【平井有太『福島―未来を切り拓く』②】

島薗進 @Shimazono

１【平井有太『福島―未来を切り拓く』②】　webneo.org/archives/29841　第3章「福島、市民の声」から紹介します。阿部泰宏氏（51歳、福島市出身・在住、映画館「フォーラム福島」支配人）2014年8月のインタビュー記録。映画館の仕事につく経緯から、話が始まっている。

島薗進 @Shimazono

２【平井有太『福島―未来を…』②】「当初は偏狭な映画ファン、映画狂の感覚が自分にあったが、価値観の押し付けでなく、相手の価値観を知った上で、お互いにないものを補い合うことの大切さに気付いた。映画は人と会うための媒介物。南相馬の詩人、若松丈太郎さんの言葉で「アジール」＝「避難所」」

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３【平井有太『福島―未来を切り拓く』②】東京で単独ロードショーが成り立つのに驚いたが、フォーラム福島ではそれが実現しているのを知り、数日後に社長に会って、「よかったら手伝わせてください」と「言ってしまった」。「東京は生涯暮らせる場所でない。巨大マーケットに飲み込まれる感じ」

島薗進 @Shimazono

４【平井有太『福島―未来を切り拓く』②】東京から福島をみて、「地縁的な繋がりがなければ難しい町」という感覚。東京でふと福島を思っても、帰りたいと思わなかった」「たまたま帰省して、フィーラムに出会う」。以下、原発事故後の話。「「中通りは経済圏であり行政権という意識。」

島薗進 @Shimazono

５【平井有太『福島―未来を切り拓く』②】「今まで自分の街を知ろうともしなかった」「若松丈太郎さん曰く、「なぜ我々は『東北人』と自分たちを蔑むのか」。自立心なく、最初から飼いならされている。困ると中央に頼む。福島市そのものが汚染され、コミュニティとして成りたたなくなりそうになって」

島薗進 @Shimazono

６【平井有太『福島―未来を切り拓く』②】「初めて福島が愛おしく思えた」「原発事故を受け、都市生活者は「大丈夫」と思いたかった。名古屋では1割しか動かないおちうデータが出てる。福島から動いたのも1割。一番矢面に立たされたのが第1次産業と子どもを持つ母。富裕層、為政者は」

島薗進 @Shimazono

７【平井有太『福島―未来を切り拓く』②】「「ここにいていい」という論説に依拠して、切実な話として捉えない。たぶん、世界中のどこの街でもそうなっていた。この期に及んで、最終的に数字。3年経って避難者、自主避難、仮設に何人という数字ばかり。違う方向での問い直し、これからこそ必要。」

島薗進 @Shimazono

８【平井有太『福島―未来を切り拓く』②】阿部泰宏「不文律のように、「そこにいなきゃいけない」と言われるのは違う。被災者に判断が委ねられる原発事故の性格」「表面上は「復興」、「絆」でも、根っこで冷めてる人たくさんいる。なぜそこでストレスを感じるか、それを掘り下げる3年目。」

島薗進 @Shimazono

９【平井有太『福島―未来を切り拓く』②】「そこは声を出して言うのに、勇気必要な部分。自主避難する時、生前の小津安二郎監督の言葉が浮かんだ。「どうでもいいことは流行に従う。重要なことは道徳に従う。芸術のことは自分に従う」。中央に電力を供給してきた矜持、プライドがこの現状に繋がる。」

島薗進 @Shimazono

１０【平井有太『福島―未来を切り拓く』②】「「やってられない」と、福島を捨てる考え方もある。お互いの違う判断、選択しをもっと建設的に認め合う動きを、福島は今後作っていかないといけない」「本当は市民に作品を持ってきて欲しい。「これでやりたい」ということを聞きたい。」

島薗進 @Shimazono

１１【平井有太『福島―未来を切り拓く』②】「文化は与えられるものではなく、力づくでむしりとってくるものだから」。以上、福島で暮らしながらの記録　webneo.org/archives/29841　の一部、紹介終り。同書の紹介①は→togetter.com/li/799243