新卒くん、webを作る

よんてんごP @yontengoP

新卒くんが自己紹介の中で「元々はwebデザインをバイトでやってて～」と話していたので、「どんなことしてたのー？」って聞いたら 「まあ…友人からの紹介で『web作れる？』って聞かれたんでハイ、って答えたらDBのチューニングまでやらされる話を押し付けられて…」 って死んだ目になった

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新卒くん、大学時代に意識の高さを発揮、友達に「webとか作りたかったっら俺を頼れよ」とアピール。ある時、友達の友達から仕事の紹介をもらう。 →てっきりブログ程度だろうと思ってアポ取ってファミレスで待ち合わせた所、待っていたのはヤクザだった。 ぼく「あっもうアカンやつや(笑顔」

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恐る恐る話を聞くと、ヤクザいわく「女の子のお店を経営してるんだけど、女の子の募集ページと店のページ、更には女の子のブログまで一括で管理するサイトが作りたい」とのこと。 （ﾌｧｯ!?商売サイトやないか！) と責任の重さにビビるも、若さ故の無鉄砲さで快諾。 ぼく「ﾌｧｰｰｰwww」

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一応ヤクザの方にも「web担当」のIT情強のスタッフはいるらしく(伏線) ソイツと協力してサイトを作ってくれ、とお願いされたらしい。期限は一ヶ月後。既に関係各所にも連絡しており、期限は伸ばせないとのこと」 ヤクザ「ま、とりあえず形になればイイから」 ぼく「あかんフラグしか無い」

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で、その新卒くんはサイト作成を始めて、とりあえず向こうの「web担当」がカンプ(サイトデザインの見本)を作って、それを元に新卒くんが実際のコーディングを作ることになったそうな。 問題その１。 「web担当」、納期が一ヶ月しか無いのにカンプを全然送ってこない。 ぼく「あるある」

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催促しまくるとようやく、HTML状態のwebページ見本が届くも、次の問題。 問題その２。 カンプに不足が多い 新卒くん「あれ、トップページから次のページに行く間に『確認画面』が必要じゃないですか？」 web担当「…あ、そっかぁ(無邪気)」 ぼく「あるあるある」

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更にその後、管理画面が一切作られていないことが判明。 結局全ての画面数、遷移、デザインが決まったのが、納期2週間前。 「絶対に間に合わないですよ！」とヤクザに伝えるも、 「いやでももう告知しちゃったもん」と一蹴。 困った新卒くん、大学の同級生を巻き込む。 ぼく「キミ最低やな」

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これにより、 ヤクザ→発注元 ヤクザの部下の「web担当」→一次請け 新卒くん→二次請け 新卒君の同級生→二次請けのパートナー企業 という美しい構図が生まれる。

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ちょっと急な仕事が入ったので一度消えます。 【予告】 ・web担当が実はweb担当じゃなかった話 ・新卒くんが新幹線の中で気絶した話 ・スキー場いったら電話が鳴ってリフトで障害対応した話 の3本です、お楽しみに

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で、こいつの続きからだ。 twitter.com/yontengoP/stat…

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【前回までのあらすじ】 弊社に入社してきた新卒くん、衝撃の過去！ 何と、新卒君は大学時代にヤクザの手先になっており、 あまつさえ自分の同級生をも巻き込んでいたのだった…！ 新卒くん「言い方に語弊があるんですけど」

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で、まぁ新卒くんは 無茶なスケジュールの中でそのヤクザに言われたシステムを作るため、 とりあえず大学の同級生を引き込んだわけですよ。 そして、開発が始まりました。 新卒くん「ここ、ニュースとかを表示、って書いてありますけど」 ヤクザ「あー、Yah◯◯っぽい感じでシクヨロ」

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世の常として、 「餅は餅屋」という言葉があるように、逆に言えば 「餅屋以外は餅のことなんか知らねえ」わけで、 後から後から無茶な要求が飛び出すわけだ。 ヤクザ「ココなんだけどさ、女の子向けだからもっとキラキラッとさせて」 新卒くん「きらきら…ですか？」

