題名:ノーゲーム・ノーライフキング 説明: 節は数字で区切る。 シーン毎に節カウントはリセットする。 シーンはシーン名で区切る。 話は題名:終で区切る。 セリフは「」で囲む。(4/1)
2015-04-01 10:21:55シーン:ゲームマスターの回想 「(ようやく、資金のめどがたった・・・・・・!!)」 これで、心置きなくゲーム三昧の日々が送れる。 アキヨシは、自室にある大型端末の前で歓喜した。 01(4/1)
2015-04-01 10:22:11アキヨシは、いわゆる廃人ゲーマーだった。 廃人ゲーマーといっても、もちろん。リアルの生活だってある。 彼は、品質管理担当者・・・・・・つまり、デバッガーだ。 評価項目を作成し、品質チェックを行い、報告を提出する。 02(4/1)
2015-04-01 10:22:22だが、そんなくだらない生活ともおさらばだ。 彼はついに、念願の「自分のためだけのオンラインゲーム」を手に入れることに成功した。 そう。それは「サービス終了予定だったオンラインゲームを買い取る」ということだ。 03(4/1)
2015-04-01 10:22:33アキヨシは、既にその日に備えて。 大規模なアップデートパッチを外注に依頼していた。 そして、ついにそれが実行される日がきた。 彼の退職記念日である。 04(4/1)
2015-04-01 10:22:44シーン:平和な日常 いつものように《冒険者の宿》へログインする。 オートボットにより不在プレイをしていたアバターは、PLの帰還をフラグに 《冒険者の宿》へ強制転送される。 「不在者通知、メッセージ0件。獲得資金、4274Ḡ、7893EXP、獲得品は・・・・・・」 01(4/1)
2015-04-01 10:23:02アキヨシ、いや。彼は今は「ジークフリート」としてアバターと同期化している。 ジークは、残りの不在者通知メッセージを流し読みすると、そのウィンドウを閉じた。 そして、ゲームマスター専用メニューを開く。 02(4/1)
2015-04-01 10:23:10「・・・・・・チート行為とBAN対象者はこのくらいか。まぁ、許容ラインだな。」 彼はゲーム参加者であると同時に、このゲームのオーナーでもある。 だが、彼はゲームの運営そのものには興味はなかった。 ゲームが存続できる状態であれば、それ以上を望むつもりはないからだ。 03(4/1)
2015-04-01 10:23:21ジークはそのままクエストメニューを開き、 クエスト一覧から絞り込みを行う。 条件は「同一サーバ内、Lv40以下、協力プレイ、特殊クエストを除く」だ。 ジークは参加中のパーティー一覧から、パーティーコメントやLvなどを見ながら ターゲットを探す。 04(4/1)
2015-04-01 10:23:30彼が探していたのは、いわゆる初心者または中級者のソロプレイヤーだ。 彼自身も特定のギルドに所属しないソロプレイヤーではあるのだが。 彼が探していたのは「パーティーメンバー」ではなく、 辻ヒールのターゲット、なのである。 05(4/1)
2015-04-01 10:23:39彼は、生粋の辻ヒーラーであり辻バッファーなのだ。 彼は、辻ヒールという行為に至福の満足感を得ている。 「誰にも褒められなくても、誰にも感謝されなくてもいい。」 「ただ、誰かの役に立てる。」 その行いに「優しさ」と「自己満足」を見出しているのだ。 06(4/1)
2015-04-01 10:23:48「最初のお相手は、リディア・・・・・・Lv24、初心者か。」 「ま、ハズレ(サブ垢)かもしれないけど。そのときはそのとき、か。」 さっそく、対象のクエストへエントリーし。 クエストエリアへの転送待機に入る。 07(4/1)
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