2015/2/27-3/1講義まとめ

艦これから提督になったがあまり史実などを知らない、という提督達へ贈る艦娘への理解を深められる講義。分かりやすさを重視しているので間違っている部分はご指摘下さい。
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ローラント提督 @r18_jager

潜水艦と聞いて思い浮かべるのは「U-○○」という人の方が多いだろう。ドイツの潜水艦はかなりの種類とサイズの差が存在していてな。今日に至るまでその構造の殆どの技術が変わっていないという事実を知っているか?

2015-02-27 00:27:35
ローラント提督 @r18_jager

潜水艦は基本的に二重殻構造となっていてな、その殻と殻の間に空気の層を作ることで浮き、ここに海水を注水することで海中に潜る事が出来るんだ。 ただ潜水艦は延々水中に潜ってはいられない。なぜか分かる奴は居るか?

2015-02-27 00:36:18
ローラント提督 @r18_jager

潜水艦には実は二つの機関(エンジン)が搭載されていてな。水上を力強く、より速く航行する為のディーゼルエンジンと、電力で動くモーターエンジンが組まれていた。ディーゼルは出力が高いが…排気ガスが出る。その所為で水中では使えない。だから水中では電気モーターで航行するんだが…

2015-02-27 00:41:04
ローラント提督 @r18_jager

電気モーターは出力も弱く、水の抵抗もあって10kn出すのが困難だった。だから駆逐艦に発見されると大半はそのまま通信途絶、という事も多かったんだ。潜水艦も反撃するには敵を「見る」必要がある。だがそんな深度じゃ大砲でやられちまうからな。

2015-02-27 00:50:27
ローラント提督 @r18_jager

まぁ、そんな潜水艦にも奥の手が有ったりする。現代の潜水艦じゃ普通だしもっと高性能だが…当時の魚雷もある程度の誘導が出来たんだ。魚雷は真っ直ぐだけじゃなく、回り込ませたりも出来るって事だ。技術屋の仕事は凄いもんだ。

2015-02-27 00:54:51
ローラント提督 @r18_jager

で、だ。このディーゼルエンジンと電気モーターエンジンというハイブリッド構造は現代の潜水艦にも用いられてる。勿論技術的に進歩しているから、昔は普段水上に出ているのが普通だったが、今は息継ぎ程度に水上に出るだけでいい。 とはいえ、必ずこの息継ぎをしなきゃならんのがミソでな?

2015-02-27 00:59:40
ローラント提督 @r18_jager

海中には様々な音がある。特に大きい音が…船の航行の為に出す音だ。エンジン音、スクリューが生み出す泡の音、これらを聴き互いを発見するという手法も有ったほどに顕著な音だった。 故にスクリューの装備されてる方向にソナーを飛ばしても音を聴き分けるのは不可能なんだ。

2015-02-27 04:49:53
ローラント提督 @r18_jager

つまり、駆逐艦は自身のスクリュー側が死角となる。もちろん爆雷は艦尾側から落とす事が多いが、それでもこれは潜水艦にとっての勝機なんだ。 特にソナーを当てられている時の艦内は緊張と焦りでミスを生みやすい。長時間ソナーを当てられれば速度や深度、進路まで発覚してしまう。

2015-02-27 04:52:24
ローラント提督 @r18_jager

潜水艦から逃げるにしろ戦うにしろ、足の遅い潜水艦で真っ直ぐ離れるのは不可能に近い。 発見されたら速やかに潜航し、駆逐艦の真下に潜り込み、駆逐艦のスクリュー音に紛れてすれ違うように遠ざかるべきだろう。距離が取れれば後は雷撃を行うことで回避運動を強いて逃げられる、というわけだな。

2015-02-27 04:55:53
ローラント提督 @r18_jager

爆雷は…まぁ運だな。後丁寧に爆発深度を調整して落としてくる場合もあるから深く潜航すればいい、というものでもないしな。

2015-02-27 04:57:23
ローラント提督 @r18_jager

さて、潜水艦の講義でも始めるか…

2015-02-27 15:47:53
ローラント提督 @r18_jager

これはドイツ海軍の誇るU-boat TypeXBの設計図の一つだ。現代の潜水艦の形状を知ってる人から見れば「なんで丸くないの」「普通の船みたい」という意見もあるだろう。今回はこの形状について講義を進めたい。 pic.twitter.com/k5fkCAGeCa

2015-02-27 15:52:11
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ローラント提督 @r18_jager

前回の講義を受けた者なら理解できると思うが、潜水艦は効率の良い速度とエンジンからの排気、そして充電の為に水上航行をメインに活動する。 その為に特に、外洋に出る潜水艦は波に強く、それなりの速力を要求された。だからこそ船のような形のまま、設計されているんだ。