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で、ココで予告の一発目。 「実はweb担当はweb担当じゃなかった」爆弾が破裂する。 紹介の時には「web担当は、webデザイナーで、カンプ作成のほかJavaScriptも使えるよ」という触れ込みだったわけです。 ところがいざフタを開けると、絶賛勉強中であった、と。

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そこで、 ヤクザ「キラキラさせて」→新卒くん「だとするとそれはJavaScriptなんで、お宅のweb担の領分ですね」→ヤクザ「あっそっかぁ」 →後日、web担当から「やって下しあ＞＜」とメールがぶっ飛んでくる。 新卒くん「ﾌｧｯ！？？！？？！」

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新卒くんとしては「いやいやいや！お前がやれや！」と言いたいところですが、コイツに任せてポンコツJSを作られると最終的に納期が遅れるのは明白、そうなれば新卒くんがピンチです。 新卒くんは仕方なく、自分でJavaScriptをこさえるのでした。

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※なお、このweb担当は後に、真の意味でweb担当でも何でも無く、 実はそのヤクザが経営している女の子のお店のイチバイトくんで 「俺webとか出来るっすよ」といったせいで「じゃあお前やれ」と任命されたことが判明します。なお数ヶ月後には行方をくらます模様。

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その後もヤクザからの無茶な要求は続きます。 ヤ「これなんだけどさぁ、よく考えたらウチの女の子基本的にPCで見てねーんだよ、スマホで見てんだよ。だからスマホに対応して」 新「ﾌｧｯ」 ヤ「あとココに店のコたちのブログ載っけるんだけどSNSっぽくして」 新「ﾌｧｯ」

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この辺はもう僕なんかも聞いていて 「バッカじゃねえのか！！」と言う思いと 「あー…たしかに技術知らん人からしたらそうなるわなぁ」という思いが 入り混じって最終的には切ない顔（´・ω・`）になりました。

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新卒くんも今であればそれなりに顧客に「いやいやそれは難しいですよ」などと言えるでしょうが、当時は大学生、とりあえずクライアントの言うことは「ｱｯﾊｲ」「ｿｯｽﾈ」と対応してしまいます。

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結果的に、店のトップページに店の女の子専用のSNSが組み合わさり、更に客もそのSNSに参加できるサイトという大幅な要件変更に。 さてそうなると、お客様の情報をDBに格納するという作業が出てきます。 これが冒頭にお話した「DBチューニング」につながるわけです。

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当時は今のようにAWSとか便利なものはありませんから、何でも聞いた話だとその店のサーバ自体がge◯citiesとかの無料プランに載っかっていたとか。 当然容量が100MBしか無い所にDBサーバなんか積めるはずもなく、新卒くんはココに来て愕然とするわけです。

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で、まあこれ以上詳しく語ると身バレになるから辞めてくれと新卒くんが怒っているのでかいつまむと、あらゆる無茶と無理と無駄をないまぜにしつつも、何とかサイトは期限までに完成したそうな。 (途中、客を集めたいからスマホ用のアプリをオマケにくっつけろと言われた時はさすがに断ったらしい。)

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完成の日、新卒くんはこれまでの思い出―― 「このままじゃ絶対に完成しないから機能を削ってくれ」と言ったら「じゃあ会員退会機能とこのバナーを消して、代わりに派手なFLASHを載せてスピードを早くしろ」と言われて頭を抱えたりしたことを思い出し、 二度とこの案件に関わらんと誓ったそうな

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で、サイトが完成する頃には どっからか捕まえてきたIT系専門学校生2名が「運用スタッフ」という名目でヤクザの手下になっており、晴れてその新卒くんはお役御免となったわけでした。 ああよかった、と新卒くんは巻き込んだ同級生と２人、 少し早めの卒業旅行でスキーに出かけました(フラグ)。