憲法さん(憲法くん?)による日本国憲法押し付け論の経緯
…私が「押し付けられた憲法」だからダメなんだ、と言われることが多いので、若い方でも読みやすいように「ヘタリア」のキャラクターに登場願って、経緯を漫画で表現してみました。 全9ページです。これから連続投稿します。
2015-05-05 13:11:24【1】 極東委員会の設置が決まり、GHQ側はその介入が始まる前にと急いで日本の憲法改正をしようとしていました。 色々な事情や思惑がありました。 pic.twitter.com/NLeqnCrrpS
2015-05-05 13:12:17【1】極東委員会は、天皇を戦犯とする可能性があり、そうなった場合に、占領政策に対して思ったより従順な日本政府が 途端に抵抗し、混乱する恐れがあり、占領が長期化…最悪の場合は直接軍政への転換が必要になる。
2015-05-05 13:12:37【1】それは占領軍…主にアメリカの負担増となる…そういう事情もありました。「天皇制」を、ひとまずは維持する、これは日米両者にとって、妥当な結論であったかと思われます。
2015-05-05 13:12:47【2・3】急ぐあまり、GHQ側は何の予告もなく、日本側が用意した憲法改正案を却下し、GHQ案を渡しました。 日本側はひたすら狼狽し、困惑します。 6日間、GHQ案は閣議にかけられることもなく官邸の金庫で保管されました。 pic.twitter.com/gpquHO7OJo
2015-05-05 13:13:51【2・3】白州次郎が「GHQ側の憲法案も、日本の憲法案も、最終の目的地は同じだから」と手紙で訴えますが(ジープ・ウェイ・レター)、受け入れられることはありませんでした。 日本は敗戦国であり、占領されている身でした。
2015-05-05 13:14:09【4・5】GHQ案は、日本人(民間・政党等)が作った改正案のほとんどすべてに目を通していたらしく、また、関係者に親日家知日家もいたことから、ところどころに違和感がありながらも(議論が紛糾した部分もありますが) pic.twitter.com/5qKBnsd4KC
2015-05-05 13:18:22@Katsumigs 作成に携わった人たちには、弁護士など「軍服を着たローヤー」もいました。当人たちも「短い期間で作り上げたにしては素晴らしい出来だ」と自賛していたようです(笑)
2015-05-05 18:35:56【5】日本政府側から見て、完全に拒絶するような内容ではありませんでした。寧ろ、積極的に受け入れられた規定もありました。(その辺は議事録等を読んでみてください) pic.twitter.com/c4BmF2qBj7
2015-05-05 13:19:08【6】 国会で議論を重ね、GHQ案の一応の日本化が済み、「GHQの指導の下で日本政府が作成」として日本国憲法は発表されました。GHQが日本に作らせた、という評価が生じることは、日本国憲法の完成を遅らせ、占領の長期化の恐れもありました。 pic.twitter.com/yyZf0Nf6gj
2015-05-05 13:20:26【7】勘づく人はたくさんいましたが、日本政府は国民向けにラジオやパンフレットなどで、「新しい憲法は素晴らしい憲法だ、一人一人が自由を享受し、日本はもう戦争はしない」と、積極的に国民に宣伝・教育し、国民の多くもそれを受け入れました。 pic.twitter.com/s9Vg0PfgBE
2015-05-05 13:21:54【8】「押しつけか否か」を言えば、当時の状況の証言を読んでみても、ほぼ押し付けといっていいのかもしれません。 しかし、それだけが原因で、問題でしょうか? pic.twitter.com/Dk1ZfKNRPS
2015-05-05 13:23:14【9】当時、戦争放棄の規定に日本国民がどれだけ喜んだか。 女性の地位の向上に、どれだけ多くの女性の未来が広まったか。 pic.twitter.com/AOmMLOGBX0
2015-05-05 13:23:47結果論として、現在の日本の状況があまり芳しくないからといってそれは決して「押し付け憲法だから」の一言で済ますようなものではありません。 憲法だけに限らず、民法の家制度廃止の実現や刑事訴訟法における被告人の人権保障など、占領下だったからこそ(反対を抑え込み)実現した改革がありました
2015-05-05 13:24:34これからの日本が、どうあるか、どうなるか。 「押し付けだから」ではなく、よりよい国とするために、よりよい憲法について考えてみてください。 あのとき、日本の未来を思い、日本国憲法の制定に情熱と心血を注いだすべての人に応えるためにも。
2015-05-05 13:25:39@matsuko_1966 読んでくれてありがとう。私の条文に、批評や意見を述べ合うのは、大歓迎なのだけど、存在自体を否定されると悲しくて。大事なのは、誰のためにどんな改正をするのか…だから。
2015-05-05 13:51:18