エリュシオン小話まとめ

「恋と冒険のTRPG エリュシオン」で一緒に遊んでいただいた方々のPCをお借りして書かせて頂いたお話をまとめたもの。 登場人物:伊庭 宝(PLひさよしさん)、百目鬼 帝(PLふちさん)、ブレッド(PLエコーさん)、三上明音(PLアマミヤ)
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ブレッド君と明音の話

アマミヤ @tri710

@sousakuTL 「“ひとり”で大丈夫か?」宵闇の中、切れかけた電灯の下で問いかけたブレッドに明音は頬を緩める。「大丈夫、だってもう“ひとり”じゃないもの。そうでしょう、“先輩”?」「ああ、そうだったな。オレもお前も」もう、ひとりじゃないな。どこか感慨深げな声は宵闇に溶けた。

2015-03-10 22:21:05
アマミヤ @tri710

@sousakuTL どうしてこうなった感はあるけれども、ぽんと脳裏に浮かんだので。ひとりでなくなったふたりの話。明音とブレッド君はGMさんの仰られていたような感じ(夜の港の倉庫とかで爆発が起こったりする情報屋としてのあれこれ)で学校入学前のひとりの時に出会ってたら楽しいなと。

2015-03-10 22:21:39

宝君と帝君の話

アマミヤ @tri710

@sousakuTL 「物好きだな」思わずぼそりと呟けば、きょとりとした帝が顔を上げた。「宝先輩、なにを指して物好きだと?」焦げ付いた焼きそばを旨そうに頬張るブレッドや、がたついたプリンを笑顔で受け取る三上、それからそのオムライスを食べるお前が。一息で言い、溜息をつく。

2015-03-13 22:30:02
アマミヤ @tri710

@sousakuTL 「材料代と同じ金をだせば、それよりも良いものが食えるだろう」卵が破れかけたオムライスを指差せば、帝はスプーンを置く。「全く分かっていないな、宝先輩は!確かに金をかければ美味しいものは食べられるだろう。だが、私たちの望むものはそれではないのだ!」

2015-03-13 22:30:32
アマミヤ @tri710

@sousakuTL 胸を張って堂々と言い放つ姿に目を見張る。望むものとは何か。聞けばむず痒い言葉がきっと返って来るだろう。「やっぱり、物好きだな」苦し紛れに言い放った言葉に、帝は楽しげに笑う。「そう言って私たちに料理を作ってくれる宝先輩も、十分物好きじゃないか」(物好きの話)

2015-03-13 22:31:20
アマミヤ @tri710

@sousakuTL ぱっと思い浮かんだので、宝君と帝君で物好きなひとたちの話。私が話のネタを考えると7割型宝君がお料理している気がする。そして帝君のキラキラさがもっとこう、ある気がして(ぐぬぬ)

2015-03-13 22:31:26

日常の話

アマミヤ @tri710

@sousakuTL きちんとエプロンをつけて背景をキラキラさせながら追いオリーブしてる帝君と、そんなにオリーブオイルをかけてどうするんだという顔をして見る宝君と、知ってるぞそれ速ryと意気込んで言おうとするブレッド君と、慌ててその服の裾を引いて言葉を遮る明音(みんなでお料理)

2015-03-15 00:15:42

宝君と明音の話

アマミヤ @tri710

@sousakuTL 「人に優しくできるのは三上の良いところだと思うが、それで三上自身が困ったら駄目だろう」「……はい、そうですよね」どこか呆れたような声色で言う宝先輩から、思わず視線を逸らす。とっぷりと日が暮れ、校舎の明かりも数える程となった夜。

2015-03-23 22:36:18
アマミヤ @tri710

@sousakuTL 昇降口の庇の下、鈍色の空からは大粒の雨の降っている。傘を忘れた友達に部活が終わる頃には雨も止むだろうと傘を貸したのは良かった、けれども。「まさか雨が強くなるとは思っていなくて」「天気予報が外れたな」「ですね、夜は晴れる筈でしたし」中々思った通りにはいかない。

