【 #執務室はお茶の時間 その5】ネコの武器屋とシノビのブン屋、そしてうるさい料理人

蝦夷貂提督@お茶の相手は北上さま @green_teabreak

「どもー！青葉通信でーっす！」 「なあ青葉、執務室の天井裏から現れることに関してはもう俺諦めてるから許すけどよ、せめてなんか前振り有りで出て来てくんないかな、唐突過ぎて心臓に悪いんだこれ」 「号砲でも鳴らしてから出ますか？」 「根本的解決になってないな」 #執務室はお茶の時間

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「提督の心臓は一旦置いときまして」 「言い方な、言い方」 「久しぶりの青葉通信ですよ提督、読まれますか？読まれますよね？」 「読まない」 「ありがとうございます！一部ご購入ですね！」 「聞いてないのな」 「定期購読まで！ありがとうございます！」 「悪質」 #執務室はお茶の時間

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「はーい、こちらになりまーす」 「へぇ、割とちゃんとした新聞の体なんだな」 「面白いネタが見つかったときだけ発行するんで、号外みたいな扱いですね〜」 「なるほどね、で、今回の一面は・・・『提督を斬る！艦娘達の不満 〜減少する出撃とその実態とは〜』・・・？」 #執務室はお茶の時間

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「ここ数ヶ月の出撃回数の減少が艦娘達の不満に繋がっておりまして、特にここ最近はその動きが顕著なものですから、青葉としてはぜひ！特集のほうを組まさせて頂いた次第でして！」 「喧嘩売ってる？」 「ジャーナリストとは常に中立的立場にいるのですよ？提督」 #執務室はお茶の時間

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「まあとりあえず読んでみてくださいよ！クォリティは保証しますから！」 「保証してほしいのはどちらかというと信憑性なのだが」 「なあなあにしときましょう！そこは！」 「言っちゃったよ、なあなあって言っちゃったよコイツ」 #執務室はお茶の時間

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青葉通信、確かに読んでみると中々の出来栄えです 内容としては最近の我が鎮守府の出撃回数とその内容、それに対する艦娘達の意見などが特集として書かれていました #執務室はお茶の時間

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「『・・・以上のデータから見て取れるように、ここ1ヶ月の我が艦隊の出撃は練度上昇、及び任務消化の為の補給艦撃破などのルーティンワークが9割を占めており、艦娘の本分たる戦闘とはかけ離れたものが主になってしまっている』、か・・・ぐうの音も出ないな」 #執務室はお茶の時間

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艦娘へのインタビューも5人ほど載せられていましたが、その全てがここ最近の出撃状況への不満、というものでした ・・・それはいいんだけどよ青葉、インタビュー相手を『匿名』にしてる癖に語尾が「〜クマ」のまま書いてるって、意味無いぞそれ #執務室はお茶の時間

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ま、早い話が 『もっと血湧き肉躍る戦闘をさせろ』 ってことなのよね #執務室はお茶の時間

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「しかし参ったな・・・出撃させてやりたいのは山々だが、激戦区に送り込むには資材が足りない・・・」 慢性的な資材不足、という訳ではありませんが、今は資材を貯めておきたいというのが実情です 「どうしたもんかねぇ・・・」 #執務室はお茶の時間

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「・・・と、いうことで艦娘達の戦闘翼を満たしてやりたいわけよ」 「ふーん、選択肢その1、資材が減るのを承知で最前線海域に繰り出す」 「お前は回避力あるからいいかもしれないけどな北上、他の戦艦とかが被弾したときの資材消費はマジでシャレにならないんだ、却下」 #執務室はお茶の時間

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「選択肢その2、他の鎮守府に演習を申し込む」 「ヤダ、場合によっては普通に出撃するより被害出るもん」 「あたしはこれが一番楽しいと思うんだけどなぁ・・・」 「確かに霧島組とかイージス部隊とか相手なら絶対退屈しないだろうけどさ・・・」 #執務室はお茶の時間

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「選択肢その3、ウチの鎮守府の中でいくつか艦隊を編成して演習をする」 「・・・ほう」 「これは普通にアリだと思うけど」 「たまにはいいこと言うんだな、お前も」 #執務室はお茶の時間

