【冬E4篇:碧花絢爛】後→了篇 繋

タバコのポイ捨てはやめましょう!
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葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】前篇 - Togetterまとめ togetter.com/li/797562 via @togetter_jp

2015-05-28 22:28:22
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】後篇 - Togetterまとめ togetter.com/li/809324 via @togetter_jp

2015-05-28 22:28:47
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】後→了篇 薄暗い艦娘母艦の後部発進口。 ブザーが鳴り響き赤のランプがくるくると回り、辺りに整備妖精達の慌ただしい声が飛び交う。 ゴウンゴウンと大きく音を立てながらハッチが開いていく 海面から反射する太陽光が四人の艦娘達の姿を下から照らしていく。

2015-05-28 22:32:18
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】後→了篇 軽巡洋艦、矢矧。同じく酒匂。 駆逐艦、時津風。そして五月雨の四隻が出撃用リフトの上で艤装を展開し、出撃を待ち構えていた。 それぞれ緊張の顔立ちで視界に明るく広がってくる海原を険しい眼差しで見据えていた。

2015-05-28 22:33:20
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】後→了篇 艦娘母艦後部発進口にはこういった小型艦娘に用いられる出撃用リフトの他に、 大型艦専用艦娘射出装置(カタパルト)なるものも存在するが、 こちらは艤装の重量が相当であり、戦艦等の大型艦種に用いられる。 速度の安定化などを目的とした装置だ。

2015-05-28 22:34:12
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】後→了篇 名前にも大型艦専用、とある通り戦艦クラスほどの耐久性が無ければ 海面へと着水した瞬間にその衝撃で損害が出てしまうことのほうが多数であり 小型艦艇、及び中型の艦艇においてはよほどの緊急時でない限りはこちらが使用されることはまずない

2015-05-28 22:35:17
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】了篇① 矢矧達軽巡洋艦以下はそれらの理由からこちらではなく中〜小型艦艇用のリフトを用いている。 噂では、そのカタパルトを利用して出撃した駆逐艦も存在するというが… それは単なる都市伝説として出回っている程度だ。

2015-05-28 22:36:44
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】後→了篇 少し離れた上部から彼女達を見つめる二つの姿、 作戦司令官たる葛葵と今回はその補佐にあたる蹠球が矢矧達以下水雷戦隊出撃の最終チェックを行っていた。 蹠球「各艦、最終チェックを怠るな!艤装とのリンク、状態を詳細に報告せよ」

2015-05-28 22:39:16
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】後→了篇 各艦の艤装妖精から艦艇の状態、システム稼働率などの情報が伝えられ、 それぞれ艦娘達の視界に浮かぶ電子パネルへと送られてくる。 矢矧「艤装、オールグリーン。いつでも行けるわ」 それら全てを確認し、矢矧が蹠球に伝え、蹠球もまたそれに返すように頷く

2015-05-28 22:40:01
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】後→了篇 蹠球「…ひやちゅーさん。出撃準備完了だ。いつでも出撃(で)れる」 蹠球の報告に葛葵は軽く頷くと手元にあるマイクに手を伸ばし引き寄せ声をかける 葛葵「皆、よく聞け。作戦目的は艦娘母艦の護衛。敵はこちらの位置を把握し…こちらに今尚、向かっている」

2015-05-28 22:41:48
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】後→了篇 葛葵「これらの迎撃をもって作戦成功とする。諸君らの健闘を祈る。」 葛葵が敬礼をする姿に艦娘達もまた敬礼で返してくる。 葛葵の言葉が終わりを告げるとともにリフトが下降して行き… 艦娘達の艦底が海面へと着水する。

2015-05-28 22:43:01
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】後→了篇 着水すると同時に艤装から浮力が生まれ、艦娘航行補助装置(スタビライザー)が起動し、 彼女達は文字通り海面へ降り立つ。 このスタビライザーのおかげで彼女達が転覆することはないとされている。 (その原理は未だ謎とされているが)

