【改憲・護憲派いろいろあるとは思いますが】そもそも憲法ってなんのためにあるのか by岡田憲治さん

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岡田憲治@『政治学者、PTA会長になる』(毎日新聞出版)発売中 @ganaha22

憲法改正を公言する与党の法務大臣の唖然とするレベルの低さ。今日の自民党の本質は、確信犯的暴挙と官邸の党内恐怖支配よりむしろ、実はまともに政治を行う基本的教養がない者たちの集まりではないのか?昔なら、全紙一面で報ずるようなひどい答弁だ。lite.blogos.com/article/108336/

2015-03-21 09:46:48
岡田憲治@『政治学者、PTA会長になる』(毎日新聞出版)発売中 @ganaha22

承前:驚くべき答弁。 山尾議員「国家像を示す、というのは憲法の意義に含まれると思いますか?」 上川陽子大臣「憲法は所管ではないので、お話しできません」 山尾議員「(絶句!)法務大臣に法務委員会で、憲法観を聞けなかったら、どこで聞けるんでしょうか!?」 上川陽子大臣「分かりません」

2015-03-21 09:49:02
岡田憲治@『政治学者、PTA会長になる』(毎日新聞出版)発売中 @ganaha22

憲法は「国家像を表すもの」と漠然と思っている皆さんが相当いますが、そうではありません。憲法は「ここに書いてあること以外は政府はやってはいけません」という「統治行為の幅」を表すものです。だからここには「国民の義務」とか曖昧な「国柄」などは本来書くものではありません。立憲主義のキモ。

2015-03-21 09:54:18
岡田憲治@『政治学者、PTA会長になる』(毎日新聞出版)発売中 @ganaha22

承前:ですから憲法に「国柄」とか「国家像」などを書き込んだら、その意味で「ああ、そういうこと平気で憲法に書いちゃう残念な国なんだな」と思われ、その意味では憲法は「国家像」がにじみ出てしまうものです。「にじみ出る」ということと、「わざわざトンチンなことを書く」は別です。

2015-03-21 10:31:23
岡田憲治@『政治学者、PTA会長になる』(毎日新聞出版)発売中 @ganaha22

「憲法が何のためにあるのか」がきちんと伝わっていない中で、18歳以上の人が国民投票できるようになります。改憲の是非を判断をする前に、「絶対に押さえておかねばならないこと」を確認することが大切です。FBにアカウントがある方はこちらまで。 on.fb.me/19aeWEa

2015-03-21 10:38:04
岡田憲治@『政治学者、PTA会長になる』(毎日新聞出版)発売中 @ganaha22

承前2:憲法は、自分たちの国の政府が暴走しないための「鉄のお約束」という面と、「我々は近代国家の基本文化を共有する国で、トンチンカンな国ではないですよ」という対外的メッセージ機能を果たすものという両面があります。だから自分たちのたたずまいを英語で表現できねばなりません。

2015-03-21 10:52:47
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承前3:だから自民党のトンチン憲法案を推す人たちに聞きたいわけです。「国柄」という言葉をどう英語表現でするのですか?"national identity" では何も伝わらないし、片山さつき議員のように「天賦人権などというものではない」などと表現すると、どう思われますか?世界から。

2015-03-21 10:55:56
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承前4:「日本の憲法なんだから日本語で」であるとか、「アメリカからの押し付け憲法だから」という人たちは、この憲法が持つ「自分たちのたたずまいを外部に発信する」という機能を忘却しています。日本語で書かれることが必要です。でも、憲法は「郷土の土産」ではなく「世界の共有財産」なのです。

2015-03-21 10:58:26
岡田憲治@『政治学者、PTA会長になる』(毎日新聞出版)発売中 @ganaha22

承前5:近代立憲主義をきちんと表現した憲法を持つことで、「我々は世界史が経験した貴重な教訓と、戦争を可能な限り起こさないための共有価値を皆さんとともに大切にしていますよ」ということを表現することになります。暴力と暴君・身分支配を続ける隣国の憲法のように取り扱われていいのですか?

2015-03-21 11:02:00
岡田憲治@『政治学者、PTA会長になる』(毎日新聞出版)発売中 @ganaha22

承前6:憲法論議と言うと、右側は「押し付けられた自虐憲法だ」と脱力するようなことを言う。左側は議論するということすら「戦争への道です!」とこれまた脱力。憲法を変えるならその目的は「立憲主義をより実効的にするため」、「これ以上憲法の規範力が失われないために」の二つしかありません。

2015-03-21 11:37:46
岡田憲治@『政治学者、PTA会長になる』(毎日新聞出版)発売中 @ganaha22

承前7:これをメディアは「改憲」vs「護憲」という、ハブ対マングースみたいな古い枠で延々扱うから全く健全なやりとりにならないわけです。失ってはいけないのは「日本人の誇り」でも「憲法9条という条文そのもの」でもありません。「そんなことは憲法がある以上できません」という規範力です。

2015-03-21 11:40:13
岡田憲治@『政治学者、PTA会長になる』(毎日新聞出版)発売中 @ganaha22

承前8:いくら立派な条文をそろえた憲法があろうと、それが輸入物であろうが国産であろうがなんであろうが、統治を担当する人々が「友人の間で何が憲法だ」とか「危機に及んで憲法云々じゃないだろう」と言い出したら、その時点で憲法は即死するのです。そこをどう維持するかという視点が不可欠です。

2015-03-21 11:43:26
岡田憲治@『政治学者、PTA会長になる』(毎日新聞出版)発売中 @ganaha22

承前9:百歩譲って「改憲で日本人の誇りを取り戻すのだ」というキャラクターの弱い主張を受け入れたとしても、その意味は「我々は自分たちの判断で、政府を縛り人権を守り世界の普遍価値を共有する憲法を作り、それを世界に宣言した」という意味であって、それができれば我々は胸を張れるのです。

2015-03-21 11:48:09
岡田憲治@『政治学者、PTA会長になる』(毎日新聞出版)発売中 @ganaha22

承前10:これまで私が言って来たことがこの社会の常識となっていないとするならば、それは戦後の憲法教育がポイントの置き所を誤った、つまり護憲を叫びつつ、実のところ多くの憲法学者が「まず国家ありき」という統治制度のデザインという視線しか持っていなかったということだと思います。

2015-03-21 11:54:47