夫婦別姓論への是非に見る、「東京都表現規制」とのアナロジー Presented by 渡邊芳之 ynabe39

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渡邊芳之 @ynabe39

おかしな理屈だ。どうも夫婦別姓反対論者は「いまは同姓でいいと思っている人も,別姓が可能になると雪崩を打って別姓になる」と考えているふしがある。もし本当にそうならなおさら別姓を可能にしたほうがいいと思う。

2010-12-20 10:13:39
渡邊芳之 @ynabe39

「自分以外の日本人はみんなバカでマスコミや政府や役所の流す情報に完全に洗脳されてコントロールされてしまう」というのがその種の人によく見られる世界観だ。

2010-12-20 10:23:46
渡邊芳之 @ynabe39

夫婦別姓に反対している人の多くは夫婦別姓に反対というより「夫婦別姓を選択するような人、選択できるような人」が嫌いなんだと思う。これもおそらく社会階層の問題。

2010-12-20 12:04:52
渡邊芳之 @ynabe39

これもこの前の表現の自由と基本的に同じ問題。自分が自由を享受するためには他人の自由によって生じる不快や損害に対して寛容でなければならない。

2010-12-20 12:11:33
渡邊芳之 @ynabe39

進化心理学が提示しているのはひとつの世界観で,個別のトピックへの対応に直接かかわるものは少ないわけです。心理学の二大現場は教育と臨床ですが,進化心理学的な教育方法とか進化心理学的な臨床技法とかはいまのところ考えにくいわけで,影響力もその点で限定されます。

2010-12-20 12:49:47
渡邊芳之 @ynabe39

夫婦別姓が可能になれば離婚しなくても別の姓を名乗れるわけだから離婚は減る,なんて仮説だって簡単に思いつきます。

2010-12-20 12:53:27
渡邊芳之 @ynabe39

進化心理学にしても生態心理学にしても,その「仮想敵」として述べられる「従来の心理学の姿」の認識の薄っぺらさにはときどき辟易する。君らと近いことを早くから言ってた心理学者だって何人もいるだろうよと。

2010-12-20 12:59:09
渡邊芳之 @ynabe39

たとえばスキナーが著書の中で繰り返し進化の問題について述べて,進化と学習が「適応のための変異と選択」が種のレベルと個体のレベルでそれぞれ生じる連続した過程であると主張しているのを知ってる進化心理学者はどれだけいるだろう。

2010-12-20 13:05:38
渡邊芳之 @ynabe39

別姓に反対している人たちは実際に別姓にしている人を個人的に知らないか,ごくわずかな例しか知らない。われわれの仕事だとヘタすると別姓の人の方が多いくらいの時すらある。これは違うよねえ。

2010-12-20 13:47:17
渡邊芳之 @ynabe39

だいたい日本人の大多数には明治に入るまで姓はなかったんだし,結婚すると同姓になると法的に決まったのは明治の半ば過ぎてからなんだけどね。

2010-12-20 13:49:37
渡邊芳之 @ynabe39

この人たちの主張は結局「それだと差別される」「それだといじめられる」なんだなあ。それって「別姓の親の子どもは私たちが差別するし,私たちがいじめる,だから夫婦別姓に反対」と言ってるんだということになぜ気づかないのか。

2010-12-20 13:55:40
渡邊芳之 @ynabe39

今日の議論でわかったことは「別姓は不法行為なんだから別姓の親の子どもはいじめてもいいんだ,だからいじめる自分は悪くないのだ」という主張を認めないためにも,一日も早く夫婦別姓の法制化を進めるべきだということです。では授業の準備に入ります。

2010-12-20 14:01:05
渡邊芳之 @ynabe39

聞かれもしないのに右翼ではないという人は右翼。聞かれもしないのに宗教ではないという人が宗教なのと同じ。

2010-12-20 14:26:35
渡邊芳之 @ynabe39

じっさい親が別姓だなんてだれかがわざわざ調べて言いふらしたりしなければ子どもには普通はわからない。差別意識を持った大人が子どもにそれを教えるのだ。同じことが部落差別やアイヌ差別や在日差別でも常におきている。

