ヨーロッパ中世の写本における「騎士対蝸牛」図像の謎

ヨーロッパ中世の写本に頻出する図案「騎士体蝸牛」について考察しているサイトの紹介と、みなさんの反応・ご意見ツイートをまとめました。
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ヨーロッパ中世を扱ったサイトGot Medievalのエントリ「What’s So Funny about Knights and Snails? 」の紹介

小山田浩史 @magonia00

今、「なぜ中世ヨーロッパの写本の挿画には『騎士対蝸牛』というよくわからないマッチメイクのものが多数存在するのか」っていうわけのわからない論考サイト(英語)をぼんやり眺めている。ちなみに蝸牛は大きいです。 pic.twitter.com/nevm0O5sOw

2015-04-25 00:40:34
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小山田浩史 @magonia00

"中世の写本では至る所に騎士と蝸牛が闘う図案が描かれている。騎士はときに騎乗し、また徒歩のときもあり、蝸牛はときに怪物のようであり、ときに小さい。多くの場合騎士はこの小さな敵を恐れ、狼狽し、衝撃を受けているように見える" twitter.com/magonia00/stat…

2015-04-25 00:47:42
小山田浩史 @magonia00

"中世の読者たちにとっては「騎士対蝸牛」は面白いと思われるモチーフだったのだろう。ただ、残念なことに、このモチーフのどこがどう面白いのかは文章としては一切書かれることはなかった。ただただ、写本のいたるところに蝸牛と闘う騎士の図だけが残されている。"

2015-04-25 00:54:36
小山田浩史 @magonia00

"「騎士対蝸牛」のモチーフについては1960年代にLillian Randall女史が初めて(そしておそらくは最後の)考察を行っている。女史によれば、このジョークの肝は殻を背負って移動する蝸牛にあり、なにかあれば殻に籠ってしまう蝸牛こそは重武装した騎士のパロディーなのだという"

2015-04-25 01:00:54
小山田浩史 @magonia00

"私(サイトの中の人)は女史のこの説を信じてはいないが、また同時にこれ以上にうまく「騎士対蝸牛」の図案の面白さについて説明しうる仮説を知らない。そこであなた(読者)にお聞きしたいのだ、「貴方はどうお考えですか?」と" pic.twitter.com/rhahCXDWoa

2015-04-25 01:06:54
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小山田浩史 @magonia00

全文訳ではないし適当訳なので、中世写本の「騎士対蝸牛」図案に興味のある方はこちらの "What’s So Funny about Knights and Snails? " bit.ly/1bB6a42 を参照されたい。

2015-04-25 01:11:00
小山田浩史 @magonia00

Google先生で「knight Snail」を画像検索すると中世写本の図案が本当にたくさんヒットして楽しい(小学生並の感想) pic.twitter.com/k1kBjH8iqZ

2015-04-25 01:27:46
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みなさんからのご意見・ご感想

吉井徹 @5legDog

@magonia00 昔はマジでこのサイズの蝸牛がいてやばかったんじゃね? 今おおっぴらにいないのは当時の騎士ががんばったからに違いないナリィ…

2015-04-25 00:57:00
小山田浩史 @magonia00

この絵とか見てると吉井さんの意見が実は正しいんじゃないのかって気になる(現実とファンタジーの区別があいまいな顔で) twitter.com/5legDog/status… pic.twitter.com/YKewnSXIKF

2015-04-25 01:33:01
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岩塩 @ganen_hinakawa

@magonia00 カタツムリと戦う、というのだとマザーグースの仕立て屋さんvsカタツムリの歌を思い出すわけですが、あれは「臆病な仕立て屋ではカタツムリにさえ勝てない」という歌詞で、逆に言うとカタツムリが「弱いもの」の代表になっているので、そのあたりに繋がりがあるのかなあと

2015-04-25 01:14:54
岩塩 @ganen_hinakawa

@magonia00 four and twenty tailors knight で検索すると、やはりもうマザーグースとの繋がりについて考察している方もいらっしゃるみたいですね 興味深い……

2015-04-25 01:37:24
小山田浩史 @magonia00

@ganen_hinakawa 現代の我々からするとなんでこの組み合わせなのか全然分からない、というところが面白いですよね。いずれ歴史学が何らかの回答を示してくれることを期待します

2015-04-25 01:41:14
岩塩 @ganen_hinakawa

@magonia00 その時代の人なら当然分かっていたはずのジョーク……なのでしょうが、逆に言うと説明しないでも分かっていて当たり前だろう、ということは説明されないから残らないのですね 解明される日が来るのが楽しみです

2015-04-25 01:43:27
歩 or Ex-S歩道橋 @10gal_Ayumu_146

@magonia00 はじめまして。「殻に篭ってしまう」と言うよりは、王や領主に従属して庇護を求める騎士を「どこに行っても家がついてくる=蝸牛」として皮肉る表現なんじゃないかなぁ、と思いました。

2015-04-25 01:35:33
小山田浩史 @magonia00

@10gal_Ayumu_146 はじめまして。蝸牛にどんな意味が込められているのか、はここではやはり騎士との関連性から考えるべきなんでしょうね。

2015-04-25 01:43:08
AJE@Fully Vaccineted,pfizer!+3 @Pm2010Aje

@magonia00 蝸牛が象徴するという臆病、怠惰などの悪徳との戦い、あるいは貝類に象徴される愛欲との戦いを意味するのかもしれませんね。蛇が騎士の腕に絡みついている図案(『腕萎えのカラドク』を連想させる)等は後者なのかも 0件のリツイート 0件のお気に入り

2015-04-25 01:49:53
小山田浩史 @magonia00

@Pm2010Aje 中世の写本って当時は読む人(読める人)限られてますから、そういった人たちにはわかる象徴的な意味が蝸牛にあったのかもしれませんね

2015-04-25 01:56:52
AJE@Fully Vaccineted,pfizer!+3 @Pm2010Aje

@magonia00 ですよね 悲しいかな当時の人々の文脈までは中々推し量れない…… まぁ、それがファンタジーのネタになると言えば言えますが(^^)

2015-04-25 01:59:45

おまけ:「騎士対蝸牛」とその類似図像集

小山田浩史 @magonia00

おまけ:大英図書館所蔵のハーレー写本(harley4379)にある、二匹の猿がそれぞれウサギと蝸牛を背負って闘っている(?)ドリームマッチ画像 ウサギの方は槍と盾で武装しているが「騎士対蝸牛」と関連があるのだろうか pic.twitter.com/mkJnOwEBQk

2015-04-25 09:26:05
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小山田浩史 @magonia00

スミソニアン博物館の公式HP内の記事でも「蝸牛と闘う騎士の図案は、中世写本の未解決の大きな謎です」とか書いてあったりするな。 「なんで中世の騎士はいつも蝸牛と闘っているの? ――中世写本の余白でよく見る光景だけど、どんな意味があるのかな?」という題名もいい

2015-04-25 10:31:42
小山田浩史 @magonia00

騎士本気出し過ぎ。大英図書館所蔵の『The Queen Mary Psalter』(14世紀)より pic.twitter.com/f9lfdnhRNW

2015-04-25 10:25:50
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小山田浩史 @magonia00

騎士は蝸牛を倒すのにも全力を尽くすという。大英図書館所蔵の、Brunetto Latiniによる『Li Livres dou Tresor』(14世紀)より pic.twitter.com/RtUDWktYOb

2015-04-25 10:36:34
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