まず、谷澤の立ち位置があそこなのはGKを前に出させないためです。森本の立ち位置があそこなのはニアでストーンになっているムルジャの前にノーマークの「フリー」の状態で入るためです。もし森本マークする敵がついてきたら、ムルジャを壁に使い、敵同士で「ぶつかるように」脇を抜けていきます。
2015-04-17 13:14:43ここから、森本が動かずに、谷澤がニアにフリーで入る方法もあります。この場合は、谷澤が相手DFとキーパーをブロックし2人居つかせ、森本が河本とムルジャをダブらせて、ニアに入ります。この時、ムルジャの存在意味を消すことに成功。また、1人で2人を引きつけ、さらに森本自身が触れる位置に。
2015-04-17 13:17:47また横谷の位置も最初の時点でほぼ意味はないので(意図としてはシュートを打たれた後のニアブロックぐらいでしょうか。)、森本と谷澤の2人だけで、相手5人の無効化に成功。また、この際に、ムルジャと河本というヘディンに強い二人を、センターから追い出しながら、無効化したのも効果的でした。
2015-04-17 13:20:16そう。これは、「スクリーン」プレーを狙っています。スクリーンプレーとは、相手選手の動きや進路を妨害(ブロック)し止めてしまうことで、味方の誰かをフリーにするための戦術行為です。あからさまにやると「オブストラクション」というファールになりますが、上手くやれば有効なプレーとなります。
2015-04-17 13:29:57じゃあ、誰をフリーにしようとしたか。それは、横山につかれている「ネイツ」です。どうぞご覧下さい。パウリーニョが、横山をブロックし、ネイツは見事に、マークを外せています。
2015-04-17 13:30:58谷澤と森本のプレーのお陰で、相手DFをボックスから外れたニアに引きつけながら封じ、ゴール前に釘付けにさせることに成功してますので、ボックス内のニア前にスペースができています。触ればゴールする可能性が高い位置に。ちょうど、ムルジャの後ろぐらいですかね。
2015-04-17 13:34:54でも。そこは大宮です。ちゃんと打つ手はあります。パウリーニョのマークの横谷と、大山がまだいます。埋める手はあります。ちなみに、大山は井出にマンツーマンでついてまして、この時は、横山と横谷が、パウリーニョとネイツによる「スクリーン」プレーのコンビ一発で、誰も掴んでいない状態。
2015-04-17 13:38:08井出は、そのスペースに入り込んでいってる。これだと、ネイツのスペースを「潰して」しまうように見えるんです。あれ?間違ったかな?と思った。でも、違う考えが浮かんだんです。
2015-04-17 13:39:32井出は大山を引き連れながら、横谷の前を取っていってるんですね。これが何を意味するか。あっ、これ、ネイツを「ブロック」しにいってるんだなと。ネイツを「守り」にいってる。ネイツがいて、その間に井出が入れば、敵DFは、ネイツの前に入れないわけです。だから、ネイツがフリーで打てるはずと。
2015-04-17 13:41:37そして、もう1つある。井出がニアに走っていったらどうなるか?ファーサイド、空きますよね。あっ、ファーには「キムヒョヌン」がいる!と。そう、ファーでキムはフリーになってます。キムのマークは菊池なんですけど、これ一瞬遅れてます。キムは菊池の視野の後ろから前に入っていってるので。
2015-04-17 13:43:50パウリーニョをご覧ください。さっき横山にスクリーンをかけにいきましたよね?その後。自分が、すぐにフリーになって、ボールを受けられる体勢を整えてます。これを、「ピック&ロール」とか、「ブロック&コンテニュー」って言います。続けるんです。プレーを。
2015-04-17 13:45:41森本、ネイツ、パウリーニョ、キム。ジェフでヘディングが強いこの4選手。コーナーキックを蹴る中村太亮から見て、全員が斜めのラインの延長戦上に入ってますよね。つまり、これ、ボールの軌道に対して、全部のラインに入ってるんです。ニアだろうが、中だろうが、ファーだろうが、どこでもOK。
2015-04-17 13:48:45で、この状態で選択するのは、キッカーの、中村太亮。中の状態を見て、判断し、蹴るところを自分の決断で決める。ボールの軌道を決める。
2015-04-17 13:49:24で、ここで選択されたのが、パウリーニョでした。パウリーニョは、追いすがる横山と遅れて対応した横谷を外して、見事にフリーでヘッドをすることに成功。
2015-04-17 13:50:28