱えた。 「気に食わない物は消してしまえばいい。それができるのならな」 「主要基地ごと都市まるまる一つ焼いて、その後のこともわからない馬鹿なの?」 #マザーウィル泊地

2015-02-09 16:43:19
Rey.Redeyesers @S_O_M_Harbor

「少々馬鹿が増えすぎた。間引きにもちょうどいい時期だ。短気とて、大和もただの馬鹿ではない」 「あんたがそれに賛同するかしら」 「多少の誤差があるとして、結局は私だ。薄汚くて腐りきった傭兵のまとめ役でしかない。ああ、当然だが、代償は払ってもらう」 #マザーウィル泊地

2015-02-09 18:07:00
Rey.Redeyesers @S_O_M_Harbor

「ふぅん。で、通信には何を書くの?」 万年筆をプラプラ。タイプライターを前にして、叢雲はお飾りの提督に文面を請う。 「資源の管理を厳とし、目標海域を焼き尽くすことを許可する、とでも書いておけ」 #マザーウィル泊地

2015-02-09 18:16:08
Rey.Redeyesers @S_O_M_Harbor

『資源の管理を元とし』。 通信砲で贈られた文面の、この部分は完全に履行された。 燃料は1L単位で出納帳に記載され、機銃弾一発さえ何時何処で誰がどのように使用したかを記述する始末。 暗に「節約せよ」なんて言おうと、暴れたい盛りの駆逐・軽巡は止められない。 #マザーウィル泊地

2015-02-11 22:07:52
Rey.Redeyesers @S_O_M_Harbor

これは明確にしなかった提督の落ち度である。 時とともに減ってゆく資源。終わらない出撃。妖精さんによるバケツリレーと、ちょっとの休息。昼も夜も熱狂は終わらない。 潜水艦にトラウマがある連中さえも回り続けている。他では見られない光景だ。士気が落ちる。 #マザーウィル泊地

2015-02-11 22:15:10
Rey.Redeyesers @S_O_M_Harbor

最初の無断出撃前、五十鈴と天龍が艦隊旗艦として演説を行った。 「潜水艦が怖い? 馬鹿ね。怖いものは消してしまえばいいの」 「俺達にはそれが出来る。だろう?」 艦隊名は無理やり連れて来られた正気空母龍驤によって「RD艦隊」と命名された。 #マザーウィル泊地

2015-02-11 22:21:37
Rey.Redeyesers @S_O_M_Harbor

当の龍驤は、 「いやいやいや、そいつ死んどるからな?砕氷タンカー防衛部隊とかのほうが遥かにマシやからな?」 と提言するも聞き入れられなかった。 「縁起とかはどうでもいいんだよ。要は殺る気さえありゃどうにでもなるんだ」 「そうやけどなぁ…………」 #マザーウィル泊地

2015-02-11 22:29:46
Rey.Redeyesers @S_O_M_Harbor

海が干上がるほどの爆雷をぶち込まれた『的』潜水艦隊は、呆気無く殲滅された。呉鎮守府割り当て分を皆殺しにしなくてはならないため、念入りにぶちこまれた。 長良が勝利を喜んでいたが、しかしこれを勝利と呼んでいいものか。そこらに肉塊のようなものや艤装の残骸が浮く。 #マザーウィル泊地

2015-02-24 20:26:41
Rey.Redeyesers @S_O_M_Harbor

殺戮は艦娘の本能であるが、勝ち方を選びたがる未熟者も多い。傭兵であれば、当然失格だが。 「弾薬費を考えないのは傭兵失格ですよ」 権力で真っ黒に濁った眼で、水の中の音を聴き続ける大淀が、駆逐艦共に指示を飛ばす。最小限の爆雷で最大限の戦果を挙げた。 #マザーウィル泊地

2015-02-24 20:37:14
Rey.Redeyesers @S_O_M_Harbor

「素晴らしい戦果だ。感服したよ」 最も恐るべき駆逐艦、霞が海域の焦土化を褒めた。派手な作戦が彼女の琴線に触れたのだろう。 「だが、爆雷の無駄遣いはつまらんな。弾は無限ではないのだぞ」 最も爆雷を無駄撃ちした雷が殴られた。声もなく大破、そのまま入渠した。 #マザーウィル泊地

2015-02-24 20:47:40
Rey.Redeyesers @S_O_M_Harbor

「なるほど。楽なわけだ」 大本営から届いた報酬に、霞は眉をひそめる。 「ゴミのような額だ。あれだけの弾薬をぶちまけてこれだとはな」 大量のカカオに混じり詰まっていたのはマリファナであった。 「これで泊地に新たな市場を作れと?売って金にしろと?」 #マザーウィル泊地

2015-02-24 21:12:09
Rey.Redeyesers @S_O_M_Harbor

戦闘において一時的に覚醒剤を使うこともある。鎮痛剤として大麻も使う。だが、今回供与されたものは明らかに性質が違った。質量共に「楽しむ」ためのもの。 「提督に通信砲を撃て」 「望月の輸送艦隊は東京に行くついでに諜報艦隊へ伝令をお願いします」 #マザーウィル泊地

2015-02-24 21:34:07
Rey.Redeyesers @S_O_M_Harbor

霞は提督に指示を仰ぎ、大淀は市ヶ谷の大本営へと諜報員を向かわせる。鎮守府が一つ消滅し、未だ混乱の極みであろう大本営にさらなる混乱が襲うだろうことは想像に難くない。電探が高空を飛び交う通信砲弾の影をちょくちょく捉えていた。 #マザーウィル泊地

2015-02-24 21:40:24
Rey.Redeyesers @S_O_M_Harbor

「大運営からは?」 「『獣の手綱は握っておけ』。全部お見通しね」 「ラリった大本営とは大違いだ」 #マザーウィル泊地

2015-02-25 19:58:03
Rey.Redeyesers @S_O_M_Harbor

見境のない出撃、厳密なのは記録だけで、一つとして節約につながらない。 戦うために金を貯めていた戦闘狂もいる。金で資源をやりくりする柱島泊地の備蓄資源は高騰しつつあった。 「うわぁ。ハイパーインフレってやつ?」 黒板の値を書き換えながら、黒潮は愉快そうだった。 #マザーウィル泊地

2015-02-25 20:24:58
Rey.Redeyesers @S_O_M_Harbor

特筆すべきことは何もない。 ただ、制御を喪った獣の群れがどうなるか。彼女らは身を持って知ることとなった。 「あははは。見事に何もないでち」 燃料計を見て、酷薄なるオリョール航海に行く予定の伊58が本当に楽しそうに笑う。 殺しもできて燃料も得られる。最高だ、と。 #マザーウィル泊地

2015-02-25 20:38:22
Rey.Redeyesers @S_O_M_Harbor

柱島に残った叢雲、叢雲食堂の叢雲数名がその背中を見送った。 解体されたり、退役したり。彼女らには資源高騰は無縁、というわけでもないが、動けなくなることはない。 その姿が水面下に消える頃、バティラス級3番船ピエール・ジョーマが水平線に見えた。定期輸送便だ。 #マザーウィル泊地

2015-02-25 20:51:34
Rey.Redeyesers @S_O_M_Harbor

天龍率いる護衛艦隊に率いられているが、それは敵艦に襲われることを危惧していたのではなく、柱島の植えた獣に襲われることを恐れてのことだ。 「どけどけ喰うだけの無能ども!資源様のお通りだ!」 「また初風が囮になったの?」 首だけの初風が、天龍の肩に担がれていた。 #マザーウィル泊地

2015-02-25 21:00:19