対戦車火器のおべんきょう

自分の知識の再確認とかもふくめております
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HEK @LegendaryRice

対戦車火器の進化というのは戦車の装甲と運用、そして歩兵を取り巻く環境の変化と弾薬の技術が複雑に絡み合ってて一概に語るのは難しそうだね

2015-06-25 11:21:43
HEK @LegendaryRice

第一次大戦に投入された戦車は塹壕戦のセオリーを崩す事に成功した。野砲陣地や機関銃陣地が装甲を身にまとって移動するというのは当時の兵士からすると恐怖以外の何者でもなかった。戦艦が陸に上がってきたようなものだろうか

2015-06-25 11:23:35
HEK @LegendaryRice

さすればその陸上戦艦を殺さねば自軍の被害は増えるばかり。WW1に投入された戦車達は装甲があると言えど決して分厚いものではなく、野砲による攻撃が直接当たったりしても容易に撃破された。つまり、その装甲は手榴弾の破片や小銃弾を防ぐ程度のものだったわけだね

2015-06-25 11:25:00
HEK @LegendaryRice

そこで各国は色んな手段を考える。例えばこれは小銃(機関銃)で使うAP弾だ。7.92mm弾は当時ドイツ等で使われた一般的なライフル用弾薬で、思うがままに暴れる戦車の乗員を歩兵が殺すために徹甲弾が用意された。 pic.twitter.com/bsRGhU1vzX

2015-06-25 11:27:15
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HEK @LegendaryRice

しかしこれでも不安が残ると、次に野砲でぶっ叩くようになる。これは現代の航空支援なんかにも似たような感じやね。

2015-06-25 11:28:32
HEK @LegendaryRice

だがそれでも満足できない。命中精度が必ずしも高いわけではないし、複数門で叩かなきゃ効果的な打撃を与えられなかったとのレポートもあるようだね。そこで現れたのが対戦車ライフル。

2015-06-25 11:29:40
HEK @LegendaryRice

対戦車ライフルは肉薄して危険を冒して手榴弾を投げ込む必要はなかったし、野砲ほど手間が掛かるものではなかった。発想は単純、既存のライフルの弾薬をより大きいものにすればいいんじゃ。

2015-06-25 11:33:10
HEK @LegendaryRice

そうして生まれたのがマウザーM1918、"Tank abwehr Gewehr"。 殺意のこもった13x92SRを発射するシングルショットの対戦車ライフルだった。 300m先でおよそ15mmの装甲を貫通出来、それは十分な性能だと言える pic.twitter.com/qnyb6fCaTp

2015-06-25 11:36:17
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HEK @LegendaryRice

でも単純に拡大しただけなので問題も多い。よくある話だよね、反動がデカすぎて肩がやられてしまうのだ。M1918は以降生まれた対戦車ライフルや現代の対物ライフルほど大きなマズルブレーキを備えておらず、射手にそのままの反動が跳ね返ってきた。

2015-06-25 11:37:19
HEK @LegendaryRice

そういう欠陥もあってかどんなシチュエーションでも見るほど配備されたというわけではなく、結局は野砲等との併用が行われる。まあ安心やろなw

2015-06-25 11:38:50
HEK @LegendaryRice

WW1が無事終わってドイツを殺した後、各国は一斉に対戦車火器の開発を始める。37mm砲は少数の歩兵でも運用ができる非常に優秀な対戦車ライフルの上位互換()になると考えられ、当然各国で37mm砲がいろいろ作られた。

2015-06-25 11:40:43
HEK @LegendaryRice

例えばチェコのVz.37のように転輪が付いているものは対戦車ライフルの上位互換になることを狙って作られたものが多い。便利やしな pic.twitter.com/ZjBxcaZxo1

2015-06-25 11:43:11
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HEK @LegendaryRice

この頃の37mmはナチが1号や2号を作る時に対戦車ライフルを積もうとしてたのと似たようなポジションにいて、「戦車に積んで戦車と戦わせる」「前線の兵士に持たせて現場で戦車を始末させる」という目論見もあったようだ。

