塩谷賢 #哲学表現基礎論 第10回「形式:外枠の準-安定性を確保するところのもの」

塩谷賢 #哲学表現基礎論 第10回「形式:外枠の準-安定性を確保するところのもの」の簡単なまとめです。
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塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

【シラバス】#哲学表現基礎論 第7回 動態性と表現 第8回 感情・心理と表現 第9回 表現とコミュニケーション 第10回 形式的表現 ←今回 第11回 表現とシステム 第12回 言語表現と解釈 第13回 批評・法・経済 第14回 意味と概念 第15回 学習した内容の点検と確認

2015-06-18 13:02:16
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

前回の復習。対象と鑑賞者のあいだの伝達者として制作者を考える。つまり、対象との画面(≠画像)と、鑑賞者との画面(≠画像)という外枠として(外側を作りだすものとして)制作者を考えてみる。 #哲学表現基礎論

2015-06-18 13:08:54
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

伝達を外側からみると、伝達者とは、伝達経路への介入者である。このとき、伝達の推移性が問題となる。一方、伝達を内側からみると、話し手と聞き手が入れ替わるときの重なり合わせが問題となる(うまく対応しているけれど、まったく同じではない: 双対性 duality)。 #哲学表現基礎論

2015-06-18 13:15:22
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

ところで、伝達されるメッセージについて、私たちはよく、メッセージとは内容だと思っているが、伝えられているのは外枠、メッセージにかけられている制約条件、形式かもしれない。メッセージの内容と形式の整合性かもしれない。 #哲学表現基礎論

2015-06-18 13:17:17
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

なぜメッセージの内容と形式の整合性が問題となるのか。あるいは、メッセージの文の真偽(フレーゲ)が問題となるのか。それは、認識において態度(報告文を受け入れる/拒否する)をとるかとらないかと関わるから。次の、外部への入力としての条件が整っているか。 #哲学表現基礎論

2015-06-18 13:21:26
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

(ちなみに命令文であれば、行動においての態度(受け入れる/拒否する)と関わる) #哲学表現基礎論

2015-06-18 13:23:12
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

受け入れる/拒否するといったとき、そこでは境界(「/」)が問題となる。なぜか、私たちは境界を空間的なものとしてイメージする。それが形式的表現にどのように関わるか、というのが今回の話。 #哲学表現基礎論

2015-06-18 13:26:40
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

いままで概念的に、ソシュールの図式を使って考えてきた。 Syntagm(連結: 顕在)…シニフィアン,シニフィエ Paradigm(変換: 潜在) Syntagmをa、ParadigmをTとおいて、話を進める。 #哲学表現基礎論

2015-06-18 13:30:29
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

クラインのエルランゲン・プログラム(ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8…)。空間の部分(=図形)がもつ諸性質が変換に対してどのようにふるまうかについてまとめたものだが、 […エルランゲン・プログラムと、T(a)の話が進むが、記録者の理解を超越…] #哲学表現基礎論

2015-06-18 13:35:56
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

伝達=制作を内側からみたとき。話し手と聞き手が入れ替わるとき、形式は、外枠の準-安定性を確保する。形式とは何か。ルールの下で構成される表現にのみ由来する性質。 #哲学表現基礎論

2015-06-18 13:47:50
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

形式として扱いたいのは、Syntagmではなく、Paradigmの方。 T(a) T(b) T(c) T(d)…として、ありうる潜在的なTを対象として扱いたい。 一方、T(a) S(a) L(a) G(a)…と、Syntagmを固定すると何がわかるかというと #哲学表現基礎論

2015-06-18 13:51:48
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

T( )をテストすることができる(Tを変換として扱う)、または、a(T)のaを装置として働かせることができる(Tを対象として扱う)。 […記録者の理解を超越…] #哲学表現基礎論

2015-06-18 13:57:07
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

それでは、形式が準-安定性をもたらすというときの、外枠の安定性とは何か。それは、反復使用。例えば、ハンプティダンプティのように同じ言葉を二度と使わなければ、外枠は安定しない。 #哲学表現基礎論

2015-06-18 14:00:38
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

では反復使用とは何か。以下の図を考える。  ( ) T ( ) 装置 外枠 中身 ・外枠から見て中身は…中身が“つまっている”。情報が足りない隙間がない ・外枠から見て装置は…効果的であるべき。無駄な情報はいらない。 この2つの条件のもとで、Tは特定される。 #哲学表現基礎論

2015-06-18 14:04:38
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

例えば、「T(a)の中身であるところのaについて…」と黒板に書くときに、なぜ、Tのことを書けるのかと言えば、“書く”という装置を用いているから(つまり、「書く(T)」ということをやっている) #哲学表現基礎論

2015-06-18 14:10:01
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

「書く(T)」の書くを装置として働かせるときに、Tは対象として扱われる。 では、外枠から見て、中身/装置の部分の情報において過不足がないというのはどういうことなのか。 まず何の情報なのか?これは外部についての情報。 #哲学表現基礎論

2015-06-18 14:15:27
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

この外部は、controlの対象となりうる外部。ここで「画面における画像の不定さ」を思い出そう。画面とはcontrolできるところのものであり、画像の不定さは情報の充実をもたらす[?]。「画面における画像の不定さ」において、外枠はコミュニケーションの形式たりうる #哲学表現基礎論

2015-06-18 14:21:52
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

あらためて、外枠Tの安定となる反復使用とは何なのか。  ① 代入が制限されている  lim→  ② Tは代入に関係ない(Tは身分が違う)  lim← ②はTが確保されていることを前提としている。しかし、私たちはそのTの性質を知りたいのである。 #哲学表現基礎論

2015-06-18 14:25:57
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

準-安定を考えることは、シミュレーションを考える時に必要となる。そのときに、忘れるということが効いてくる。次回はその話。 #哲学表現基礎論

2015-06-18 14:37:58
塩谷賢ゼミ(非公認) @shiotani_bot

コントロールは、コントロールしていない部分がどう動いているかが問題となる。人間はどういうわけかそれが処理できてしまうが(そして人間の意識はそれをほとんど忘れてしまうが)、演算装置は、計算式のなかで「情報の過不足がない」と考えてしまう。 #哲学表現基礎論

2015-06-18 14:49:33