狭間】久方ぶりの手合わせをした夜。食事をして、家に帰ってきたところ。この部屋に、この相手と自分がともに居るのを、久しぶりだ、とは、自分はあまり思わない…相手は、どうだろうか。 「…………、………、」 先ほどからしばらく、考えに沈んでいる。
2015-06-30 13:36:01ハイジ】トントンと軽い足取りで部屋を横切る。久しぶりにきちんと二人で過ごせる夜も更けて、眠る支度を済ませていく。歯を磨き服を寝巻に着替えて少し落ち着かない。
2015-06-30 13:37:32@c_yu_n ハイジ】「あんか、すげーひさしぶりなぁ?そんな気ィしねえ?」寝る準備を整え、ふふんと嬉しげに振り返る。相手の傍まで近づいて座ろうかと思う。
2015-06-30 13:40:06@HaKo_723 狭間】「そ? …まあ、しばらくずーっと、一緒だったもんなあ、」特に三月の半ば、港のコンテナに訪れて以降は、べったりと言ってもいいくらいだった気がする。苦笑のように笑って、相手のために隣に少し席を空けるよう、ベッドに腰掛けた身体をすこしずらす。
2015-06-30 13:43:14@c_yu_n ハイジ】「んーな、・・・へへへ」横に遠慮なく座れば相手を見て無邪気に笑う。至極嬉しそうなのが傍から見ても分かるだろう。両足をベッドの外に投げ出して訊ねる。「今日はシゴト、ねーんだ?」
2015-06-30 13:47:03狭間】きっと、話した方が相手のためになる、とか、悲しくても、知っていた方がいいんじゃないか、とか、…けれどそれを怖いと思う気持ち、時期が悪いと思う気持ち、それは自分のエゴじゃないかと疑う気持ちが、ぐるぐると巡る。
2015-06-30 13:48:48@c_yu_n ハイジ】その表情を見て肩を竦めてから手をのばし、頬を軽く抓んで離す。「シゴト、疲れてんの?」窺う様に笑ってからぼすんと後ろに倒れよう。「疲れてんならちゃんと寝ろよォ?」ポスポスと相手の背を叩く。
2015-06-30 13:56:03狭間】不必要に沈んだ気配を見せているわけではない。ただ、曖昧に笑っているだろうなあ、とは思う。…なにも今、この嬉しそうな笑顔に水をささなくても、いいんじゃないか、とも思う。開き気味の両膝のあいだに手を組んで、指先をもぞもぞと動かす。
2015-06-30 13:56:35狭間】…自分が知らせなければ、この相手はずっと、知らずにいられるだろうか。それとも、誰かが知らせるだろうか…桐生トウヤは、源風香が死んだとは、まだ、認めていないはずだ。玉兎は死んだ。彼女が死んだことを、知っている人物は、自分の知る限り、いない。…いずれチョークは、知るのだろうか。
2015-06-30 14:00:40狭間】ブライアン・ジョンソンが、風香の死を知ったことを、思い出す。あの少年は、知っている。彼は、受け入れた…ように、見えた……考える。
2015-06-30 14:03:30@c_yu_n ハイジ】「・・・?」普段と違ってどこかはっきりとしない声に叩く手が緩やかになる。「…どうかした?」疲れているのか、気分でも悪いのか相手の様子を背中越しに窺う。ゆるゆると背を撫でる手つきに変わる。
2015-06-30 14:03:40@HaKo_723 狭間】「……んん、なんでも…、…、」それが嘘になるとは分かっていて、なんでもない、という答えを、一瞬迷ってパッと弾き出す。撫でる手つきに、なんだか困る。思考に回ってばかりで、この相手に何のアクションをもあげられていない。分かっちゃいる、のに、行動できない。
2015-06-30 14:06:23@c_yu_n ハイジ】じい、とその背中を見上げている。(なんでも・・・)ないわけがないよなぁと、ゆっくり瞬きをしている。この相手は何か考え事をしているだろうことはその雰囲気からでも察する事が出来る。
2015-06-30 14:10:39@HaKo_723 狭間】「………、」 まだ、黙っている。ベッドの外の方を見ている。振り返っていない。斜め下からの横顔は、相手からは見えるだろうか。自分は、相手の方を見てはいない。部屋の電気は、まだ、落としていない。
2015-06-30 14:17:17狭間】どうしても、焼き付いたその光景が、…そして、見えなかったはずなのにまるで見たようにはっきりと思い浮かぶ、おそらく想像であるはずの、あのときの彼の表情が、自分にとっての、大きな枷になる。
2015-06-30 14:19:49