【2015.3 春のルーマン祭り】この本を俺が語ろう

あまり売れそうにない厚くて高い本を大量に集めて2015年3月から開催している紀伊國屋書店のブックフェア  ■じんぶんや 社会のブックガイド──ルーマンからはじめる書棚散策  http://socio-logic.jp/events/201504_bookfair.php にエントリーされている本を それぞれの筋の識者が紹介するシリーズ(予定)です。
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ショーン『省察的実践とは何か―プロフェッショナルの行為と思考』について

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4902455110/?tag=datum-22

澤田 稔 @MinoruSawada

そういえば、社会のブックガイド「社会の教育」編で入っててもいいかもというのが1冊あった。しかし、これは教育書ではないか。ドナルド・A. ショーン『省察的実践とは何か―プロフェッショナルの行為と思考』。#kinoLu

2015-04-08 20:47:28
澤田 稔 @MinoruSawada

ルーマンからはじめる書棚散策で「そこでEMですよ」という局面があるなら、この本は結構面白いと思う。EM者が暇なら、個人的に一緒に読んでほしいくらいの本。EMとは違うけど、実践がどう構成されているかを実践から学ぶという点ではドンピシャではないかと。#kinoLu

2015-04-08 20:54:40
澤田 稔 @MinoruSawada

教育さんの間では「(技術的熟達者に対する)反省的実践家」という理念型みたいなものだけが一人歩きした感があるけど、この本の面白さや真髄は、様々な実践の具体的な記述(ここで佐藤 学/秋田 喜代美による抄訳では十分に読めない)にあると思う。#kinoLu

2015-04-08 20:58:35
澤田 稔 @MinoruSawada

と記念カキコしたら、いつの間にか品切れとるやないか。まだ値段釣りあがってないから、今のうちに購入されたし!面白いよ、この本。 ow.ly/LkXy3

2015-04-08 21:00:49
澤田 稔 @MinoruSawada

念のため補足。この本は、教師とはどうあるべきかとかについて、なんか答めいた、理念型みたいなのを欲しがる人にはあまり向かないと思います。「(技術的熟達者に対する)反省的実践家」なんて図式だけでは面白くないという人向き。

2015-04-08 21:17:08

ラインハルト・コゼレック『批判と危機』

ドイツの歴史学者。オットー・ブルンナー、ヴェルナー・コンツェたちと編纂した『歴史的基礎概念』辞典はルーマンにも大きな影響を与えた。

■『概念史辞典』「序論」私訳
http://d.hatena.ne.jp/geistesarmut/20140120/1390223639
■「〈経験の空間〉と〈期待の地平〉 二つの歴史学的カテゴリー」私訳
http://cogito-hermeneutique.hatenablog.com/entry/2014/01/27/162322

モンタニャールおじさん @Jakobiner_Geist

当初の予定を変えて『基本権』とポーコックとヴィーアッカーを購入。

2015-03-28 14:02:36
モンタニャールおじさん @Jakobiner_Geist

ドイツの概念史系研究の詳細を邦語文献で知ることはまだ難しいという風に「社会のブックガイド」にはありましたけど、一応リーデルの『市民社会の概念史』とかありますよね(小声)

2015-03-29 00:21:47
モンタニャールおじさん @Jakobiner_Geist

しかしもはやアマゾンに出てこない。

2015-03-29 00:26:33
モンタニャールおじさん @Jakobiner_Geist

ドイツの概念史プロジェクトの成果を系統立てて知るためには、『近代法の形成』と『ドイツ市民法史』が最良の文献のように思われる。また『批判と危機』を承けての啓蒙主義研究としては、『文士と官僚』。

2015-03-29 00:33:19
モンタニャールおじさん @Jakobiner_Geist

『批判と危機』で出てくるフリーメーソン・イルミナティの事例については、参照指示は無いものの、フュレの『フランス革命を考える』は同じ対象について結構似たようなことを言っているので比較する価値があるように思われる。

2015-03-29 00:35:13
モンタニャールおじさん @Jakobiner_Geist

フュレの『フランス革命を考える』では、革命は絶対主義と矛盾するのではなくかえってこれを完成させたというトクヴィル・テーゼを一面で肯定しつつ、しかしそれでも政治文化のレベルで変化があったと主張するためにメーソンの話が登場する。

2015-03-29 00:36:56
モンタニャールおじさん @Jakobiner_Geist

メーソンの会則上の全員平等が革命の政治文化のモデルになっているというフュレの指摘は、「私」の領域で密かに絶対主義を無化する論理構成をメーソン(および『エルンストとファルク』)が練り上げていたというコゼレックの指摘と重なるように思われる。

2015-03-29 00:40:19
モンタニャールおじさん @Jakobiner_Geist

あと『批判と危機』が参照されるとき、しばしば「批判」で展開される話(絶対主義が良心を私的領域に放逐したことによって、逆に私的領域から政治的領域を「批判」する論理が登場する)がよく言及されるわけだが、

2015-03-29 00:42:58
モンタニャールおじさん @Jakobiner_Geist

こういう実践を「市民的世界の病因論」というサブタイをつけて研究することの意図を知るには、後半の「危機」の話のほうが面白い。端的に言ってしまえば、危機を歴史の必然的過程と見なす考え(歴史哲学)が、冷戦という世界内戦の遠因だ、という話。

2015-03-29 00:46:51
モンタニャールおじさん @Jakobiner_Geist

こういう話をシュミットの『独裁』とかを使って展開するせいで、ハーバーマス先生から(私からすれば不当な)批判を食らうというのも、学者社会の面白さを伝えてくれる。

2015-03-29 00:48:49
モンタニャールおじさん @Jakobiner_Geist

というわけで『批判と危機』は極めて面白い。

2015-03-29 00:55:55
モンタニャールおじさん @Jakobiner_Geist

リーデルの『市民社会の概念史』は図書館で借りるしかもはや閲覧手段がないのではあるまいかと思うと、「支配と社会」が収録されている『伝統社会と近代国家』の価値がますます高まりますね。

2015-03-29 01:26:44
モンタニャールおじさん @Jakobiner_Geist

『伝統社会と近代国家』にはコゼレックの「プロイセンにおける国家と社会」も収録されているけど、訳者解説によるとPreußen zwischen Reform und Revolutionの要約とも見なせる内容らしいので、あのクソ分厚い原著を通読しなくても済むという利点があります。

2015-03-29 01:30:55

ローマン・インガルデン『文学的芸術作品』

http://amazon.jp/dp/4326800208?tag=datum-22
現象学者。フッサールの弟子。

師との書簡が邦訳されている。
http://amazon.jp/dp/B000J7PF18?tag=datum-22
音楽についても書いている(『音楽作品とその同一性の問題』)。
http://amazon.jp/dp/4873543142?tag=datum-22
最近では分析哲学方面でも注目を集めている模様。
http://amazon.jp/dp/4788513668?tag=datum-22

縮限 @contractio

「社会のブックガイド」、芸術の項目に、私のリクエストでインガルデンを入れてもらったせいでちょっとそこだけ不恰好なことになってるかも。

2015-03-23 13:34:42