2015.6.30作成【2012年無料論文(日本語)「甲状腺乳頭癌の至適術式について」伊藤 康弘&宮内 昭】Yurihiranumaさんのツイートまとめ

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Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

2012年無料論文(日本語) 「甲状腺乳頭癌の至適術式について」伊藤 康弘&宮内 昭 jstage.jst.go.jp/article/jaesjs…

2015-06-30 13:34:11

抄録

甲状腺乳頭癌は一般に予後良好であるが,中には再発を繰り返すようなハイリスクな症例がある。
ハイリスクな症例に対しては全摘を行い,予防的郭清も含めて広範囲なリンパ節郭清が必要である。
日本内分泌外科学会および日本甲状腺外科学会が2010年に出版した「甲状腺腫瘍診療ガイドライン」で定められた全摘の適応は,当院のデータから鑑みても概ね妥当である。
中央区域のリンパ節郭清はすべての乳頭癌についてルーチンに行うべきであり,外側区域の予防的郭清は,腫瘍径が3cmを超える症例やEx2の症例といった予後不良とされる症例には施行することが望ましい。
あらゆる乳頭癌に対して画一的な手術を行うのではなく,個々の症例の予後をきちんと見極めた上で術式を決定することが大切である。

Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

引用:中央区域のリンパ節は,「甲状腺腫瘍診療ガイドライン」に記載されている通り,術前にそこに転移がなくとも郭清すべきである。中央区域の郭清は創の延長も必要なく,さほど時間がかからないことが多い。

2015-06-30 13:49:37
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

引用:予防的な中央区域の郭清が予後を改善するというデータはないが,術後のその部位に再発した場合,それに対する再手術は反回神経の損傷や永続性の副甲状腺機能低下症などの合併症を生じる危険性が高い。

2015-06-30 13:50:29
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

引用:反面,外側区域の郭清のためには創をかなり外側まで延長する必要があり,剝離面も多く,かなり時間がかかる。また,乳糜漏,内頸静脈や迷走神経の損傷,副神経麻痺,Horner症候群といった合併症が起こりうるし,そういったものがなくとも術後の痛みや不快感といった患者の愁訴は多くなる。

2015-06-30 13:50:54
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

引用:従って予防的な外側区域郭清は,症例を選んで行うのがよい。

2015-06-30 13:51:09
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

引用:リンパ節転移の術前評価はもっぱら超音波検査で行うが,表5に示すようにたとえ術前に転移が明らかではなくても,実際に郭清してみればかなりの頻度でそこに転移が存在する。 jstage.jst.go.jp/article/jaesjs… pic.twitter.com/wiGF7zDA7K

2015-06-30 13:53:02
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引用:予防的外側区域郭清を行った症例においてカットオフを3センチとし,それを超える症例とそれ未満の症例で術後10年のリンパ節再発率を比較すると,前者は13%,後者は2%と前者の方が有意に高かった(p< 0.0001)。

2015-06-30 13:53:33
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

引用:同じくEx2の症例とEx0あるいはEx1の症例で比較検討すると前者の10年リンパ節再発率は14%,後者のそれは5%であり,やはり前者の再発率が有意に高かった(p <0.0001)。もしこういった症例に予防的外側区域郭清を省略すれば,再発率はもっと高くなる可能性がある。

2015-06-30 13:53:58
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

引用:それゆえ,腫瘍径が3cmを超える症例や明らかにEx2とされる症例には,たとえ画像的に転移が明らかでなくても,予防的な外側区域郭清を行った方がよいと考えられる。

2015-06-30 13:54:28
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

引用:我々の結論は以上であるが,これについてはいろいろな考え方があろう。リンパ節再発はただちに命を脅かすものではない。

2015-06-30 13:55:27
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

引用:中央区域の再手術は技術的にも困難で合併症を起こしやすいが,外側区域に再発した症例の再手術は,一度も剝離していないところを手術するため,大抵の場合,剝離にそう難渋することはない。従って,海外でよく言われる“wait and see”という姿勢は間違いであるとまでは言えない。

2015-06-30 13:55:51
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

引用:また,リンパ節再発は乳頭癌の場合,常にリスクとして存在するものであり,どんな症例でもその可能性をゼロにすることはできない。すなわち乳頭癌を治療する場合,リンパ節再発はある程度想定しておかなくてはならないものである。

2015-06-30 13:56:20
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

引用:そしてその再発率をどのくらいまで容認するかは,個々の医師や患者によって異なってくる。我々は10年で10%を超えるリンパ節再発率は,やはり高いと考えている。

2015-06-30 13:56:57
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

引用:比較検討した研究はないが,そういう症例で外側区域郭清を省略すればさらに再発率があがる可能性があり,これは我々としては容認しがたいと考える。

2015-06-30 13:57:35
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

引用:しかしもっと高い再発率,たとえば10年で20%,あるいはそれ以上でも容認するという立場であれば,予防的郭清の適応も変わってくることになる。これは各々の考え方によるが,上に述べたようなデータが存在するということを留意して治療に当たっていただきたい。

2015-06-30 13:57:43
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

引用: 4. 終わりに 甲状腺乳頭癌は基本的に予後良好な疾患とされる。しかしその中に,そう頻度は多くはないが,局所再発を繰り返したり,遠隔再発を起こしたりすることによって命を脅かす症例が存在する。

2015-06-30 13:58:29
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

引用:どんな症例に対しても画一的な手術を行うのではなく,個々の症例の予後をしっかり理解した上で,切除範囲を決めることが大切である。

2015-06-30 13:58:47
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

さすが多くの症例を診てこられた専門医ですね。

2015-06-30 14:02:47