南米先史社会「シカン」の発展と衰退の謎を解明したい。考古学者松本剛さんによるクラウドファンディングとその解説。
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アカデミストでのファンディングはこちら。
以下、松本剛さんによる解説です。
研究費獲得のためにクラウドファンディングに挑戦することになりました。本日より60日間、インターネットを通じて不特定多数の方々からのご支援を募ります。ここで得た研究資金をもとに、この夏にペルーで小規模の発掘をしたいと考えています。 ln.is/academist-cf.c…
2015-03-11 23:52:44考古学プロジェクトとしては初挑戦になるそうですが、僕が強調したいのは、高額支援者の方には発掘そのものにも参加いただけるオプションをご用意している点です。/ Academist: 南米先史社会「シカン」の発展と衰退の謎を解明したい ln.is/academist-cf.c…
2015-03-12 00:12:02見ず知らずの人に研究を助けてもらうのはこれが初めてではありません。僕は、博士論文のための遺物分析を、日本から駆けつけてくれたボランティアの人たちに助けてもらいました。助けを得るのにはツィッターを使いました。だから信じているんです。こういう形での資金獲得だって成り立つはずだ、と。
2015-03-12 08:32:54Facebookで友人たちにアカデミストへのリンクをシェアしてもらっているのだけれど、シェアと同時に書いてくれる一言がとても胸にしみます。とりあえずそれだけで挑戦して良かったなと思います。南米先史社会シカンの発展と衰退の謎を解明したいln.is/academist-cf.c…
2015-03-12 08:42:37おそらく興味はあっても、「五週間も仕事を休めないよー!」という方が多いかと思われます。全期間でなくとも、可能な期間だけのご参加でももちろん構いません。/ この夏に予定している、南米ペルーでの発掘調査に参加してみませんか。詳しくは → ln.is/academist-cf.c…
2015-03-16 11:28:51αシノドス168号 ★ラテンアメリカ 網野徹哉「インカとスペイン」森口舞「ベネズエラ政治危機の背景」水口良樹「ラテン音楽の魅力」高橋百合子「貧困削減と民主主義のジレンマ」松本剛「『シカン』の繁栄と衰退の謎」synodos.jp/a-synodos
2015-03-16 15:15:29『新しいはじまりに向けて: 2008年発掘シーズンより』(dropbox.com/s/ni5tjkwdnmtc…)2009年に日本を巡回した『黄金の都 シカン展』のカタログに寄稿。発掘調査中の現地での様子について書いたものです。発掘参加に興味を持ってもらえることを期待してシェアします。
2015-03-17 03:38:54今回のことで、大学生の時に「留学したいので支援してください」と親戚めぐりをしたのを思い出しました。学部での専攻とは違う、しかも考古学などという一銭にもならない学問を、しかも海外でやろうとする僕に誰も興味を示さず、いや支援どころかむしろひとつふたつ小言を言われて帰って来ました。
2015-03-19 00:04:49ところが今はこんなにもたくさんの方々に応援してもらえるようになった。本当に心から嬉しく思います。
2015-03-19 00:05:04パブリック考古学とは。
考古学の一分野に「パブリック考古学」というのがありまして、これは考古学者たちが調査によって明らかにした発見や、その解釈を含めた関連情報を様々な媒体を通じて世間一般に広く広めることによって、人々の関心を集めるだけでなく、文化財に対する意識を高めていくことを目的とするものです。
2015-03-19 09:29:38ちなみにパブリック考古学はアメリカでの呼称で、英国ではコミュニティ考古学と呼ばれているそうです。
2015-03-19 09:30:43このパブリック考古学、僕の単なる不勉強だったらいいんですが、これを専門にしている人って発掘をしない人が多いような気がしていて、正直「なんかうさんくせーなー」と思っていました。
2015-03-19 09:33:52だって、実際に発掘をするから分かることを研究の題材としているのに、「掘らないでどうするの?」と思っていたのです。もっと言えば、第一線で活躍し、研究史を塗り替えるような大きな発見をしているような人こそが関わるべき分野なのではないかと感じていたのです。
2015-03-19 09:37:10僕はまだまだ駆け出しで、あまり多くを語れるような研究者ではないんですが、将来的には偉大な考古学者になってそれを一般に還元していきたいと考えていましたし、今もそう思っています。
2015-03-19 09:39:07多くは語れないにしても、世間一般に対して対話を求めていく姿勢はとても重要だと思っていて、これまでにもそういう活動に時間を費やしてきました。
2015-03-19 09:42:43たとえばワシントンDCにいた頃は娘の学校で小学生を相手に「考古学ってなんだろう?」みたいなテーマでお話したり、アマチュア考古学者が集う研究会で自分の研究内容についてお話したり。日本への一時帰国時には、上野の国立科学博物館で講演をさせていただいたこともありました。
2015-03-19 09:44:53アメリカ国立科学財団のようなところから、税金の一部を研究費として頂いて、発掘やら分析をさせてもらっているのだから当然だろうと思います。
2015-03-19 09:52:34ところが、人前に出て話してみて思ったことは、一般の人々は考古学者が面白いと思うようなこと(大抵はチマチマした小さなこと)は結構どうでも良くて、もっとロマンを感じられるような壮大なストーリーなのかもなということでした。それでパブリック考古学への情熱が萎えてしまった時期がありました。
2015-03-19 10:17:39先日見たエジプト学者の河江肖剰さんのTEDトークを見たときも同じような感想を持ちました。考古学の面白さは探偵が物証を一つ一つ積み重ねて「真実」へと迫っていく過程にあるのに、現場の観客が一番湧いたのは彼が見せた精巧な3D映像でした。ln.is/www.youtube.co…
2015-03-19 10:28:14どうしたら考古学を考古学者が面白いと思えるような形で世間一般の方々にも楽しんでいただけるだろうか。いろいろ考えました。そして最近になってようやくひとつ答えが見つかり、萎えてしまっていたパブリック考古学への気持ちが少しずつ盛り返してきました。
2015-03-19 10:30:10出た答えは単純なものでした。実際に現地に来てもらって、「どのような目的でどこを掘り、何が見つかって、それを詳しく分析したらこういうことが分かったので、こういう解釈になった」という一連の作業を間近で見てもらえれば、僕らと近い視点で考古学を見てもらえるのではないかと思ったのです。
2015-03-19 10:31:08