2015-02-27 15:56:17
ローラント提督 @r18_jager

しかし船の形を保ったまま、水中に潜るとあらゆる部分に水の抵抗が掛かる。これがどれだけ電気モーターが頑張っても速度を出せない大きな要因となるんだ。 現代の潜水艦は水中に居ることが多いのでなるべく水の抵抗を減らす形になっている。葉巻型や水滴型といった感じだな。

2015-02-27 16:00:04
ローラント提督 @r18_jager

特に潜水艦の出っ張り、普通の船で言う艦橋部分は船員の乗り降り、海上航行中の見張り所、艦長の指揮スペースになっている。 水の抵抗を最も受ける部分だが、普通の船よりも目線が低いので遠くを見渡す為にもこれは必要なんだな。

2015-02-27 16:04:39
ローラント提督 @r18_jager

ちなみにこの海上航行中の見張りはめちゃくちゃ冷えるし水飛沫掛かるし、雨の日は傘すら差せないしでかなりキツい。ので一応特別手当が出ていたとかなんとか。あと必ずコートを着用していた。別の国ではダッフルコートの発祥ともなっている。

2015-02-27 16:08:34
ローラント提督 @r18_jager

そして写真の一番上の図の左側、艦首に注目してもらいたい。何やら日時計みたいな三角がある。これは「防潜網カッター」と呼ばれるものだ。 当時泊地への潜水艦の侵入を阻むには機雷を設置する、港周りを浅くする、防潜網を張るといった措置があった。 pic.twitter.com/2enTl32SJD

2015-02-27 16:12:41
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ローラント提督 @r18_jager

だが、港周りを浅くすると喫水の深い重巡や戦艦が寄港できないし、機雷を設置すると間違って味方が当たる危険性が有った。で、一番手軽なのが網を張って潜水艦を引っ掛けよう、というものだったんだな。 このカッターを装備していない艦は見事に引っかかり操艦ミスを起こして自沈もあったらしい。

2015-02-27 16:16:33
ローラント提督 @r18_jager

また、潜水艦には普通の舵だけでなく「潜航舵」と呼ばれるものも装備されている。潜る時の角度を調節したりできるが…潜る装置も合わせると操作が複雑でな、操艦は3〜4人が常時配置されていたほどだ。 …っと、今回の講義はここまでにしよう。

2015-02-27 16:22:20
ローラント提督 @r18_jager

さて、あきつ丸が大発を多量に載せて遠征に出るそうだがここで豆知識だ。 「大発」というのは「大発動艇」の略称で、バリエーションタイプの「小発動艇」も存在する。 そして開発したのは現代にも残る自動車メーカー「ダイハツ」だ。

2015-03-01 00:01:57
ローラント提督 @r18_jager

実は今日までに残る自動車メーカーは大抵戦争に関わっている。「三菱」は航空機で有名だが「カワサキ」は瑞鶴の建造に関わっていた。 世界的に見てもこれはあるあるでな、我がドイツの「BMW」「ポルシェ」などもドイツ陸軍の戦車や航空機にエンジンを供給していたんだ。

2015-03-01 00:05:52
ローラント提督 @r18_jager

今夜は我がドイツ海軍の潜水艦勤務について話そうか。 U-boatは通商破壊で有名だがその実、基本はパトロール任務がメインでな。大体は該当海域を24時間ほど監視し、待ち伏せを行う。輸送船や敵艦を発見したら本部へと通報し、戦闘したり触接を続けたりするわけだが…

2015-03-01 23:26:08
ローラント提督 @r18_jager

…実は該当海域に向かうまでが非常に時間が掛かる。潜水艦は水上航行でも大した速力を得られんし全速なんぞ出したら燃料が足らなくなるからな。 結局、該当海域に到着するのに一週間強、帰りにも同じ時間が掛かる。行って帰ってくれば一ヶ月経ってた、何てこともよくある。

2015-03-01 23:30:35
ローラント提督 @r18_jager

ま、その分帰還後はU-boatの整備ついでに休暇を貰える。勤務時間に合わせて与えられるが…大体は3週間ほどだな。 そして休暇が済めばまた潜水艦勤務に戻る、というのが潜水艦乗りの日常なんだ。

2015-03-01 23:34:55
ローラント提督 @r18_jager

あと潜水艦は割と小さい。 40m級で20人乗り、外洋に出られる70m級で40人乗り、という感じだ。 …そんなサイズ感だから40m級では艦長室は名ばかりの狭苦しい空間だけだったり、70m級になっても寝台特急のような空間のみだったりする。 …つまり。プライベートなんぞない

2015-03-01 23:40:21