2015-05-28 22:43:57
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】後→了篇 着水後、艤装の確認をしていた矢矧はとあることに気づく 矢矧「…あら?」 酒匂「どうしたの?矢矧ちゃん」 矢矧「…三式水中探信儀(ソナー)に反応があるわ…」 三式ソナーの妖精がしきりに矢矧に話しかけている様子が酒匂からも確認出来た。

2015-05-28 22:44:59
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】後→了篇 ソナーが反応するとすれば、それは…水中に何かがいることを示していた。 三式ソナーから発せられる超音波が反響音を探知し、 それが矢矧の視界へと波形として表示されていた。 それは魚群かはたまた…

2015-05-28 22:45:43
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】後→了篇 矢矧「(下に…誰かいるのかしら?)」 矢矧のその心内での疑問はハッチ上部に取り付けられていたスピーカーから返答が返ってきた。 葛葵「気にしなくていい。友軍だよ(*‘ω‘ *)」 心でも読まれたのかもしくはこれを予想していたのか…矢矧は驚いた

2015-05-28 22:47:12
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】後→了篇 …あの人のことだ。我々には秘密で水面下で企んでいるのか… きっとそれは後ほどよい結果として驚かせてくれるかもしれない。 そう結論づけ、矢矧は隣にいる姉妹艦である酒匂に微笑みかける。

2015-05-28 22:48:05
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】後→了篇 矢矧「…酒匂。貴方の司令官って人は本当に考えが読めない人ね」 酒匂「そぉ?酒匂にはわかんない」 酒匂の返答に目を細め笑うと、矢矧は気持ちを切り替え表情を引き締めハッチの向こうに広がる水平線を睨んだ。

2015-05-28 22:50:39
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】後→了篇 矢矧「…(敵の強襲…今度は全てを…護り切るから!) …軽巡矢矧、出撃します!全艦、続け!」 了解、の声が連なり速度司令機(エンジンテレグラフ)が音を立てる 主機の回転数が上がり速力を増していき、艦隊は母艦から大海原へと出撃してゆくのだった。

2015-05-28 22:51:57
葛葵中将 @katsuragi_rivea

「俺達の戦いはこれからだ!」 後→了篇 完 …もうちょびっとだけ続くんじゃ

2015-05-28 22:53:16
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】後→了篇 繋 蹠球「…呑気に出撃を見送っていていいのかい?」 艦娘達の航跡がまだ発信口の下部に波として打ち付ける中、蹠球は葛葵に話しかけた。 蹠球「…君のことだから…既に敵主力の位置は掴んでいるんだろう?」

2015-05-28 22:54:10
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】後→了篇 繋 図星、といったところだろうか。これは意外…といった表情で葛葵は蹠球を見ていた。 蹠球「…やれやれ、相変わらずだな。肝心なキモは誰にも教えようとしないんだからね…俺にもね…」 危うくまた蹠球のスイッチが入りかけたところで葛葵が慌てて口を開く

2015-05-28 22:54:58
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】後→了篇 繋 葛葵「要するに!ねこぱんさんが気になっているのは…私が特定した敵主力の位置を どうやって敵の暗号解読をすり抜けて艦隊に伝えるか、ですよね(*‘ω‘ *)?」 蹠球「…そうだね。そこだよ…」 葛葵「ご心配なさらず(危なかった)」

2015-05-28 22:56:00
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】後→了篇 繋 葛葵は不敵な笑みを浮かべ鼻歌を交えながらラッタルを降りてゆく。 葛葵「こんな話を知っていますか? 彼女達の仕事場… 海の中では通信機は通じないんだそうですよ(*‘ω‘ *)」

2015-05-28 22:56:49
葛葵中将 @katsuragi_rivea

【冬E4篇:碧花絢爛】後→了篇 繋 彼女達?海の中?彼は一体何の話をしているのだろうか…蹠球には意図が読めなかった。 そんな疑問を他所に葛葵は胸ポケットから煙草を一本取り出し咥え、ジッポライターで火をつけ煙を吸い込んだ。

2015-05-28 22:57:50