2015-03-23 22:36:28
アマミヤ @tri710

@sousakuTL 思わず苦笑をこぼせば、周りをぐるりと見渡した宝先輩は持っていたビニール傘をぱっと広げた。「送ってく。…こういうのは帝やブレッドの方が良いんだろうが、ここでずっと立ち往生しているよりマシだろう」差し出された傘の下に慌てて並び、隣を見上げる。

2015-03-23 22:36:41
アマミヤ @tri710

@sousakuTL 庇の外へ行こうとするその服の裾を引けば、不思議そうな顔をした先輩がこちらを見た。「ありがとうございます、助かりました。私は宝先輩に送ってもらえて、嬉しいですよ」「…そうか」腑に落ちないと言いたげな顔をする先輩に笑いかけ、一歩踏み出す。雨はまだ止みそうにない。

2015-03-23 22:36:53
アマミヤ @tri710

@sousakuTL 明音と宝君で雨の日の話。周りをぐるりと見渡した宝君は、他に人がいないか確認したからだとかどうとか。この後普通にあそこのスーパーは安いとか主婦(主夫)トークをしつつのんびり帰るような感じで。

2015-03-23 22:37:19

帝君とブレッド君の話

アマミヤ @tri710

@sousakuTL フロアに響くアップテンポの曲に合わせ、しなやかな手足が自由自在に繰り出される。トップロックからのフットワーク6ステップ、そしてワンハンドグライドへ。その滑らかな動きに感嘆の溜め息があちらこちらでこぼされていた。「全くもって見事だ」思わず呟いた賞賛の言葉は、

2015-04-07 20:55:35
アマミヤ @tri710

@sousakuTL フロアに響く音楽に掻き消される。周りを軽く見渡しても、どうやら声を聞いた者はいないようだった。友を好み、裏切りを嫌い、毎日部活に汗を流す人間のような悪魔は触れることを嫌う。それは好んでいるダンスでも同じことらしく、このダンスフロアにきても彼はいつも

2015-04-07 20:55:43
アマミヤ @tri710

@sousakuTL 一人で踊っていた。思えばそれに声を掛けたのが始まりだったか、と思い出しているうちに鮮やかなフォーリアが決まった。数泊後、響いた歓声に驚いたように目を丸くするその姿に身を乗り出す。「ブレッド先輩、見事だった!」「おう、ありがとなー!帝!」

2015-04-07 20:55:53
アマミヤ @tri710

@sousakuTL 汗で濡れた髪を拭い、にかりと破顔してみせた悪魔は、人よりもずっと人らしく見えた。(踊る話)

2015-04-07 20:56:00
アマミヤ @tri710

@sousakuTL 気がついたら踊るブレッド君をみる帝君の話になっていたなどと。ブレッド君はブレイクダンスとかストリートダンス系を踊るのに対して、帝君は主に社交ダンスとかを踊っていたりしたらいいなと考えたりなんだり。

2015-04-07 20:56:23

ブレッド君と宝君の話

アマミヤ @tri710

@sousakuTL 「カミサマ、ホトケサマ、宝サマ、どうかオレにシュクダイを教えてクダサイ」二拝二拍手、最後に一礼。柔らかな朝日が差し込む教室、クラスメイトで友人の悪魔にブリックパックのコーヒーと焼きそばパンと共にノートを差し出された宝は、何とも複雑そうな表情を浮かべた。

2015-04-08 21:12:27
アマミヤ @tri710

@sousakuTL 「…ブレッド、お前悪魔だろ。いいのか、それは」「ああ、まあ元は野球だし」それに何より今はシュクダイが問題だ、と沈痛な面持ちで言う彼は勉強があまり得意とは言えない。ノートごと貢物を受け取った宝は、向かいの椅子に座ったブレッドのノートをペラペラとめくる。

2015-04-08 21:12:44