2010-12-20 14:33:15
渡邊芳之 @ynabe39

ほんとこの人たちみんな揃って明治維新に反対する運動起こすべきだわ。

2010-12-20 14:57:37
渡邊芳之 @ynabe39

夫婦別姓を求める理由,認めようとする理由なんて新聞やテレビでも何度も説明されているし,ネット検索すればいくらでも出てきます。そういったものはいっさい確認しないで「自分が納得するように教えろ」という話がありますか。

2010-12-20 15:06:31
渡邊芳之 @ynabe39

結局「都条例」問題とまったく同じ構図であることがわかった。たまたま禁止される対象が自分に直接関係することかどうかだけでこんなに態度が変わってしまう。都条例に反対した人が夫婦別姓に反対するのは論理矛盾だということもほとんどの人はわからないのだろう。

2010-12-20 15:29:54
渡邊芳之 @ynabe39

つか,夫婦別姓の話が「自由」の話だというのもまず説明しないといけないのか。たしかに都条例問題もそれを「表現の自由」の問題の議論に乗せるのには苦労したわな。

2010-12-20 16:13:55
渡邊芳之 @ynabe39

都条例問題と夫婦別姓問題は類似してはいるんだけど一方で大きな違いもある。それは都条例問題における条例反対派は「条例に反対」というひとつの一致点だけで「表現の自由派」と「この規制だけ反対派」が共同しており,反対派内部にも思想や社会階層の大きな対立があったことだ。

2010-12-20 18:51:41
渡邊芳之 @ynabe39

(承前)いっぽう夫婦別姓問題では別姓賛成派は社会階層的には比較的均一(高学歴または高収入の専門職階層)で,かつ民主主義や「選択の自由」の理念も共有している。その点で夫婦別姓賛成派は一枚岩だ。

2010-12-20 18:56:43
渡邊芳之 @ynabe39

そういう意味では夫婦別姓反対派の方が都条例問題の条例反対派に近い。「別姓にする人がいるのが気に入らない」という感情だけで共同していて,反対の理由を論理的に説明できない人から,子どもに影響がある派,家族の一体感が崩れる派,伝統を守れ派,朝鮮の侵略から日本を守れ派までさまざまだ。

2010-12-20 19:01:19
渡邊芳之 @ynabe39

もうひとつ重要なことは,夫婦別姓は新自由主義的な経済原理とも親和的であることだ。別姓賛成派には「能力のある人はもっと働いてもっと稼ぐべきで,そのための障害は極力取り除くべきだ」という経済界も含まれると思う。まあそれと「選択の自由派」の間にはやや緊張がありうるかw

2010-12-20 19:03:54
渡邊芳之 @ynabe39

(承前)そう考えると反対派が夫婦別姓に感じる嫌悪感の中には「能力のある者はもっと稼ぎ,能力のないものはより貧しくなる」ことへの恐怖もあるのだと思う。夫婦別姓の場合はそれに性役割絡みで「男より稼ぐ女が別姓を望む」ことや「ダブルインカムで稼ぐ夫婦」への反感も上積みされる。

2010-12-20 19:07:55
渡邊芳之 @ynabe39

もっと単純に言えば,夫婦別姓は社会の支配層で現在の社会構造によって利益を多く受けている階層により大きな利益をもたらすが,そうでない階層には具体的な利益をもたらさない。

2010-12-20 19:15:33
渡邊芳之 @ynabe39

(承前)反対する人々は「自分に利益がなく,かつ自分とは違う階層には利益がある」から反対するのであって,家族の一体感とか子どもに害があるとか離婚が増えるといった「社会的悪影響」の主張は,まず反対することが決まった上であと付けした論理に過ぎない。

2010-12-20 19:17:09