T-72ベースの試作地雷処理戦車UR-88が非常に素敵。見た目もアレだけど機能はもっとアレ。左右のボールマウントが揮発性燃料の噴射装置で、その上の擲弾発射機で燃料雲に爆薬投げて燃料気化爆弾めいて爆発させるんだと。なんかもうお腹いっぱい pic.twitter.com/xp9EGJSdPu
2015-04-09 18:03:04地雷原処理にちょっと変わった爆発物を使おうって話は結構昔からあるにはあるんですが、流石にUR-88みたいに生で吹いたりはちょっと聞いたことが無かったです
2015-04-09 18:10:55妙な爆発物を使う地雷処理車と言えばコンガー(アナゴの意)。これは直径2インチ、長さ330ヤードの消防用ホースをロケットで飛ばして、その中に圧縮空気で液体ニトログリセリンを圧送、爆薬を充填して起爆するもの。導爆索の先祖みたいなもんです pic.twitter.com/JWp09BpYMC
2015-04-09 18:16:09液体ニトログリセリンってだけでもう嫌なフラグが立ってますが、実際にその予想通りの事が起きたようです。それだけでなく地雷処理能力にも問題があったらしく、結局コンガーはお蔵入りに
2015-04-09 18:19:32なんとまあ……コンガーは現存してるんですね。見てのようにベースはユニバーサルキャリアですが、搭載スペース確保のためエンジンその他装置は全て取り外されていて、軽装甲が施されたトレーラーになってます。これをチャーチルAVREで牽引 pic.twitter.com/apJROJKh4D
2015-04-09 18:27:14コンガーとほぼ同様なものは米軍でも試してたらしく、これはドラゴンと呼ばれたようです。ロケットで射出してニトログリセリンを圧送するのは同様。あとホース径が3インチに拡大されてて、処理能力は索から15フィートの範囲であると
2015-04-09 19:04:05コンガーがトレーラー式であったのに対し、ドラゴンは専用に戦車を改造したようです。シャーマン車台のドラゴンM2は4500ポンドの液体爆薬を搭載。つまり乗員は2トンのニトログリセリンと同居する事になる訳で……地雷処理能力は悪くなかったものの、安全問題の懸念は払拭できなかったようです
2015-04-09 19:09:25コンガーやドラゴン以外に、米軍はもうちょっと大人しい物も試していた様子。これは巨大なソーセージめいて1フィートあたり4ポンドの炸薬がついたもの。この索をロケットで発射するわけで、つまりは普通の導爆索です。この案は割合うまく行ったらしく、終戦時には実戦配備可能な状態であったとか
2015-04-09 19:20:36導爆索と言えば日本でもチハ車台のGS車ってのを研究してて、これは爆薬充填済の索をロケットで射出する。英軍とほぼ同時期に(毛色はちょっと違うけど)似たようなものが出てきてる訳ですが、これは何か両者の元になるアイデアがあったのかしら? それとも収斂進化めいて独自に発生?
2015-04-09 18:35:04しかし、日本のGS車の誘爆索は外径10mm、長さ100mで重さ3kgと割と軽いものであるのに対し、連合軍の爆索類はコンガーで直径2インチ、ドラゴンが3インチ、M1導爆索で3.5インチもあって、どうも全然炸薬量が違う風ではあります
2015-04-09 19:25:14GS車の誘爆索の有効範囲は索から1.5mであるのに対しドラゴンではほぼ4.5mですから、すくなくとも要求される地雷原処理幅が全然違ったようではあります。想定している地雷の種類とか埋設深さとかも多分違うでしょうし、一概に良し悪しを言える物でもなさそうです
2015-04-09 19:28:41そもGS車は誘爆索以外に破壊筒(つまりバンガロールのようなもの)も持っていた訳ですから、誘爆索はその補助に過ぎなかったんではないかとも思います。その点で、それ一本で切り拓くつもりのコンガーやドラゴンとは少しだけ立ち位置が違うと言えるかもで
2015-04-09 19:31:27しかして、大戦期米軍の地雷処理戦車へのやたらな熱心さは何なんでしょうね。シャーマンのバリエーションのうち相当割合が地雷処理戦車なんじゃないかしら
2015-04-09 19:38:13爆薬投射式の地雷処理装置と言えば、大戦期の赤軍では、戦車の駆動輪から動力をもらってバネ圧縮・炸薬投射・次弾装填を繰り返す、地獄から来た播種トラクターみたいな装置のアイデアが出ていたようではあります。処理用炸薬の代わりに手榴弾装填して追撃戦に使おうぜとか、さらに地獄めいたアイデアも
2015-04-09 19:58:31はて、独軍では炸薬を投げるタイプの地雷処理装置ってのは検討されて無かったんでしょうか? 彼らの地雷処理車両というとミーネンロイマーばかりが有名ですけども、はてさて
2015-04-09 20:04:12日米英ソと皆が爆薬投げて地雷処理することを考えてるのに、ドイツだけこのアイデアが無いって事もなさそうな気はするのだけども……
2015-04-09 21:53:06米軍の爆薬投げる系地雷処理戦車としてはドラゴンやロケット導爆索以外に、榴弾を使ったものも試されていたようで。T12地雷爆破車はそのうちの一種で、ロケットではなくヘッジホッグめいた25連装スピゴット砲を装備する、と pic.twitter.com/L4vHciFs5l
2015-04-10 20:06:16やたらにトゲトゲした感じでちょっと名状し難い風なところがありますが、これはスピゴット榴弾の頭部に着発させるための延長ロッドがついている故。普通の榴弾だと着弾時に地面を少なからず掘り返しちゃうので、地雷処理出来たにしてもクレータだらけになって通路として役に立たなくなってしまうんだと
2015-04-10 20:10:32上部の25連装(または23)のスピゴット砲は+-10度まで安定化することができて、多少は地形の凹凸があっても大丈夫。これは45~80度に配置されていて、幅20ft・長さ250ftの通路を地雷原に拓くことができる、と pic.twitter.com/aizd1wQPLz
2015-04-10 20:15:06上部の発射機のほかに前方にも5連装のがあるけど、これは地雷処理用ではなくて障害物除去用で、0~45度までの仰俯が可能。地雷処理だけでなく工兵戦車めいた所もなくもない感じ
2015-04-10 20:17:06榴弾系の地雷処理装備だと、T59多連装ロケット発射機てのもある。こいつは10.75インチ(273mm)ロケット弾を18連装に搭載したトレーラーで、1発あたり半径20ftの地雷を処理。全弾で長さ310ftくらいの通路を拓ける pic.twitter.com/mz5Ap1oMfK
2015-04-10 20:23:17T59の面白いところは、写真でもわかるようにロケットの仰角が45度固定であること。これは発射方式と関係してて、全弾斉射ではなく、トレーラに備えられた機構により15フィート走る毎に1発ずつロケットを自動発射していくため。ゆっくり走りながらロケットを定期的に撃って長い通路を拓いて行く
2015-04-10 20:26:14走りながら発射となると、地面の凹凸とかで発射機がちょっと傾いただけでロケットが明後日の方向に飛んで行っちゃいそうなもの。でもそこはちゃんと考えられていて、発射機が15度までの横傾斜を自動的に安定化してくれるんだとか
2015-04-10 20:29:35あとトレーラー式のこの手の装備が常にそうであるように、T59も緊急時にはトレーラーを投棄することができます。そもトレーラーは戦車の影になっていて若干被弾率は低いでしょうし、その点でも頭上に爆薬活花してるT12よりはマシだったのかも
2015-04-10 20:31:06