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「鎮守府内チーム対抗演習、なのです？」 「そ、適当に艦隊をいくつか組んで演習をさせる」 「なるほどなのです、それなら艦娘の戦闘欲も満たしつつ資材消費も抑えられるのです」 「だろ？演習なら経費で落ちるからな」 「北上もたまには良い事を言うのです」 #執務室はお茶の時間

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「で、だ・・・チーム分けをするにあたり、申し訳ないのだが電、今回お前は不参加という形にしてもらっていいか？」 「無論なのです、流石にパワーバランスが崩れるのは自覚してるのです」 「助かる、その代わりと言っちゃなんだが、今回は審判をお願いしたい」 #執務室はお茶の時間

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「なにしろウチは変態的な戦い方をする奴ばっかりだからな、鎮守府内演習ともなれば尚更だ、俺だけでは戦闘を見極められない可能性がある、だからお前にも審判を頼みたいんだ、電」 「お安い御用なのです、チーム分けや細かいルールは決めてあるのです？」 「いや、まだだ」 #執務室はお茶の時間

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「その辺も含めて相談したいのだが、今日これからで構わんか？」 「もちろんなのです」 「よし、じゃあお茶淹れるから飲みながらゆっくり相談しよう」 「電は和菓子が好きなのです」 「はいはい、ちゃんとお茶請けも用意するから」 #執務室はお茶の時間

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「・・・さて、まずはチーム分けだが」 「誰が参加するかは決まってるのです？」 「北上、球磨、多摩、木曾、赤城、伊勢、日向、隼鷹、龍驤、青葉、高雄、明石の12人かな」 「3人チームが4つ、という感じなのです？」 「だな、他にもいたら入れるが」 #執務室はお茶の時間

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電と鎮守府内演習の相談をしていたところ、執務室のドアがノックされました ウチの連中でそんなマナーを心得てるのは明石くらいしかいません 「入っていいよー」 「失礼いたします、工作艦明石です」 やっぱし #執務室はお茶の時間

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「リンガの筍提督より書状が届きましたので、ご確認をお願い致します」 「筍提督から？なんだろう、読んでみるわ・・・あ、ところで大本営の検閲は入ってた？」 「あ、いえ、航空機により直で届きましたので大本営は経由しておりません」 「おお、筍提督も心得てんな」 #執務室はお茶の時間

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これでも一応「A級監察対象」として大本営にマークされてる身なので、大本営経由で届く手紙などは基本的に全部調べられてしまうのです 「航空機で直で届いたって？」 「左様でございます」 「ちなみに機種は？」 「赤トンボでした」 「変なの持ってんなー・・・」 #執務室はお茶の時間

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雑談はさておき、筍提督からの手紙のほうを読みます 「・・・ほう」 「なにが書いてあるのです？」 「なかなか興味深いことが書いてあるぞ」 言いながら机上の内線電話を取り、工廠へと繋げます 『にゃー、こちら工廠の多摩だにゃー』 「おお多摩、ちょっと来い」 #執務室はお茶の時間

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「なにか用かにゃ？」 「これ読んでみろ」 執務室に来た作業着姿の多摩に、筍提督からの手紙を渡します 渡された多摩は戸惑いながらもそれを読み始めました、目の色が変わります 「・・・にゃ・・・これは」 「退役するRQ-1を貰えるかもしれん、欲しいか？多摩」 #執務室はお茶の時間

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「欲しいにゃ！！」 「よし分かった・・・待てよ？でもお前って確か既に無人軍用機造ってなかったっけ？」 「確かに開発済みにゃ、それこそRQ-1にゃ」 「それ・・・貰う意味あるか？」 「改造用に欲しいにゃ」 「うわぁ・・・」 #執務室はお茶の時間

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「ちなみにRQ-1を改造したら付けたい名前があるにゃ」 「ん？『RQ-1改』とかじゃないのか？」 「にゃっにゃっにゃー♪、『エイリアン』にゃ！」 「うわぁ分かる人にしか分かんない奴」 #執務室はお茶の時間