不知火に落ち度はない　34（第十七駆逐海賊団編　その２）

不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

さてさて。ではごたごたしててしばらく更新止まってたけど落ちぬい再開。 上陸からやっちゃおうねー。（適当おじさん） #落ちぬい

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「うっし。それぞれ番号登録済んだな。んじゃ早速街に繰り出すとしようか」 「どう聞いても遊びに繰り出すチンピラですね、司令」 うっせ。 セブ島に着いた俺達は早速、プリペイド式携帯で連絡手段を確保したわけで。 虎の子のイリジウムは、今は出番なしである。 #不知火に落ち度はない

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セブ島は常夏の島。年間を通して太陽が照りつけ、平均気温は25から30の間をキープ。 乾期のおかげで日陰は涼しいが、基本クッソ熱い。 俺のアロハが輝くときが今来たって訳だ。 あー、ちなみに肌を出しまくるのはオススメできない。 #不知火に落ち度はない

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「司令。早速ですが動かないでください」 「おう、頼む」 ぷしゃー、と勢いよくスプレーが浴びせかけられる。 おう、ひやっこいひやっこい。思わず鳥肌もんの冷たさである。 「あ、あの……何やってるんです？」 「ん？何って浜風」 #不知火に落ち度はない

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「見ての通り蚊避けスプレーだけど」 「え……？ そんなに苦手なんです、蚊？ アレルギーとか」 なるほど。浜風くんはご存じないらしい。 フィリピン名産品の一つが何かとか。 まあ、パンデミックがそうそう起きないし、海外に行くのは遠征組だしな。 #不知火に落ち度はない

不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「艦娘と言っても、かかって現地治療できねーと簡単に死ぬぞ。デング熱」 「はい。また、セブ島ではほとんど確認できていませんが、マラリア蚊もいます」 あ、浜風の顔色がみるみる青くなっていく。 どうやら知らなかったご様子。 「無理はないかもしれませんね」 #不知火に落ち度はない

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お、神通からフォロー入ったか。 「さほど情報も入りませんし。浜風さんは海外に出たこと、なかったのよね？」 「……。はい、恥ずかしながら」 「じゃあ、こっちに。スプレーしますから」 しゃかしゃかとスプレー振ってる神通。 うむ、さすが隊長。面倒見いい。 #不知火に落ち度はない

不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

俺の落ち度も発見されたわけだ。 うちで結構な数が海外作戦にも参加してたから、てっきり話が行き渡ってたと思ってた。 さて、これでコーティング完了。 「これで1日は平気だっけな」 「はい。次は不知火の番ですね」 不知火からスプレーを受け取る。 #不知火に落ち度はない

不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「ほい、不知火バンザイー」 「……」 両手をあげたところにざーっと吹き付ける。 なぜか半眼でにらみつけておいでです。 「つぎ、背中」 「どうぞ」 ちょっと服をめくって、ざーっと背中に流し込む。 さすがに冷たさは伝わるのか少し鳥肌が立ってた。 #不知火に落ち度はない

不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「ほい。後はズボンの中に適宜吹き付けておくよーに」 「司令のズボンの中は大丈夫でしょうか」 「これから大暴れする予定だ」 ちょっとシモいことを言ってみる。 ぷしーっ。 ちょ、おま不知火！？ いきなりズボンの中にねじ込んで吹き付けるんじゃありません！ #不知火に落ち度はない

不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

まったくデリケートゾーンにそういうのやめてよね。 それDEET成分濃厚だから粘膜接触で下手するとすっげえかぶれるんだもの。 やっべひりひりする。 「えっと……意味分かってた？」 「刺されて大暴れではないのでしょうか」 よし、ばれてねえ。 #不知火に落ち度はない

不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

うむ、まだ不知火はこの手の高度な大人ジョークを知らぬ、可愛いお年頃であるのだと実感した。 頭を撫でくってやろうなどと思ったのだがとん、とん、と肩を叩かれる。 Whaｔ？ 「夜に、どこで、大暴れするんですか？」 微笑み青筋三つついた浜風がいたわけで。 #不知火に落ち度はない

不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「いやごめんジョークです。大人ジョーク」 「時と場合をわきまえてください！」 「すんません」 ぷんすこお怒りであらせられる。 なお、神通教官はどうやら似たもの師弟って言葉があるらしく。 夜に大暴れという事に対して、ちょっと首をかしげておられるご様子。 #不知火に落ち度はない

不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「提督。作戦に夜間活動も含まれるのでしょうか？」 「詳しい話はホテルでしよう」 「こら！ また！！」 おっといけねーいけねー。そう怒るな浜風。 神通意味がわかってねえから、まだ。 そりゃそうか。夜戦=姉の趣味みたいなもんだもんな神通。 #不知火に落ち度はない

不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「ンじゃ、とりあえずタクシー呼ぶか」 「司令。ホテルの手配は取れているのですか？」 手を上げる不知火。抜かりはありませんとも。 とっくに長門が手配済みだ。 お土産にセブ島まんじゅう頼むってある。 ねーよ！！ まんじゅうは日本文化だよ！！ #不知火に落ち度はない

不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「お、タクシー」 早速きたきた。ンじゃハンズアップ。 ぶーん。 おう？ 満員だったか。 「ヘイタクシー！」 ぶーん。 ありゃ。運悪いな。 「おい、タクシー」 ぶーん。 ちょっと待てこれは予想外だ。 なぜだ、なぜ無視するんだタクシー。 #不知火に落ち度はない

不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

それから5度やってもタクシー捕まらない。 っていうか、積極的に逃げてるぞタクシーが。 おい、観光向けなんだろう。 ちょっと愉快で陽気な観光客様をとっとと迎えろよ。 「もしかしないでも司令、逃げられていませんか」 「大変不本意だがな。不知火タッチ」 #不知火に落ち度はない

不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「ご命令ならば」 「よろしく頼む」 早速手を上げてみる不知火。 しかし無情にもタクシーは通り過ぎていく。 うん？ うん？ なんだろうか。 ここから見ると一、瞬ギョッとした顔しやがったぞあの運転手。 あ、タクシー止まったな。 他の観光客の前で。 #不知火に落ち度はない

不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

「司令。発砲許可を。強制的にタイヤを止めます」 「だめです穏便に」 「失礼極まる対応をされたので報復を」 「不知火さん……？」 「失礼しました」 ぽんぽん、と肩を叩いて止める神通教官殿。 ありがとう、神通。 じゃ、次お前の出番でいい？ #不知火に落ち度はない

不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

しかし、これがどうして。 困ったことではあるが。 タクシーが全然捕まってくんないわけです。 いや、さすがにこれはネタになるレベルでタクシーが逃げてる。 なんだこれ。どういうこった？ と、そんなときふと気づいた。 あ、わかったこれ。 原因俺だわ。 #不知火に落ち度はない

不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

ほら。不知火単体や、神通単体なら旅行者ってなるじゃん？ でもその後ろにアロハ着てる俺が立ってるじゃん？ 今回南国だからって、袖の短いアロハ持ってきたわけよ。 するとちょびっとだけ、俺の見えちゃいけないセクシースポットが見えてるってわけ。 #不知火に落ち度はない

不知火に落ち度はない @otinui_yamoto

3人の女連れの後ろに立ってる、ややおっきい目のやけどおじさん（アロハ装備）。 うん。きなくさいかもしれん。 せめて長袖アロハにすべきだったかもしれん。 や、このやけども時折便利なんですよ？ 見知らぬ土地でネタにしてバーで盛り上がれるから。 #不知火に落ち度はない