2015-06-25 11:44:47
HEK @LegendaryRice

駄菓子菓子、WW2に入るとその目論見はあまり正しいものではなかった事が解った。ナチの3.7cmが「ドアノッカー」呼ばわりされたように、従来の対戦車ライフルの上位互換と考えられたものが既に通用しなくなっていたのだ。

2015-06-25 11:46:28
HEK @LegendaryRice

WW2における対戦車ライフルの立ち位置とかはえすだぶ(@FHSWman)大先生のツウィーートを漁ったりしてもらえると大変興味深いお話が多いので、とりあえず「WW2中の対戦車ライフルはごく一部を狙わないと死んでた」という認識で話を進めます

2015-06-25 11:48:30
HEK @LegendaryRice

WW2に入る頃、対戦車戦闘には様々な方法が生まれていた。まずは昔ながらの対戦車ライフル、あるいは小口径砲を使った戦闘や威力マシマシの手榴弾をぶつける戦闘 pic.twitter.com/346xJPJh2n

2015-06-25 11:51:59
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HEK @LegendaryRice

そして航空機による対地攻撃、対戦車自走砲の開発、 pic.twitter.com/gFXaeiArgw

2015-06-25 11:55:26
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HEK @LegendaryRice

中期以降では新型の対戦車兵器の投入などが行われた。いわゆる無反動砲やね

2015-06-25 11:57:22
HEK @LegendaryRice

無反動砲というのは画期的だが、立ち位置としては対戦車ライフルと37mm砲の関係にも似ていた。例えばこのナチの無反動砲達は車輪が付いており、比較的運搬が容易だった。 pic.twitter.com/1D7Od4Z1Mn

2015-06-25 12:01:58
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HEK @LegendaryRice

車輪付きの無反動砲は37mm砲の上位互換のような存在だ。ではバズーカやパンツァーシュレックのような歩兵携行も可能な無反動砲は? 対戦車ライフルの上位互換と考えて差し支えはないだろう。パンツァーファウストは後述 pic.twitter.com/a0qOOJ9otl

2015-06-25 12:04:14
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HEK @LegendaryRice

自分の頭の中では対戦車ライフルから37mm砲、37mm砲から大型無反動砲、対戦車ライフルから携行無反動砲みたいな感じでツリーが出来上がってる。だがWW2は兵器の見本市みたいなものなので他の部分でもツリーにできるものが沢山ある

2015-06-25 12:06:37
HEK @LegendaryRice

例えばWW1で肉薄して手榴弾を投げていた連中の精神は吸着爆雷だとかに引き継がれたし、航空機でも水平爆撃から精度を求めた急降下爆撃等々。みんな戦車を殺すために必死なのだ pic.twitter.com/1DvQmlsNvA

2015-06-25 12:09:42
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HEK @LegendaryRice

対戦車ライフルはWW2中に途絶えてしまったが、そのコンセプトはバズーカ等の歩兵携行式の無反動砲へと繋がる。更に戦後はパンツァーファウストのような使い捨ての携行対戦車火器も生まれ、戦車の能力向上に従ってこちらも進化している。

2015-06-25 16:35:09
HEK @LegendaryRice

たとえばバズーカはM9やM20、M67として段々と改良・進化していくものの、一方でM72 LAWのようなコンパクトで携行性に優れるものも作られていた。 pic.twitter.com/dAe6JXupkh

2015-06-25 16:37:44
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HEK @LegendaryRice

しかし、無誘導の火器ばかりだった対戦車火器の道についに新たな物が参入する。対戦車ミサイルだ。世界初の歩兵が運用できる対戦車ミサイルはフランスのSS.10あるいは露助の9M14で、どちらも後に第一世代のミサイルとされる。 pic.twitter.com/8nveOFT7j7

2015-06-25 16:43:02
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